日本では人に年齢を聞く際に少し抵抗を感じます。
それは年長者を重んじる「年功序列」の文化が根付いていることも要因のひとつといえます。

Aさん
How old are you?
Bさん
I’m 24 years old.

年齢を聞く際、伝える際にはこのようなやりとりが一般的ですよね。

では、「20代」「30代」などとぼかしたい時は?
誕生日が近い時など、「25歳になります」と言いたい時は?
会話の中で第三者の年齢を伝える適切な表現は?
失礼にならない年齢の訪ね方は?

年齢の言い方は「year(s) old」だけではありあせん。これら全て、それぞれ違った表現があります。

日本では年齢を会話に出す際に憚られる傾向にありますが、国によっては「年齢に」対する価値観が日本とは異なるところも。外国の年齢に対する価値や考え方に関しても併せてご紹介!

年齢を表す基本は~ years old

年齢を言うなら、まずは「~years old」ですよね。現在形で使えばもちろん今の年齢が言えますし、過去形にすればその時点で何歳だったのかを言えます。「18歳の時にイギリスへ留学した」など、過去のことが言えるようになれば会話の幅も広がります。

もちろん自分の年齢だけでなく、他人の年齢も言える表現なので家族紹介をする時などにも使える基本表現ですね。

Aさん
I have lived in Japan when I was 18 years old.
訳)18歳の時に日本に住んでいたことがある。
Aさん
I am 20 and my sister is 24 years old.
訳)私は20歳でお姉ちゃんは24歳です。

「year old」 と「years-old」の使い方の違い

a ~ -year-oldで形容詞化する

I’m 24 years old.

I’m a 24-year-old.

このふたつの表現の違いはなんでしょうか。

まず一つ目は冒頭でも説明した基本的な年齢の答え方ですね。
1歳であれば複数形のsは必要ないので「1 year old」となりますが、2歳以上は複数となるので上記のようにsを付ける必要があります。

では二つ目の「I’m a 24-year-old.」はどうでしょう。

まず冠詞のaが年齢の前についていますね。しかし24という複数を表すはずのsがここにはなく、単語がハイフンで繋がれています。
これは「24-year-old」をひとつの形容詞として表現するときに用いられる方法です。

ここで、「形容詞であればなんで名詞が後ろにないの?」と疑問を持ったあなた、形容詞のしくみを大変よく理解しています。

その通り、本来であれば

「I’m a 24-year-old man/woman/boy/girl」などの修飾される名詞がついてきます。そのため名詞を修飾するための冠詞のaがつくのも納得です。

そうなると「I’m a 24-year-old」と形容詞で終わる文は不自然に感じますが、この表現の場合は最後の名詞部分が省略されることが度々あります。そのため名詞を続けなくても正しい表現として成り立っているので、あまり文法的なことを意識する必要はありません。

年齢に拘わらず2以上の数字には複数形のsがつきます。
しかしこの「24-year-old」のように「名詞の形容詞用法」を使えば単数形になることを頭に入れておきましょう。

この表現は日常でそう頻繁に使われる表現ではありません。使われたとしてもリスニングだと気づきにくく、大きく掘り下げるような問題でもないのでその場限りで終わってしまいます。しかしこの2つの明確な違いがわかると、小さなモヤモヤも解消、正しく理解、また自分で使う時も迷わず自信を持って使えますよね!

Aさん
Did you have everything you needed? Did you have money for your lunch? I think you should bring a power bank in the case.
訳)必要なもの全部持ったの?お昼に十分なお金ある?スマホの予備バッテリー持って行ったほうがいいなじゃない。
Bさん
Hey mom, I’m a 30-year-old grown-up man! this is just a camping activity with friends!
訳)母さん、俺30歳の成人男性だよ。それにただ友達とキャンプに行くだけだろ。

****

Aさん
So, you said your kid is a tiny 5-year-old girl. what she looks like?
訳)お子さんは5歳の小さな女の子ですね。どんな格好をしていますか?
Bさん
She is wearing a white shirt and a red skirt and…also carrying a pink backpack.
訳)白いシャツに赤いスカート、それと…そう、ピンクのリュックサックも!
Aさん
Okay…It sounds like a girl just behind you.
訳)なるほど…ちょうど今あなたの後ろに立ってる子どものようですね。
Bさん
Yes, it does…. wait, what? Kelly!! Where you have been!!!
訳)そう、そうなのよ…え?ケリー!!今までどこにいたの!!!

シンプルに年齢だけを答えるときは「I’m ~years old」でいいでしょう。
しかしその人物の年齢に加えて性別や容姿なども確認する意味で
She is 5 years old.
She is a girl.
She is very small(tiny).
これらすべての情報をひとまとめにできるこの形容詞としての用法はとても効果的です。

~years of age

years of age

あまり聞きなれない表現ですが、こちらも年齢を表す表現のひとつ。

かなりかしこまった表現なので日常会話ではほとんど聞きませんが、説明書や法律に関する文面などでよく目にします。

Children 5 years of age or up require a passport.
五歳以上のお子様はパスポートをご持参ください。

This product is suitable for 16 years of age and older.
この商品は年齢が16歳以上の方に適しています。

「years old」ではなく「age」の年齢を表す単語は法的に規定の年齢という意味が含まれています。ちなみに「come of age」で「成人」を意味します。

My son will come of age next month.
息子は来月で成人する。

You will come of driving age soon.
もうすぐで運転できる年齢になる。

この「~ of age」の表現は日常の使用頻度こそ低いものの、知っていると幅広い場面で役立ちます。使う時、使われている時のシチュエーションを理解することが正しい活用法にも繋がりますね。

a man/woman of ~で「~歳の男/女」

a man/woman of ~で「~歳の男/女」

「a man/woman of ~」 は「~歳の男/女」という意味です。しかし、自分の年齢を言う時にはあまり使わない表現です。日本語訳でもそうですが、自己紹介の時に「私は30歳の女です」と言うのは、なんとなく、どうして性別を強調したのだろうという疑問を抱かせてしまいます。

どちらかというと、「彼は30歳の男です」など、第3者の紹介をする時に使う表現として定着しています。

Aさん
Have you ever met a colleague Max?
訳)社員のマックスって知ってる?
Bさん
I don’t think I have.
訳)ちょっとわかんないな。
Aさん
Well, He is a man of 30 from Barcelona, has a sweet mask and a sweetheart. what would you say?
訳)やさしくて甘いマスク、バルセロナ出身30歳男性、どう?

****

Aさん
Ellen has been unstable lately. Is there anything wrong with her?
訳)エレン最近不安定だよな。なにかあったのか?
Bさん
She is a woman of 18. Of course, she changes a lot in many ways psychologically, and physically.
訳)18歳の女性よ。身体的にも心理的にも変化が多い年ごろじゃない。

同じような表現に、「a man/woman aged ~」があり、こちらも「a man/woman of~」と同じ要領で活用できます。

「~歳になります/なりました」の表現

誕生日がもうすぐ、もしくはついこの間誕生日を迎えた。そんなときは「今週で24歳になります」というような答え方も用意しておきたいものです。

「Will」を使ってこれから迎える年齢を表す

助動詞の「Will」は未来のことを表すときに使われます。

「〇〇歳になる」と言いたいときも「will be~」を使って表現できます。

Aさん
I’ll be 26 next month.
訳)来月で26歳になります。
Aさん
She’ll be 37 in May.
訳)彼女は5月で37歳になる。
Aさん
My son will be 3 soon.
訳)息子はもうすぐで3歳になる。

「Turn」を使ってこれから迎える年齢、すでに迎えた年齢を表す

「~になる」という表現を聞いて「become」を思い出す人もいるかもしれませんが、年齢を表す表現には使いません。
日本語でも、ターンしてと言われたらくるりと回る動作がすぐに思い浮かびますし、折り返すことをUターンとも言いますよね。その「Turn」を使います。

Aさん
I’m turning 26 next month.
Aさん
She is turning 37 in May.
Aさん
My son is turning 5 soon.

また、この「Turn」を過去形の「Turned」にすることで「~歳になった」と言う表現もできます。

Aさん
I turned 26 last month.
Aさん
She turned 37 in May.
Aさん
My son turned 5 yesterday.

年齢を聞かれて「〇〇歳です」と答えるのはもちろん。タイミングや状況に応じてこの「Turn」を使った表現もどんどん取り入れて引き出しを増やしていきましょう!

英語で年齢を訪ねる表現

英語で年齢を訪ねる表現

日本は特に、まだそう親しくない間柄の人に年齢を聞くときは、失礼にならないようかなり気を遣いますよね。

英語でも年齢を聞きたいとき「How old are you?」と単刀直入に聞いてしまっていいものか。相手によっては気を悪くしてしまうことだってあるかもしれません。
そんなとき「How old are you?」以外の「おいくつですか?」を知っていると空気を悪くすることなくスムーズなコミュニケーションが図れます。答え方もセットで覚えておきましょう。

How old are you?

年齢を尋ねる際の基本表現ですよね。

日常会話の中で、自分が聞く側にも聞かれる側にもなり得る質問文は、その質問に対する応答もセットで覚えておきましょう。

How old are you? → I’m 20(years old)

年齢答えるときは「~years old」と習ってきましたし、正しい表現に間違いはありません。しかし友達同士などのカジュアルなア日常会話だと、「I’m 20 years old」は実は少しかしこまって聞こえます。日常会話では「years old」を省いた数字のみの「I’m 〇○」が一般的です。

How old will you be? / How old are you going to be?

近い将来に何歳になるかを伝える表現を解説しましたが、その疑問文バージョンがこちらです。同じく未来形の助動詞であるwillを使ったり、それと類似した意味を表すbe going to~を使うこともできます。
この質問をされたときは、未来の疑問文なのでその時の年齢ではなく、次の誕生日に迎える年齢を答えます。

もしも質問された相手が20歳であれば、以下のようになります。

How old will you be? → I will be 21(years old)
何歳になりますか?   21歳になります。

How old are you going to be? → I’m going to be 21 next month.
何歳になりますか?       来月で21歳になります。

May I ask your age?

How old~? とは違い、「May I ~?」の表現はとても丁寧な表現となります。

May I ask your age?    →    My age is 20.
年齢をお伺いしてよろしいですか?   20歳です。

「I’m 20」と答えても問題ありません。ただ「age」で聞かれているので、返答も「My age is~」となるのが文法的には正しい答えとなります。

10代、20代、30代…と言いたい時

will be~で「~歳になります」

必ずしもその時の正確な年齢だけが答えではありません。
何歳とはっきり言いたくない時や、誰かの年齢について正確にわからないときなどは、「〇〇代」という表現をよくしますよね。

英語では以下の表現を覚えておきましょう。

【主語】 + 【be】 + 【in】 + 【所有名詞】 + 【10, 20,30~s】

Aさん
I am in my 20s.
Aさん
She is in her 40s.
Aさん
He is in his 30s.

この「数字+s」の表現は年齢に限らず「20番台」などの番号や度数を表すときなどにも同じように使います。

  • 10代:10s / teens
  • 20代:20s / twenties
  • 30代:30s / therties
  • 40代:40s / fourties
  • 50代:50s / fifties
  • 60代:60s / sixties
  • 70代:70s / seventies
  • 80代:80s / eighties
  • 90代:90s / nineties
  • 100代:100s / hundreds

人生100年代と言われているい現代、100歳を超える人も以前ほど珍しくはなくなりました。
100歳以上の人を意味する「centenarian」という単語を使ってもいいでしょう。

Aさん
Many centenarians eat meat a lot in their meals.
訳)多くの100歳以上の人たちは肉をよく食べている。

~代前半・半ば・後半を表現する

もう少し詳しく20代前半、30代後半、50代半ばなどと表現するときはこちらです。

  • 前半:early
  • 半ば:mid / middle
  • 後半:late

10代、20代~の表現の応用で、数字のまえにearly, middle, lateのいずれかを加えます。

Aさん
She looks like in her early 30s.
訳)彼女は30代前半に見える。
Aさん
I was teaching when I was in my middle 50s.
訳)50代半ば頃教師をしていました。
Aさん
My dad is in his late 40s.
訳)私のお父さんは40代後半です。

 

海外で年齢はどれほど重要?

海外で年齢は重要?

ここで、日本と海外の年齢についての考え方を少し見ていきましょう。海外は、日本よりも人の年齢について気にしない風潮があります。なぜなら、日本と違って相手の年齢や立場によって敬語とため口を使い分ける必要がないからです。

英語にも丁寧な言い回しや敬語と言える表現のものもあります。しかし日本語のように丁寧語・尊敬語・謙譲語というように、敬語でも3つのカテゴリーに分かれ、立場によって複雑に表現が異なる敬語は、数ある他言語の中でも稀とも言えるでしょう。

また、アメリカでは年齢に対する縛りが日本ほどないことも、価値観にギャップが生まれる理由のひとつです。
日本では通常大学は18歳からが当たり前とされていますが、アメリカの教育システム上日本より間口が広く、大学1年生でも必ずしもみんなが同じ年代、同じ歳のクラスメイトということではありません。中には定年後に大学に通ったり、仕事をしながら夜のクラスを取ったり、飛び級も珍しくありません。
そのため日本とは違い、仮に30代以降大学に通いたいと思っても、その柔軟な対応に「遅い」という感覚はないようです。

しかしここで勘違いしてはいけないのが、これらのような異文化背景があるからといって、海外の人たちが年齢について全く気にしないということではありません。中には年齢の話に抵抗がある人もいるでしょう。自分の年齢を明かすことに気の進まない人だってもちろんいます。しかしそのような中で色々な言い回しを知っていたら、その場の空気を悪くすることもなく、円滑なコミュニケーションをとることができます。

「年齢」や「何歳」というワードを出さずとも、

Aさん
I’m 35 you look like same generation.
訳)私35歳なんだけど、おなたも同じくらいの年代かしら。
Aさん
I was born 1990 and what year were you born ?
訳)私19990年生まれ、あなたは何年生まれ?

などとやんわり引き出すような言葉をつかうのも自然でおすすめです。

まとめ

  • I’m a 24-years-oldのように、冠詞の「a」が来る場合は年齢そのものを形容詞として使う
  • 法的な既定の年齢を表す際には「~years of age」がよく用いられる
  • 「a man/woman of ~」~歳の男性/女性 は他者の年齢について触れるときに便利
  • これから迎える未来の年齢を表すには「will」もしくは「turn」
  • 既に迎えた年齢を表したい時は「turn」の過去形「turned」
  • 年齢を尋ねるあらゆる表現を勉強する際は答え方もセットで覚え正しく活用
  • 【主語】+【be】+【in】+【所有名詞】+【10, 20,30~s】で「10代、20代~」を表現
  • early 前半、mid/middle 半ば、late 後半を表現

一口に年齢と言っても、聞く方も答える方も、さまざまな表現があります。
少々センシティブな年齢に関する話題でも、その場に応じた表現を正しく活用できるようになると、自身を持って話すことができます。年齢だけではなく数字に関する表現方法の幅も広がるので、これを機に質問の仕方や答え方を今一度見直してみてはいかがでしょう。