東京オリンピックでの選手たちの活躍に、みなさんも感動したり、勇気づけられたりした方が多いのではないでしょうか。特に、身体障害を持つアスリートの方たちが個性や能力を発揮して活躍するパラリンピックでは、つい涙が溢れる場面もしばしばありますよね。
今回は、そんなパラリンピックの中でも注目の競技、自転車競技(ロード)について知ると同時に、それに関連する英語もより楽しく学んでいきたいと思います。
自転車競技(ロード)を英語で表現すると?
自転車競技(ロード)を英語で表現すると”road bicycle racing”となります。簡単に用語を説明すると、”road”は道、”bicycle”は自転車、”racing”は競争という意味です。
また”cycling”という単語には、自転車に乗るという意味を持つため、オリンピックの公式サイトでは “cycling road”とも表現されています。しかし、cyclingには自転車に乗って走ることを楽しむ、という意味もあるので、英語で自転車競技を確実に表現するなら”road bicycle racing”の方が適切だと考えていいでしょう。
訳)私は自転車競技を観戦しました。
自転車競技の歴史
自転車競技の起源は、1868年5月31日、フランス・パリ郊外のサン=クルー公園で行われた約1200メートルの自転車レースだったとされています。それから1896年の第1回目のオリンピック、アテネ大会から正式競技として実施されるようになりました。
パラリンピックでも自転車競技が採用されたのは、1984年のニューヨーク・アイレスベリーパラリンピックからです。その当時は、まだ屋外を走るロードレースだけだったり、単純に速さを競う競技だったのですが、道路の設備や自転車の機材の改良によって、スピードが出せるようになり、次第に走り方などが模索されていくようになりました。そう考えると、自転車競技もかなり歴史のある競技ですよね。もとを辿ると、先ほど紹介した通り、1868年5月31日にフランス・パリ郊外のサン=クルー公園で行われた約1200メートルの自転車レースが、一般的に起源とされています。
ちなみに起源を英語で表すと “origin”です。originは、起源という意味の他、原点や由来、元といった意味も含まれています。
訳)自転車競技の起源は、フランス・パリ郊外のサン=クルー公園で行われた約1200メートルの自転車レースだったと言われています。
訳)パラリンピックで初めて自転車競技が採用されたのは、1984年のニューヨーク・アイレスベリーパラリンピックでした。
訳)その当時のパラサイクリングは、単純に速さを競う競技でしたが、自転車の機材の改良によって、スピードが出せるようになり、次第に走り方などが模索されました。
模索は英語で “groping”です。単語単体では gropingとなりますが、「模索する」と表現する場合には “seeking”となり、過去分詞形にすると “sought”となります。
自転車競技(ロード)はどんな競技?
パラリンピックでの自転車競技は、屋内の自転車専用走路を使用して走るトラックと、屋外の道を走るロードに分けられます。屋外でレースをするロードは自然の中で行われるため、常に天候が安定せず、体力を温存する場や、ペース配分を考えて走ることが勝利の鍵となります。勝利の鍵という言葉を英語では “Victory key”と表します。
訳)誰が勝利の鍵を握っていますか?
訳)あなたが勝利の鍵を握っていますよ。
過酷な環境の中でもストイックに走り続ける選手の姿を見ると、やっぱり勇気づけられますよね。勇気付けられるを英語で表現すると、”be encouraged”と表すことが出来ます。
訳)私はあなたの出現により勇気づけられました。
ロード競技の中にも3種目ある?
一概にロード競技とはいっても、ロードの中にも分けると3種目あります。
選手が一人一人出走しゴールタイムの速さを競う「タイムトライアル」。道路を走り、ゴールの順番や所要時間を競う「ロードレース」。男女混合の三人チームで競う「チームリレー」。そして、障害の種類や使う自転車によって更に4つのクラスに分かれます。
ロードレースでは、走る距離は短いもので、数km程度、長いレースの場合、1日で300km弱にも及ぶ距離を走るそうです。予想出来ない気温や天候との戦いでもありそうですね…。
訳)自転車のロード競技には3種目あり、タイムトライアル、ロードレースとチームリレーです。
自転車競技(ロード)のルール
自転車競技のロードレースでは、ルール別で競技方法が4種類あります。
まず一つ目は「ワンデーレース」です。ワンデーは英語で”1 day”、1日限りといった意味があるように、1日で勝敗のつくロードレースです。1日で勝負が決まるからこそ、緊張感や、めまぐるしく変わる選手たちの色濃い戦術がポイントです。観戦していると、こちらにまで緊張感が伝わってくるので、そこが魅力です。
2つ目は「ステージレース」です。英語では “stage”で、物事の段階や演説の祭壇など、さまざまな意味がありますが、ここでいうステージは舞台という意味でいいでしょう。一つ目のワンデーレースとは異なり、数日間に渡って何度もレースを行って、その総合タイムによって優勝を決めるロードレースです。個人総合時間賞の他、区間賞や各賞ジャージといったさまざまな賞が用意されているので、見応えのあるレースとなっています。
3つ目は「個人タイムトライアル」です。トライアルは英語で “trial”で意味は、試行や試み、試すことの他に、運動試技、または予選試合という意味があります。ちなみに “time trial” の意味だと、自転車競技で競技者が一定の間隔を一人ずつ出走し、タイムの優劣によって順位を決定するもののことになります。競技において、集団で走る際に前の選手の後ろにつくことで、空気抵抗を減らすのは戦略の1つですが、タイムトライアルではそれは禁止されているようです。
4つ目は「チームタイムトライアル」です。各チームの数名で列を組み、チームごとにゴールまでのタイムを競う競技です。先頭をローテーションで変えながら走行するのが見所で、チームワークが重要となる競技です。
訳)自転車競技のロードレースには、ルール別で競技方法が4種類あります。
訳)まず一つ目は「ワンデーレース」で、2つ目は「ステージレース」、3つ目は「個人タイムトライアル」で、4つ目は「チームタイムトライアル」です。
訳)あなたはどれに最も興味がありますか?
訳)私は4つ目の「チームタイムトライアル」に最も興味があります。なぜなら、4つ目のものではチームワークが最も重視されるからです。
パラサイクリングでの4つのクラスとは
パラリンピックでは、選手の障害の種類によって4つのクラスに分けられ、それぞれの特性に応じた自転車を使用して競技を行います。
切断・麻痺などの四肢の障害を持つ選手は通常の「二輪自転車」を使用し、体幹などに重い麻痺の障害を持つ選手は、「三輪自転車(トライシクル)」に乗ります。視覚障害を持つ選手は「二人乗り自転車(タンデム)」に乗り、切断や麻痺など下肢に重い障害を持つ選手は、「手こぎ自転車(ハンドサイクル)」を使用して競技を行います。
二人乗り用のタンデムを使用する選手は、前に晴眼の選手が乗り、後ろに視覚障害の選手が乗ります。そして、上肢で車輪を回すハンドサイクルを使用するクラスはロードのみです。
パラサイクリングは、視覚障がいのある選手のために、2人乗り用自転車のタンデム(前に晴眼の選手が乗る)を使用して1980年代に初めて実施されました。その後、パラサイクリングは他の障がいのある選手も対象とするようになり使用される自転車の種類も増えていきました。現在では、先ほど紹介した「二輪自転車」「三輪自転車」「二人乗り自転車(タンデム)」「ハンドサイクル」が利用されています。
訳)パラサイクリングでは、障がいの種類や選手のニーズに合わせて4種類の自転車が利用されています。
訳)それらは「二輪自転車」「三輪自転車」「二人乗り自転車(タンデム)」「ハンドサイクル」です。
パラサイクリングでのクラス表記
パラサイクリングのクラスは、大きく分けて4つのクラスがあります。二輪の自転車を使うC、三輪自転車を使用するT、ハンドバイク使用のH、二人乗りのタンデム自転車を使用するBがあります。Bクラス以外では、更にH5、H4…と、クラスが分けられていて、数字が小さいほど障害の重いクラスとなっています。さらに、男子に “M”、女子に “W”を付け加えてた呼ぶことも多いです。
パラサイクリングの中で、二人乗りのタンデム車を使用する選手に必要なのは、息の合ったチームワークです。パイロットが踏むペダルのリズムに合わせて脚を動かす必要があり、更にはハンドル操作に合わせて体を左右に傾けて操縦する必要があるので、二人のタイミングが少しでもずれると、タイムロスになってしまいます。だから、それまでの練習で築き上げた信頼やチームワークが重要となります。
ちなみにタイムロスとは英語で “time loss” と表現することが出来ますが “loss of time” の方がより一般的な表現です。意味は時間の損失、無駄な時間を過ごしたことなどを意味します。信頼は “trust”と表します。
訳)二人乗り用のタンデム自転車を使用する場合、前に晴眼の選手が乗り、後ろに視覚障害の選手が乗ります。
訳)二人のサイクリストはお互いを信頼し合う必要があります。
「晴眼の選手」は、英語で “athlete with clear vision”となり、「視覚障害のある」は英語で “visually impaired”と表現できます。
監督・コーチの英語表現
自転車競技だけではなく、さまざまな競技で選手を支えている存在が、監督やコーチです。監督は英語で “directed by” や “supervision”、また “manager “(マネージャー)とも表現することができ、さまざまです。コーチは “coach”と表し、スポーツの技術などを指導すること、またその人のことを意味します。
~まとめ~
オリンピックを観戦する上で競技のことを知っていたら、普段よりももっと楽しく競技を観戦することが出来ると思います。自転車競技は一般的道路を走行したりするので、観戦する際は現地に行って声援を送るのも楽しそうですね。国内の選手だけではなく、他国の選手の方々にも、感動したりした気持ちを積極的に伝えていけるためにも、簡単な単語から英語を習得していきましょう。