海外旅行に行って青い空の下、ゴルフを思いっきり楽しみたいと思っている方もいるのではないでしょうか。もしゴルフに関する英会話をマスターしておけば、海外でもゴルフを楽しくプレーできる可能性は高いと言えます。そこで今回はオリンピック競技の一つでもあるゴルフでよく使われる英単語や英語表現を紹介します。一つの英単語をマスターするだけでもよりゴルフが楽しくなるでしょう。
オリンピックにおけるゴルフの歴史
リオ2016オリンピック以前、ゴルフがオリンピックのプログラムに登場したのは、1900年と1904年の2回だけでしたが、ゴルフは、ブラジルのリオ2016オリンピックで復活し、東京2020オリンピックで続けて実施されました。
2024年のパリオリンピックでも、ゴルフは実施されます。
オリンピックでのゴルフのルール
ゴルフは原則的に単純なゲームで、そのことは、次の第一のルールで、効果的に説明されています。「ゴルフ競技は、ルールに従ったストロークまたは連続したストロークによって、ティーイング・グラウンドからホールにクラブでボールをプレーすることから成る」
ゴルフのプレーヤーは、ホールまでの距離やプレー面など、さまざまな基準に基づいてクラブを使い分けます。
オリンピックのゴルフ・フォーマットは、ストロークプレーで18ホールのコースを4日間で4回プレーし、そのストローク数を競います。 4ラウンド終了時のストローク数が最も少ない選手が優勝となります。
ゴルフのスコアリングとルール
まず、ゴルフのスコアリングとルールについて詳しく解説します。
よく使われるゴルフ用語の基本的なものを紹介します。
ストロークプレーとマッチプレー Stroke Play vs. Match Play
ストロークプレーとは、ゴルフのほとんどのラウンドで採点される方法で、ティーグラウンドからグリーンまですべてのショットがカウントされます。オリンピックでもストロークプレーが採点方法として採用されています。そのホールのストローク数を合計し、スコアカードにマークしていきます。
一方、マッチプレーは、1人が他の1人(またはチーム)とゴルフをするだけという異なる採点方法です。マッチプレーの場合、ストローク差はあっても、1ホールで勝つか負けるかしかありません。マッチプレーではティーショットが重視され、楽しいラウンドになります。
エース / ホールインワン Ace / Hole in One
エースは一般的にホールインワンと呼ばれ、ゴルフにおける偉大な功績のひとつです。
ホールインワンを達成できるのは極めてまれで、多くのプレーヤーはホールインワンを達成することなくキャリアを終えます。
パー Par
パーはゴルフの最も一般的な用語の一つで、各ホールの難易度を表し、ボールをホールに入れるには何打必要かを示します。
パー3 (Par 3s)、パー4 (Par 4s)、パー5 (Par 5s) の3種類のホールがあります。
パー3は最も短いホールで、エースの可能性が最も高いホールです。パー4は長いホールで、グリーンにのせるには2打が必要です。パー5はさらに長いホールで、グリーンにのせるには3打必要ですが、それ以下の打数で済むこともあります。
フルレングスのチャンピオンシップ・ゴルフコースは、通常18ホールでパー70~72。距離の異なるパー3、パー4、パー5が混在しています。オリンピックでも18ホールでパーは70~72あります。
イーグル Eagle
イーグルとは、ゴルファーがあるホールで2アンダーを出したことを意味する言葉です。例えば、パー5のホールの場合、イーグルはそのホールで3打のスコアとなります。
バーディー Birdie
バーディーはゴルフではもっと一般的なスコアリング用語で、このスコアは1ホールで1アンダーを表します。
そのホールがパー3の場合、バーディーを取ればそのホールのスコアは2となる。
ボギー Bogie
バーディの反対はボギーで、そのホールで1オーバーすることを表します。例えば、パー5でスコア6を出した場合が、ボギーになります。
この用語の他のバージョンには、ダブルボギー(2オーバー)、トリプルボギー(3オーバー)、クアドラプルボギー(4オーバー)などがあります。
スノーマン Snowman
スノーマンとは、ゴルファーがホールで8を出したことを意味する面白いゴルフのスコアリング用語です。数字の8が雪だるまのように見えることから、この言葉はトリプルボギーかそれ以上を意味するため、ゴルファーが出したくないスコアです。
ショットに関連した英語表現
ゴルフの用語にはユニークな表現もいくつかあります。例えばトップしてしまったり、低い打球になった場合には、”bite”という用語が良く使われます。さらに、”bite”はバックスピンによってボールを止める際にも使われる英単語です。またミスショットしたにも関わらず、結果的にOKだった場合には、”Thin to win”といった英語表現が良く使われます。他にもゴルフでミスした際に使われる用語は以下の通りです。
・dribbled:チョロした時
・skied:テンプラ
・duck hook:チーピンフック
・missed:空振り
一方、”nice shot”という用語は和製英語であり、”good shot”という英語が正しいという意見もありますが、”nice shot”は普通にゴルフで使用しても通じる他、間違った用語でもありません。ただ、”good shot”の方がゴルフの世界では一般的になっているというだけの話です。
また素晴らしいドライバーショットを打った場合の英語表現としては、 ”You killed”や”crushed”といった用語が使われています。他にもゴルフでは、打ったボールがグリーンを外れそうになった時にはstayなどと言い、ボールが池に入った場合には、次のような表現などがあります。
I believe your ball has found water.
訳)あなたの打ったボールは池ポチャしたと思います。
グリーンにのった人に対しては次のような表現が良く使われる構文です。近年では距離がピッタリの時に”pin high”と表現するのが欧米では一般的となっており、日本でもよく使われている英語表現となっています。
Your ball is on the dance floor.
訳)あなたの打ったボールはグリーンにのってます。
キャディーとの会話がスムーズになる英語表現
ゴルフの場合、監督やコーチは存在していませんが、それに近い役割といえるのがキャディーです。キャディーバックを代わりに担いで、プレイヤーと一緒にラウンドするのが主な役割となっています。またキャディーはピンまでの距離やグリーンの芝目などプレイヤーに情報を提供してアドバイスする事も重要な役割です。そのため、以下の用語を覚えておくとキャディーとの会話がスムーズにできるでしょう。
・uphill lie:左足上がり
・downhill lie:左足下がり
・bare ground:芝がない状態
・fried egg lie:バンカーの目玉
・thick rough:深いラフ
・intermediate rough:セミラフ
グリーン上でよく使われる英語表現
ゴルフではグリーン上でもキャディーとのコミュニケーションがよく行われています。例えばグリーンによってはボールが右から左へ曲がる傾斜もあれば、左から右へ曲がる傾斜もあります。
日本ではそれらを「フックライン」または「スライスライン」と呼ぶケースが多いですが、実は和製英語である事から欧米で使っても通じない表現です。フックラインであれば”right-to-left”、スライスラインでは”left-to-right”と表現するのが一般的と言えるでしょう。他にもグリーン上でよく使われる英語表現は以下の通りです。
・uphill putt:上りのパット
・downhill putt:下りのパット
・fast putt:早いパット
・slow putt:遅いパット
・with the grain:順目
・into the grain :逆目
尚、球の走りが遅いグリーンで強めにパッティングする際の表現にはfirmという英単語を使い、次のようになります。
This putt is into the grain and slower than you think. You’ve got to make it firm.
訳)このパットは逆目になっているので、思ってるより玉の走りが遅いよ。強めにパッティングしなきゃ!
一方、グリーン上のでパッティングでは”right center”または”left center”といった英語表現が用いられるケースが多いですが、これらはどこを狙ってパッティングすれば良いかという事の説明になります。例えばキャディーが”right center”とアドバイスしてくれた場合は、カップの中心と右エッジの中間点を指しており、「曲がりの少ないフックライン」という事になります。逆に”left center”であればカップの中心と左エッジの中間点を指し、「曲がりの少ないスライスライン」です。
他にも曲がりの大きいラインでは “two balls right” や “a cup right” といった英語表現が良く使われます。さらにホールを外す可能性が高い場合、以下のような表現でアドバイスしてくれるケースもあるので覚えておくと便利でしょう。
Don’t give the hole away.
訳)ホールを外さないで。
他にもグリーン上でピンとの距離を表す際には”feet”を用いるのが基本と言われていますが、 ”pace”という歩測の距離の単位を使用するケースもあります。またパットのスピードを表す際、使用頻度が多いと言えるのが”hard”や”soft”といった英単語です。
ゴルフで必須な英単語
ゴルフの基本的な英単語には以下が挙げられます。
・headwind :アゲインスト
・tail wind:フォロー
・greenie:ニアピン
・green in regulation:パーオン
・par 3:ショートホール
・par 4:ミドルホール
・par 5:ロングホール
尚、ショートホールやミドルホール、ロングホールはゴルフでよく使われる言葉ですが、実はこれらは和製英語です。英語ではパースリー、パーフォー、パーファイブと言います。またshort holeやlong holeは単に距離が短い又は長いホールという意味で使用される事も少なくないので、混同しないよう注意しましょう。
プレー中に使える英語での挨拶やフレーズ
海外でゴルフをしたり、外国人と一緒にプレーする際、覚えておくと便利な挨拶やフレーズは以下の通りです。
Have a good game!
訳)素晴らしいラウンドになりますように
Play well!
訳)納得できるゴルフを
ちなみにここで使われているgameはゴルフの世界ではラウンドとう意味でよく使われています。またよく使われるフレーズとしては “It’s your honor”という英語表現もあります。”your”の部分は”his”や”her”などに置き換えて使用する事も可能です。
It’s your honor.
訳)あなたのオナーですよ。
I have the honor.
訳)私がオナーです。
ゴルフでは打ったボールを見失ってしまったら暫定球を打つ事になります。その際、暫定球を打つ旨をコースを一緒に回っている人に伝えないと置いて行かれてしまう可能性もあります。暫定球は英語で表すと”provisional ball”です。この英語さえ覚えていればほとんど通じますが、暫定球を打つ事をきちんと伝えるのであれば次の英語表現を使うのがベターと言えます。
I am going to hit a provisional ball.
訳)私が今から暫定球を打ちます。
I am going to〜を訳すと「私は今から〜します」という意味になり、hitを入れる事で「私は今から〜を打ちます」という意味になるのです。キャディーなどにピンまでの距離を聞きたい場合は次のように質問するのが良いでしょう。
What is the yardage to the pin?
訳)ピンまでの距離は何ヤードですか?
一方、相手が素晴らしいショットをした際、”Nice shot”と叫ぶ方もいるのではないでしょうか。しかし、この場合、”Good shot”や”Great shot”といった英語表現がゴルフにおいては一般的となっています。さらに、もし他の人が完璧な一打を放った時は”Excellent shot”と言ってあげましょう。また最終ホールが終わって相手の健闘を称える意味で次のようなフレーズを使えばカッコよく決まって気持ちよく終えられます。
It was a pleasure playing golf with you.
訳)一緒にゴルフができて良かったです。
プレー中以外で使える英会話
ゴルフ場の受付でクラブのレンタルができるか聞きたい時は、以下のようなフレーズを使うのがベターと言えます。
Do you have a set of clubs I can rent?
訳)クラブのレンタルはできますか。
Is there a snack shop around?
訳)軽食店はこの辺りにありますか?
「売店はありますか」という意味なので、知っていればプレー中におなかが減ってもすぐに売店で飲食物を購入できるでしょう。また海外の旅行先にて一人でゴルフを楽しみたいという方もいるのではないでしょうか。そんな時には電話か直接ゴルフ場に行って、次の一文だけ覚えておくだけでも便利です。
Can I play as a single today?
訳)今日、一人でプレーする事はできますか。
基本的な英会話をマスターするだけでもよりゴルフが楽しくなる!
ゴルフに関する基本的な英会話をマスターしておけば、海外先でも楽しくゴルフがプレーできるでしょう。今回紹介した英単語や英語表現はどれもゴルフをプレーする上では便利な言葉ばかりです。オリンピックのゴルフ競技を観戦する際にも、ゴルフのスコアリングのルールを知った上て見た方が、より一層ゴルフ競技が楽しめます。
ゴルフをしながらキャディーなどとスムーズに英語でやり取りできるようになれば、周囲からも一目置かれるでしょう。海外のゴルフコースを回りたいという方は、これを契機に英語学習をしてみてはいかがでしょうか。