楽しかった海外旅行からの帰途、お土産でずっしり重くなったスーツケースを引きずって帰宅・・・こんなときにぴったりの英語があることをご存知ですか?
この記事では、重いものをなんとか引っ張るときの英語haulを紹介します。意味や使い方、スラング表現、動画Haul、さらにはdragとの違いなど幅広くみていきましょう。
haulの意味
動詞と名詞の意味を持つhaul、多くの人にとってはそれほど馴染みのない単語かもしれません。まず、haulの意味からしっかり理解していきましょう。
動詞haulの意味
メインとしてhaulが使われるときは動詞としての「引っ張る」と「運ぶ」という意味です。引っ張るといえば、pullやdragなどの表現もありますが、haulには特に、重いもの・大きなものを運ぶときに使うという特徴があります。運ぶ際に力を入れないと難しさがあるようなシーンを思い浮かべると、haulがイメージできます。
例えば、震災が起こった地域で出た大量の瓦礫(がれき)を運んだり、工場に必要な重い設備を運搬する、そんなときにhaulが使われます。したがって、スマホをバッグに入れて持ち運ぶ、というようなときには使用しません。
haulの使用パターンとしては、haul ~ close(~を引き寄せる)やhaul ~ out of(から~を運び出す)のようなフレーズがあります。
以下、例文で動詞のhaulの使い方をみてみます。
haulの動詞活用は、haul-hauled-hauledになります。
訳)重いスーツケースを空港から家まで運ばないといけなかったんです。だけど、ロンドンで買ったものを出して見るのが楽しみです。
例文のように、旅行帰りに重くなったスーツケースを引っ張って家に帰るときにもhaulが使えます。
訳)運転手は、ソファとベッドを2階に運びました。
ソファやベッドという大きくて重い家具を2階まで運ぶのは大変です。このようなときこそ、haulで「運ぶ」を表現します。
訳)多くの本が入っている箱をいくつか運ばなければならなかったの。
大きなものでなくても、何冊もの本の入った重い箱も運ぶことが難しいですね。このときにもhaulが使用できます。
名詞haulの意味
一方、名詞としてのhaulには物を「運ぶ行為」や「運送距離」、また面白いことに漁業における「魚の捕獲量」という意味があります。
訳)その漁師は海からの捕獲量に興奮しました。
訳)彼女は、イギリスの骨董品を大量に手に入れました。
haulには大量の物の意味もあります。成功体験としての「獲得」また「収穫」といった意味があります。
haulの読み方
haulはそのスペリングからハウルと読みそうになりますが、カタカナ語の読み方はホォールのようにします。アクセントを「ホ」に置きながらオーと伸ばします。
haulの意味 – スラング
さて、haulはスラングとしても使われる単語です。そこで、どのような意味なのか紹介しましょう。
スラングhaulで「購入品」
スラングのhaulはショッピングに関係しています。
ユーチューバーなどインフルエンサーが特定のブランドやお店などから一度にたくさんの服などを購入することがあります。これらの購入品をスラングでhaulと呼んでいます。
haulは物を運ぶ行為、移動させる行為を示す意味があるため、ショップから自分のためにするショッピングをhaulで表現しているのかもしれませんね。
動画の”Haul”
スラングhaulにも関係しますが、現在はYouTuberやInfluencerたちが購入品を動画で紹介することがよくあります。ここでは、動画のHaulをみていきましょう。
動画のHaul Video
Haul Videoとは、インターネットに投稿された動画のことを言い、そのなかで特にある人物が最近購入した商品について話します。YouTuberやInfluencerたちが購入時の体験、購入した理由、商品価格、どんな着方をするかなどについて詳しく説明するような動画内容になっています。それがHaul Videoです。
haulの持つ意味から、商品を袋のなかから引っ張り出して紹介するという物で、動画の視聴者はそれらを参考にします。レビュー動画とも言えるHaul Videoは2~3年ほど前から注目されるようになり、観る側も購入するときのワクワク感、自分も同じ物を買えるかもしれないというイメージを持てることから大変人気となっています。
店舗のスタッフではなく、同じ消費者目線が語るアイテムのレビューという点がウケているのでしょう。
try on haulの意味
続けて、Haul Videoにまつわるtry on haulについて紹介します。
try on haul
try on haulまたはtry-on haulも、購入した商品を紹介するレビュー動画です。そもそもtry onには洋服などを「試着する・着てみる・履いてみる」の意味があり、ショップで試着してみたいときにCan I try it on?(試着してもいいですか?)のように使います。
try on haulでも、動画で購入品を着たり履いたりする様子を観ることができます。自分の趣味に合う動画が見つかれば、スキマ時間についつい見入ってしまいますね。
noelle kateによるtry on haul紹介
言葉で説明するよりは、一つtry on haul動画を観て頂いたほうが早いですね。そこで、noelle kateというアメリカのTikTok Starの動画を紹介します。
noelle kate – back to school clothing try-on haul *trendy + cute*
ガーリーな可愛い部屋のベッドに座って、いくつもの購入品を紹介しています。アイテムの紹介→自分で着てみる、を繰り返すのですが、同世代であればついつい見入ってしまうでしょう。英語も一緒に体験してください。
動画サイトで”try-on haul”と検索すると、いくらでもヒットしますのでご興味のある方はやってみてくださいね。
Line haulの意味
ここでは、Line haulというフレーズを紹介します。try on haul動画系の意味からガラリと変わって「輸送系」を表す表現です。
Line haulで「長距離輸送」
もともと「運ぶ」の意味があるhaulですが、Line haulになると「長距離輸送」になります。Line haulは国際商取引において重要であり、陸路・空路・水路を使用し、出発地から目的地まで長距離にわたって商品などを輸送します。
都市、港、倉庫などの指定された間で、商品などをラインで移動させることからLine haulという名前になっています。
訳)鉄道輸送では例えば、ライン・ホォールは主要なハブまたはターミナル間の列車の移動を指します。
haulとdragの違い
コンピュータのマウスを引きずって移動させるドラッグは英語dragからきています。物を引っ張るという意味があるdragとhaulの違いを最後に確認しましょう。
haul vs drag
ここまで記事をお読みになった方には、haulは特に、重いもの・大きなものを運ぶときに使うという特徴があることを学びました。
一方dragですが、何かの表面上にあるアイテムを引っ張る(引きずる)ときに使用するという違いがあります。
まとめ
haulには「引っ張る」と「運ぶ」というメインの意味があります。他の単語との違いは、運ぶ際に力を入れないといけないような重いもの・大きなものを運ぶときに使うという特徴があります。もし、そのような運ぶシーンになったら、ぜひhaulを使って英語にしてみましょう。