今回のテーマは「リリース」です。

日本語では「新曲がリリースされる」などと、カタカナ英語の「リリース」がよく使われますが、英語でも同じように表現してよいのでしょうか。この記事では、リリースという言葉が日本語と英語でどう違うのか、詳しく確認していきます。

また、記事の後半ではリリースと似た意味を表す言葉についても、それぞれの違いを説明するので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

そもそも「リリース」とは?

そもそも「リリース」とは?

そもそも日本語で使われるカタカナ英語「リリース」は、作品や製品などが発表されること、または発売されることを表します。

たとえば「新曲をリリースする」と言った場合は、そのアーティストの新曲が「発売」されることを意味します。また、「新しい情報がリリースされた」と言った場合は、その情報が世間に「発表」されたという意味を表します。

「リリース」は英語で何て言う?

「発売」や「発表」を意味するリリースは、英語でも同様に “release” と言います。発音記号は【rɪˈliːs】で、カタカナ英語の発音でも十分に通じます。

カタカナ英語の中には、日本語と英語で使い方が異なるものも多いですが、リリースに関してはほぼ同じと考えてOKです。

なお、「リリースする」の場合は release でよいですが、「リリースされる」の場合は be released と、受け身の形にするのを忘れないようにしましょう。

Aさん
Tomorrow, a new song by my favorite artist will be released.
訳)明日、好きなアーティストの新曲がリリースされます。

「発売」「発表」以外の releaseの意味とは?

release は、「発売」「発表」以外にも、「解放する」「釈放する」という意味を表すことがあります。

release の語源を遡ると、ラテン語で「緩める」を意味した relaxare に行き着きます。気持ちを落ち着かせる「リラックス(relax)」も同語源です。

たとえば、蓋を開けるなどして容器内部の圧力を緩めれば、中の液体や気体などが「解放」されます。また、捕虜を捕まえていた縄を緩めれば、彼らを「釈放」することになるでしょう。

なお、「発売」「発表」という release の意味も、情報統制を緩めるイメージから生まれています。それぞれ違う意味に見えますが、根っこの「緩める」というイメージは共通しているんですね。

Aさん
“Nigirippe” is a prank where you trap a fart in your hand and release it near someone’s nose.
訳)「にぎりっぺ」とは、手の中におならを入れて、それを相手の鼻先で解放させるイタズラです。
Bさん
Thanks for the needlessly detailed explanation.
訳)無駄に詳しい説明をありがとう。

 

「プレスリリース」は英語で何て言う?

「プレスリリース」とは、新商品の発売や新規事業の開始などについて、報道機関向けに情報を解禁することを表すカタカナ英語です。これを英語で表す際も、そのまま “press release” と言ってしまって問題ありません。

ここで使われている press は、もともと新聞社を意味する言葉でした。しかし、現代では新聞社に限らず色々な報道機関がニュースを扱っているため、幅広く「情報解禁」の意味で使われています。

Aさん
To spread the information about the new product, the company issued a press release.
訳)新製品の情報を広めるため、その会社はプレスリリースを発行しました。

リリース以外の「発売する」「発表する」を表す英語は?

リリース以外の「発売する」「発表する」を表す英語は?

「発売する」「発表する」を表す際は、release 以外に以下の表現も使われます。

  • launch
  • roll out
  • publish
  • unveil
  • put up

それぞれに表すニュアンスが少しずつ違っているので、1つずつ詳しく確認していきましょう。

launch

“launch(ローンチ)” は、新しい商品やサービスなどが初めてお披露目される瞬間を表します。

launch はもともと、ロケットを打ち上げることを表す動詞です。ロケットの打ち上げには諸々の準備が必要ですが、この場合もそのイメージが根底にあり、満を持して登場というニュアンスが含まれます。

ちなみに、アパレル業界などで過去の商品を復活させることは “relaunch(リローンチ)” と言います。これも単なる再販でなく、復活のための準備や努力が必要だった背景が想像されます。

Aさん
I heard a completely new social media is going to be launched tomorrow.
訳)明日、まったく新しいSNSが発表されるらしいです。

roll out

“roll out(ロールアウト)” は、新規サービスなどを段階的に広げていくことを表します。

roll は「転がす」、out は「外に」という意味なので、巻物をコロコロと広げていくようなニュアンスです。そのため、情報を一気に解禁する release や launch と違い、スマートフォンのアプリなど、詳細を徐々に公開しながら修正していくタイプの製品でよく使われます。

Aさん
New mobile games are being rolled out one after another.
訳)新しいソシャゲがどんどん発表されています。

publish

“publish(パブリッシュ)” は、情報が一般に公開されることを表します。原義は「公共(public)化する(-sh)」から来ています。

publish は release とほぼ同じイメージを持っていますが、音楽の発売や映画の公開の場合は release、書籍の出版の場合は publish が使われることが多いです。公開する対象によって適する表現が変わるので、ぜひ覚えておきましょう。

Aさん
My future dream is to publish an autobiography.
訳)私の将来の夢は、自伝を出版することです。

unveil

“unveil(アンヴェイル)” は、敢えて隠していた情報を公に解禁することを表します。ここで使われている veil は何かを覆っているの布のことで、unveil は「覆いを取る」が原義になります。

情報を公開する点で unveil は publish と似ていますが、publish が基本的に書籍の出版を表すのに対して、unveil は情報から製品に至るまで、幅広い対象の発表に使えます。

Aさん
Due to a request from the police, the list of participants for the party has finally been unveiled.
訳)警察からの要請により、そのパーティーの参加者名簿がついに発表された。

put up

個人が気軽に情報を公開する際は “put up(プットアップ)” が使われます。

たとえば、ブログに記事を投稿したり、SNSで情報を発信したりする際、個人が release を使うと大げさなので、put up で表現するとよいでしょう。日本でも「アップする」という表現が使われますが、それとほとんど同じニュアンスと考えればOKです。

Aさん
It’s a daily routine for me to put up articles about my beloved cat on my blog.
訳)うちの猫についての記事をブログにアップするのが、私の日課です。

まとめ

今回は「リリース」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

日本語では、何かが発売されたり発表されたりすることを「リリース」と表現しますが、英語でも同様のイメージで release を使うことができます。また、英語の release には他にも「解放する」「釈放する」といった意味があるので、この機会にぜひ覚えておきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!