みなさんは”rather”という単語を見たり聞いたりしたことはありますか?
ネイティブとの会話ではとてもよく登場する”rather”ですが、どのような意味を持っていて、どんなときに使っているのか、よくわからないという方も多いでしょう。
”rather”は、日本語で「かなり」や「むしろ」などと訳されることが多く、程度や度合いを表現するときに使われる単語です。
日本語訳では理解できても、英語独自のニュアンスまで習得するのは簡単ではありませんよね。
今回は、意味と用法が多岐にわたっていて難しい”rather”の正しい使い方をはじめ、”would rather”や”rather than”といった頻出表現、類義語を徹底解説していきます!
”rather”の意味
”rather”は、物事の程度や度合いを、状況によって「とても」「かなり」と強調したり、「わずかに」「少々」と緩和したりする意味を持つ英語です。
辞書では以下のように定義されており、量や質の程度を表すだけでなく、物事の比較や自分の意見を明示するときにも使われます。
- quite; to a slight degree
かなり、わずかに- more accurately; more exactly
より正確に- used to express an opposite opinion
反対意見を表明するために使用される
”rather”には、ある程度以上(または以下)の意味があり、比較級とともに使用されることも多い副詞です。
2つのものを比較し、一方がより優れているまたは程度の差が顕著であるようなときに用いられます。
”rather”の発音記号は、アメリカ英語が /ˈræð.ɚ/ イギリス英語が /ˈrɑː.ðər/ です。
「ラザー」または「ラーザー」のようなカタカナ読みはできません。
[ð] の音は日本語にはなく、近い読み方で「ザ」と発音してしまいがちですが、[ð]と「ザ」は全く違う音なので注意しましょう。
[ð]は、舌を上下の歯の間で噛むように発音しますが、あくまで「噛むようにする」だけで、本当に噛まないようしてくださいね。
”rather”を使った例文
「かなり」や「わずかに」といったように、程度の具合を表現する”rather”の使い方を例文で紹介していきます。
訳)列車は、快適な旅をするには混みすぎていました。
訳)彼女は、その場の形式的な雰囲気にかなり圧倒されました。
訳)彼を知らない人々には、おそらくかなり無愛想に見えるでしょう。
「むしろ」や「それどころか」のように、比較のニュアンスが含まれる例文もみていきましょう。
訳)金曜日カリフォルニアに飛ぶ予定です。というか、必要であれば行くでしょう。
訳)彼女は恥ずかしがり屋ではありません。むしろその逆です。
訳)彼は機嫌が良かったというか、むしろ悪い知らせを聞くまではそうでした。
”would rather”は選択肢や意見を強調する
複数の選択肢から選び、自分の取りたい行動を明確に示したいときは、”would rather”で表現できます。
自分の意見や提案を相手に伝えるときにとてもよく用いられている頻出フレーズです。
- used to show that you prefer to have or do one thing more than another
あるものを他のものよりも好む、または行うことを好むことを示すために使われる- used to say that you would prefer to do or have something
何かをしたい、または何かを持ちたいと言うときに使われる参考:
Cambridge Dictionary
Longman Dictionary of Contemporary English
訳)あなたがそのほうがいいなら、後で食事をしてもいいですよ。
訳)たいていの人は、子どもと一緒に家にいたいと思うものです。
訳)彼女は友達と遊びに行ったり、スポーツをしたり、テレビを見たりする方を好むようです。
”rather than”は2つの事物や状況を対比する
2つ以上の選択肢の中から、どちらをより好むのか比較して表現するときは、”rather than”を使います。
「どちらかといえば〜」「むしろ〜」のように、比較したうえで一方の選択肢を否定しつつ、もう一方を選び取る場合に便利な表現です。
- instead of
代わりに- used especially when you prefer one thing to another
特にあるものを他のものよりも好むときに使用する参考:
Cambridge Dictionary
Longman Dictionary of Contemporary English
訳)バターよりもオリーブオイルを使った料理のほうが好きです。
訳)講演というより講義と言ったほうがいいかもしれません。
訳)駐車場所を探して1日中車を走らせるより、バスで町まで行ったらどうですか?
”rather”の類義語
程度の表現や選択肢の比較で使われる”rather”の類義語を紹介します。
日本語で「できれば」「むしろ」「どちらかといえば」などを言い表したいときには、ぜひこれから挙げる英語を使ってみましょう。
preferably
”preferably”は、「できれば」「むしろ」という意味を持つ英語です。
数ある選択肢の中から、特に希望しているものや自分の好みを表現するときに使われます。
訳)生徒は外国語、できればスペイン語を2年間履修する必要があります。
訳)植物には週に2回、できれば午前中に水をあげてください。
instead
”instead”は、「その代わりに」という意味を表す代表的な英語です。
選択肢を変えるとき、他の選択肢を示すときなどによく使われます。
訳)この夏ヨーロッパに行かなかったら、代わりにどこに行きたいですか?
訳)ヨガをやめて、代わりにエアロビクスをやろうと思っています。
quite
”quite”は、「かなり」「非常に」という意味を持つ英語です。
日常会話でよく登場する単語で、自分の気持ちや意見、または物事の状態などをより強調したいときに用いられます。
訳)今まで食べた中で最悪の夕食でした。
訳)娘は大学に通っていますが、順調にやっています。
fairly
”fairly”は、「公正に」「公平に」のほかに、「まずまず」「かなり」「顕著な」などといった意味がある英語です。
何かの程度や量が、公正=中程度である意味合いも含んでいます。
訳)この住所でほぼ間違いないでしょう。
訳)その指示は、いたって簡単なようです。
relatively
”relatively”は、「相対的に」「比較的に」「どちらかといえば」という意味を表す英語です。
何かを他の選択肢と比べて、どのような程度かを示すときや相対的な評価を強調するときによく使われます。
訳)十分なスペースがあれば、植物は比較的簡単に育ちます。
訳)これらの美しい旧市街は、観光化によって比較的手つかずのまま残っています。
somewhat
”somewhat”は、「やや」「多少」「いくらか」などの意味を持つ英語です。
ある程度の状態や感情を、柔らかく緩やかな言い回しで表現するときに使われます。
訳)ここ数年で、リゾートは多少様変わりしました。
訳)彼女は以前よりいくらか自信があります。
まとめ
解釈が難しく、なかなか使いこなせない”rather”について、正しい意味と使い方、”would rather”や”rather than”といった頻出表現、さらに類義語まで解説しました。
”rather”は、用法や文脈によって、異なる意味やニュアンスを持っている英語です。
日本語に直訳するのが難しい場合もありますが、解釈に迷ったときは、英英辞典を使って意味と例文を調べてみてください。
今回紹介した類義語も参考に、日本語にはない英語ならではの意味合いと使い方を習得して、ネイティブとの英会話をさらに楽しんでいきましょう。
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