先日、お気に入りのお店が閉店セールをやっていて、上質なクッションを購入しました。しかし家が狭いゆえ、なかなか使う機会に恵まれず。今では、実家で甥が使ってくれています…。
さて、そんなわけで今回のテーマは「クッション」です。英語でクッションを何と言うのか、そのままでよいのか別の表現があるのか、詳しく確認していきましょう。
また、記事の後半では会話の潤滑剤として使う「クッション言葉」についてもご紹介します。英語でコミュニケーションを行ううえで役立つフレーズを厳選したので、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「クッション」は英語で何て言う?
クッションは英語でも “cushion” と言います。発音記号は「kˈʊʃən」で、日本語と同様の「クッション」という発音で充分通じます。
日本ではお尻に敷くものは座布団、抱えて使ったり飾りのために置いたりするものはクッションと言いますね。しかし、英語の cushion の場合はどちらも表します。
I have a lot of cushions in my house.
訳)私の家にはたくさんのクッションがあります。
ただし、クッションを cushion と呼ぶのは、主にイギリス英語やオーストラリア英語での話で、アメリカでは別の言葉の方がよく使われます。
アメリカでは一体何と呼ばれるのか、以下へ読み進める前にぜひ考えてみてください。
アメリカではクッション=枕?
アメリカ英語では、いわゆるクッションのことを “pillow” と呼びます。発音記号は「píloʊ」、カタカナだと「ピロー」と表せます。
pillow はもともと「枕」という意味の単語です。そのため、アメリカ英語ではクッションも枕も同じ pillow で表すということになります。
ちなみに、ベッドに置くクッションは “bed pillow”、ソファーに置くクッションは “throw pillow” と言います。throw pillow を直訳すると「投げる枕」となりますが、枕投げに使うわけではありませんので、あしからず…。
Let’s have a pillow fight using throw pillows!
訳)クッションを使って枕投げしよう!
No, we can’t! Throw pillows are not meant for throwing!
訳)ダメだよ! クッションは投げるためのものじゃない!
Then why are they called “throw pillows” in the first place?
訳)じゃあ何でスローピローなんて名前が付けられてるんだい?
You’re just talking nonsense, but that’s a good point.
訳)屁理屈ばかり言って…。でも確かにそうだね。
「枕」に関する英語について詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。
「クッションカバー」は英語で何?
「クッションカバー」は英語でもそのまま “cushion cover” と言います。強いて言うなら cover の v の発音に注意が必要です。
また、上述の通りアメリカ英語ではクッションを pillow と言う影響から、本来「枕カバー」を表す “pillowcase” がクッションカバーの意味で使われることもあります。
ただ、人によっては本当に枕カバーと受け取りかねないので、国を問わず cushion cover と表現しておくのが無難でしょう。なお、pillow cover という表現は一般的ではありません。
The design of this cushion cover was created by my father.
訳)このクッションカバーのデザインは、私の父が手がけました。
「クッションの中身」は英語で何?
「クッションの中身」を英語で表す際は、主に以下の4つの表現が好まれます。
- cushion filling(クッション フィリング)
- cushion stuffing(クッション スタッフィング)
- cushion insert(クッション インサート)
- cushion pad(クッション パッド)
主にフワフワしたクッションの中身は filling や stuffing が、座布団にするような薄めのクッションの中身は insert や pad が好まれる傾向にありますが、厳密に使い分けられてはいません。メーカーによって表現が異なることもあるので、それほど気にせず気に入った表現を使えばOKです。
This cushion isn’t fluffy at all.
訳)このクッション、全然フワフワしてないね。
That’s because it doesn’t have any filling inside.
訳)中身入ってないからね。
「クッション」を使ういろいろな英語
「クッション」という言葉は、クッションそのもの以外にもいろいろ使われています。それらの言葉をみていきましょう。
クッションフロア
“padded floor“、“cushion floor“などと言います。
床材には、防音効果のあるものや衝撃に強いものなど、いろいろな機能に優れたものがあります。その中のひとつが、クッションフロアです。
クッションフロアは、名前の通りクッション性に優れた床材です。
クッション付き封筒
“cushioned envelope“、 “padded envelope“と言います。
Please send this CD in a cushioned envelope.
訳)このCDをクッション付き封筒で送ってくださいね。
クッションファンデ
“cushion foundation“と言います。
クッションファンデは、女性には気になるコスメの一つです。リキッドファンデーションにスポンジ状のパフを染み込ませて使うコンパクトタイプのファンデーションで、付属のパフで顔に叩き込むようになじませて使います。
The cushion foundation you recommended feels good on my skin.
訳)あなたがすすめてくれたクッションファンデは肌になじみがいいわ。
クッション材
“cushioning material“と言います。
クッション材は、衝撃を抑えて和らげることが目的の資材です。ガラス・陶器・精密機械などを発送したり、引っ越しの際に食器など割れやすいものを梱包する緩衝材です。
Pack your dishes with cushioning material in time for your move.
訳)引っ越しに間に合うように、食器をクッション材で梱包しましょう。
クッションドラム
“cushioning material“と言います。
衝突衝撃緩衝具(しょうとつしょうげきかんしょうぐ)と言います。道路の分岐部分や事故多発地点として設置されている、衝突・接触事故時の衝撃を緩和し、ドライバーの安全を守る装置です。
クッションボール
“cushion ball“と言います。
球技で、フェンスに当たってはね返った球のことを言います。
クッション言葉は英語で何? 日常会話で使えるフレーズも確認!
そのまま伝えるときつくなってしまいそうなとき、印象を和らげるために沿える言葉を「クッション言葉」と言いますね。いかにも和製英語っぽい用語ですが、実はこれ英語由来の言葉なんです。
英語でクッション言葉は “cushion statement”、あるいは単に “cushion” と言います。日本ほど頻繁ではないものの、海外でもクッション言葉はコミュニケーションを円滑にするために多々用いられます。
最後に、英語のクッション言葉として使い勝手のよいフレーズについて、詳しく確認していきましょう。
お願いするときのクッション言葉
人に何かをお願いするとき、要件をそのまま切り出すより、クッション言葉を添える方が言いやすくなりますよね。
お願いするときに使いやすいクッション言葉としては、以下が挙げられます。
- I hate to ask you but
- I know you are busy but
- I am sorry to trouble you but
- I was wondering if you could
I hate to ask you but
「恐れ入りますが」
ビジネスでよく使いますが、知人に対しても使える表現です。頼みづらいことをお願いするときに使います。
I hate to ask you but could you lend me some money?
訳)恐れ入りますが、お金を貸していただけませんか?
I know you are busy but
「お忙しいとは存じますが」
相手が忙しいことをわかっていながらも、何かをお願いしたいときに使います。ただし「また面倒なことを頼むんだな」と思われかねませんので、使い方や相手に気をつけましょう。
I am sorry to trouble you but
「ご面倒をおかけして恐縮ですが」
何かを依頼するときの丁寧な表現です。ちょっとした日常の場面でも使えます。あまり親しくない間柄では丁寧な表現を使うのが無難です。
I was wondering if you could
「もしよろしければ」
この表現は過去形にすることで遠回しな表現になるます。直接的な言い方になると、「I wonder if you could…」となります。現在進行形の「I am wondering」は、相手を疑っているようで失礼な表現になります。
言いにくいことを伝える、断るときのクッション言葉
そのまま伝えると相手がショックを受けたり怒ってしまったりしそうなときも、クッション言葉が役に立ちます。
言いにくいことを伝える、断るときに便利なクッション言葉は、以下の通りです。
- I’m afraid
- I wish I could but
- I hate to say this but
- You may not want to hear this but
I’m afraid
「残念ながら」
相手に言いづらいこと、ネガティブな内容を丁寧に伝えたいときに使える表現です。
I wish I could but
「そうしたいところではありますが」
友達の誘いにもよく使われる丁寧な断りの言葉です。
I hate to say this but
「申し上げにくいのですが」
相手に言いにくいことをいうときの前置きとしてよく使われるフレーズです。「I hate to say this but」とクッション言葉を言うことでソフトな印象になります。
I hate to say this, but there are quite a few typos in this manuscript.
訳)申し上げにくいのですが、この原稿には誤字が多すぎます。
You may not want to hear this but
「聞きたくないかもしれませんが」
相手にとって聞きたくないであろうニュースを伝えるときに使えるクッション言葉です。
自分の意見を述べるときのクッション言葉
自分の意見を述べるとき、相手に押しつけがましいと思われないようにクッション言葉を添えることがあります。また、「これから意見を言うよ」という意思表示としても有効です。
自分の意見を述べるときに便利なクッション言葉としては、主に以下のものが挙げられます。
- To my mind
- In my humble opinion
- It seems to me that
- With all due respect
To my mind
「私の考えでは」
ビジネスの場で自分の考えを述べるときに使うフォーマルなクッション言葉です。
In my humble opinion
「僭越ながら意見を言わせていただくと」
自分の意見を謙虚に述べるという意味を込めます。特に相手に同意を期待していないことを理解してもらうこともできます。
It seems to me that
「私が思うに」
フォーマルですが、少しカジュアルな表現になります。あまり波風が立たないよう議論や交渉をうまく運ぶためのフレーズです。
It seems to me that Plan B is much more unrealistic compared to Plan A.
訳)私が思うに、プランBはプランAに比べて非現実的過ぎます。
With all due respect
「お言葉を返すようですが」
相手を尊重しつつ間違っていることを指摘する意味があります。最近は軽蔑の意味を込めて使うことが多いので、注意が必要です。人がイラっとするフレーズの一つです。日本語でも少しイラっとなる場合がありますね。
まとめ
今回は「クッション」に関する英語表現について、詳しく確認してきました。
クッションは英語でも “cushion” ですが、アメリカ英語では “pillow” と呼ぶこともあります。国によって若干使われる語彙が違うので注意しましょう。
また、英語で cushion と言うときは「クッション言葉」を意味する場合もあります。クッション言葉はコミュニケーションを円滑に進めるのに役立つので、今回ご紹介した表現をぜひ活用してみてください。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!