相手との関係を円滑にするために、「クッション言葉」などビジネスシーンでは色々な日本語の表現が使われます。英語圏の方は、はっきり意見を言う!というイメージがありますが、実は英語でも相手の事を気遣う為のフレーズはたくさんあります。

今回は、その中でもビジネスシーンで使える表現についてまとめてみました。

またの機会に

日本語での「またの機会に」は、相手からの申し出や誘いを断る時に使用します。

せっかく誘ってくれたのに予定が合わないなど、「残念だけどまた予定があれば誘ってほしい」という肯定の気持ちを込める事もあれば、不採用の通知における「またの機会に宜しくお願いいたします」など、否定の気持ちが込められている事もありますので、文脈から相手の意図を組まなければいけない表現となっています。

英語の「またの機会に」に該当する表現は以下の通りです。

“Can I take a rain check?”

「またの機会におねがいできますか」

Rain checkとは、「雨次第で」という意味ですが、英語では「またの機会に」を指す言葉です。肯定の意味でも、相手の誘いをやんわりとお断りする時にも使える表現です。

Ex. Sorry, I have an appointment to my customer next Wednesday, so can I take a rain check?

「申し訳ありませんが、来週水曜日は顧客との約束がありまして、またの機会に宜しくお願いいたします」

“next opportunity”

「次回に」もしくは

“have a chance again”

「次の機会があれば」

Rain checkよりも肯定的な意味を含んだ表現が上記2つのフレーズです。

ささやかながら

相手に対して贈り物をする時や、催し物にお誘いする時「ささやかながら、お祝いのしるしをご用意致しました」「ささやかながら、宴をご用意致しました」などと表現します。

ささやかながらとは、「つまらない・くだらない」という意味ですが、自分の身を落としてへりくだり、相手に敬意を表す日本語らしい表現です。

英語の「ささやかながら」に該当する表現は以下の通りです。

“ordinary”

「普通の、なんでもない」

単純に規模や価値の小ささを表現するには“small”「小さい」や、“a little”「少ない、つつましい」を使用すると良いです。small party「ささやかな宴」 a little present「ちょっとした贈り物」という意味になります。

お忙しいとは存じますが

「お忙しいとは存じますが、何卒ご対応の程お願いいたします」と、クッション言葉としても使用される事が多いフレーズです。

英語の「お忙しいとは存じますが」に該当する表現は以下の通りです。

“I understand you are very busy, but…”

直訳すると「忙しいと言うのはよく理解しているのですが」ですが、忙しい相手に貴重な時間を割いてもらう事に対する申し訳なさも含んでいるフレーズの為、ビジネスシーンでも使用できます。

Ex. I understand you are very busy, but I appreciate your help.

「お忙しいとは存じますが、何卒宜しくお願いいたします」

※直訳の“You may be busy, but…”は「忙しいと思うけど…頼むよ!」のようなカジュアルな表現ですので、ビジネスシーンには不適切です。気を付けましょう。

気軽に・気兼ねなく

緊張や恐縮してしまっているお客様や取引先の方に対して、「何かございましたらお気軽にお申し付けください」「どうぞお気兼ねなくお召し上がり下さい」「気兼ねなくお寛ぎ下さい」なども良く使われるフレーズです。

英語の「気軽に・気兼ねなく」に該当する表現は以下の通りです。

“Feel free to~”

「気軽に~して下さい」

「いつでも何でも言ってください!」のような、「気軽に」のニュアンスを含んだフレーズです。

Ex. If you have a question, feel free to contact us, please. 「もし何か疑問点がございましたら、気軽にご連絡ください」

“not hesitate to~”

「遠慮なく~して下さい」

自分の作ったものを確認してもらう時など、もしも間違いがあった時には「遠慮なく直して下さい!」と言う時の様に「私の事は気にせずに好きにしてください!」のニュアンスが含まれるフレーズです。

Ex. “If it had a part of incorrected, please feel free to rewrite as needed.”

「もし間違いがありましたら、遠慮なく必要に応じて書き直して下さい」

“Please make yourself at home.”

「気軽にしてください」「お寛ぎください」

自宅などに招いた来客に対して「楽にしてください」と声をかける時に使うフレーズです。

まとめ

英語でも日本語でも、相手に配慮したり気遣う為のフレーズは存在しています。上手に使って、ビジネスシーンにおける英会話でも円滑なやりとりができるようになると、自分の表現の幅も広がりますよ。