近年、アメリカでは若者の間で抹茶を使ったドリンクやスイーツが流行っているのをご存知ですか?現地では抹茶を”Matcha”と呼び、ビターなその味わいとカテキンの栄養価を評価する動きがあり、ヘルシー志向の方に大人気となっています。今回は、そんなMatchaブームの実状を紐解いていきます。

アメリカではなぜMatchaがブームになったのか

アメリカではなぜMatchaがブームになったのか

アメリカで抹茶(Matcha)がブームになった理由はいくつかの社会的・文化的・健康志向のトレンドが起こったためです。

健康志向の高まり

まずは、健康志向の高まりがアメリカの人たちの間で高まっていることが挙げられます。抗酸化作用があるとされるカテキン(特にEGCG)が豊富に含まれていることで、アンチエイジングや免疫力アップなどの健康効果が注目されました。カフェインは含まれているものの、リラックス効果のあるL-テアニンも含まれているため、「コーヒーより穏やかに集中できる飲み物」として評価されています。”green tea”(緑茶)も昔から知られてはいたものの、”green tea”よりさらに栄養価が高いとされ、「superfood」のひとつとして扱われています。

インスタグラム映え・ビジュアルの美しさ

つぎに、そのMatchaの見栄えが良いことが挙げられます。鮮やかな緑色は他のドリンクと比べて目を引きやすく、ラテアートやスムージーにも応用されやすく、InstagramやTiktokで飲み物を紹介されることが増えました。つまり、「見た目が美しくて健康的」というトレンドが、SNSでの拡散につながり、さらにMatchaが広がったという仕組みになります。

日本文化・禅・ミニマリズムの人気

さらに、近年の日本ブームの恩恵も挙げられます。抹茶は日本の伝統文化(茶道)と結びついているため、「精神的な豊かさ」「マインドフルネス」といった価値観とも相性が良いです。ハリウッドやウェルネス系の著名人(女優グウィネス・パルトローなど)がZENや抹茶をライフスタイルに取り入れたことも影響しています。

代替飲料としての市場拡大

また、代替飲料としての市場拡大にMatchaが取り入れられたことが挙げられます。コーヒーに敏感な人やカフェインを避けたい人が、抹茶をよりマイルドな選択肢として取り入れるようになりました。また、ラテ、スムージー、アイスクリーム、焼き菓子などに幅広く応用できる点も大きな魅力です。

マーケティング戦略の成功

最後に、スターバックスをはじめとする大手チェーンが「抹茶ラテ」などのメニューを導入したことで、Matchaの認知度が上がったことが挙げられます。スターバックスはアメリカでは日常的に使われるカフェチェーン店です。そんなお店でMatchaを使ったドリンクを販売することで、健康志向やエコ志向の消費者をターゲットにしたマーケティングが功を奏しました。

まとめると、抹茶ブームは「健康×ビジュアル×文化体験」の要素がうまく融合したことで、単なる流行ではなくライフスタイルの一部として根付いた現象であると言えるでしょう。

アメリカで人気なMatchaアイテムは?

アメリカで人気なMatchaアイテムは?

アメリカで特に人気のある抹茶を使ったスイーツや商品には、以下のようなものがあります。

抹茶ラテ(Matcha Latte)

スターバックスやブルーボトルコーヒーなど大手カフェチェーンはもちろん、Matcha専門カフェも近年ではブームになっています。牛乳の代わりにアーモンドミルク、オーツミルク、ココナッツミルクなどのプラントベースミルクで飲む人も多く、自分の好みでMatcha Latteをカスタマイズして飲めるのがアメリカらしいですね。

スーパーでは自宅でMatcha Latteを作るためのパウダーなども販売されています。これらは大半は日本産のお茶メーカーが販売しています。

抹茶アイスクリーム

もちろん、Matchaアイスもアメリカでは人気沸騰中です。Häagen-Dazs(ハーゲンダッツ)などの大手ブランドからも販売されており、スーパーマーケットで入手ができます。アメリカでは、ビターな日本式の「濃い抹茶」が好まれる傾向があり、アジア系スーパーではより本格派が売られている。

抹茶クッキー / 抹茶ブラウニー

クッキーの味もMatchaが人気です。特に、最近ではホワイトチョコとの組み合わせが人気です。ヴィーガン仕様やグルテンフリーのヘルシー系ベーカリーでも見かけるようになりました。アメリカのソウルフードであるブラウニーにも、Matchaを混ぜ込むことの多々見受けられます。

抹茶パンケーキ / ワッフル

ブランチ文化が根強いアメリカでは、見た目も華やかな抹茶パンケーキが写真映えして人気です。まだまだ少数ですが、カフェによってはあんこや黒蜜など日本的なトッピングも。同時に、日本の喫茶店や日本のカフェチェーンもLAやNYに新規出店することもここ数年で増えました。

抹茶ドーナツ

アメリカの定番スイーツ×抹茶の組み合わせで、手軽かつ話題性もあるのが”Matcha Donuts”です。テンパリングされたホワイトチョコ抹茶がけなど、創作系が多いのが特徴です。コーヒーに比べてカフェインがマイルドなため、お子様にも好まれています。

各種抹茶パウダー

各種抹茶パウダーも、自宅でMatchaラテやスイーツを作れることから大人気です。ブランドとしては、Ippodo, MatchaBar, Encha などが挙げられます。また、抹茶プロテインバーやグラノーラも、健康志向のスナックとしてWhole Foodsなどで販売されています。さらに、ボトル入り抹茶ドリンクもスーパーで見受けられるようになりました無糖や微糖タイプで、持ち運びしやすくスポーツ後にも。この影響で、かつてアジア人しか訪れなかった日系スーパーにも様々な人種の方が訪れるようになっています。

抹茶(Matcha)というワードを使った英語例文

抹茶(Matcha)というワードを使った英語例文

ここでは、Matchaというワードを使った英会話例文、カジュアルな日常会話やSNS、ビジネスシーンなど、いくつかのシチュエーション別にご紹介します。

Aさん
I switched from coffee to matcha and feel way less jittery.

訳)コーヒーをやめて抹茶を飲むようにしたら神経がピリピリすることが減ったよ。

Bさん
I love Matcha, too! Some people find matcha slightly bitter, but it pairs well with sweets.
訳)私も抹茶大好き!人によっては抹茶は少し苦いって言いますが、甘いものに合うよね。

※jitteryは、神経がイライラして落ち着かない様子を表す形容詞です。

※switched from coffee to matchaは「コーヒーから抹茶にシフトする」というニュアンスの表現です。普段飲むものがコーヒーだった人が抹茶メインに変わったという内容です。

Aさん
This matcha latte is almost too pretty to drink. Matcha vibes only!
訳)この抹茶ラテ、飲むものがもったいないくらいカワイイ。抹茶バイブスよ!

こちらは、SNSで使いやすい表現です。”〇〇 vibes”はSNSや若者言葉でよく使う表現で、「〇〇気分最高」のような意味です。

“Matcha”ブームの波に乗ろう

日本に来る観光客にもMatchaは人気アイテムです。その栄養価の高さだけでなく抹茶=茶道=ZEN=精神の安定・マインドフルネスというライフスタイルアイテムとしても親しまれており、今後もMatchaアイテムの人気は続くでしょう。日本人として、改めて抹茶の美味しさや栄養、楽しみ方をさらに追求してみるのも良いでしょう。