英単語の「then」を知っていますか?「もちろん!『その時』って意味でしょ?」と思われた方、実はthenにはほかにも意味があるんです。
ネイティブの会話にはthenがたくさん登場します。それを使わないなんてもったいない!
今回は知ってると便利な「then」の表現をご紹介します。しっかりマスターし、会話の表現力をアップしましょう。
「then」は順番をはっきりさせることば!
まずは「then」の意味を確認しましょう。学校では「then = その時」と習いましたね。これが最も一般的な「then」の意味です。
Aさん
I was in London then.
訳)わたしはその時、ロンドンにいました。
Aさん
I’ll show you my new camera then.
訳)その時にわたしの新しいカメラを見せます。
その時を表すthenはこのように使います。基本的に文末に置き、過去のことでも未来のことにでも使うことができます。
しかしどんな時でも「then =その時」なのか、といわれるとそうではありません。「then」は時間のある地点を示しており、その地点を基準にして順番をつけるようなニュアンスがあります。
Aさん
First put the oil in the pan, then fry the ingredients.
訳)最初にフライパンに油を加え、それから材料を炒めてください。
Aさん
First press the stop button, then take the battery out.
訳)まず停止ボタンを押して、それから電池を取り出してください。
Aさん
Go straight, then turn left.
訳)まっすぐ行ってから、左に曲がってください。
Aさん
We went to the park to take pictures then we went to the library.
訳)わたしたちは写真を撮りに公園へ行き、それから図書館へ行きました。
これらの例では、順番をはっきりさせるためにthenが使われています。この場合は「そのあと」や「それから」という日本語訳がふさわしいでしょう。
さらにthenが順番をはっきりさせるのは動作だけではありません。
次の例文を見てください。
Looks like rain tomorrow.
訳)あしたは雨みたい。
Then let’s stay home and relax.
訳)それじゃあ、家でゆっくりしようよ。
ここでもthenが使われていますね。
この場合、thenがはっきりさせたのは「考え」の順番。Aさんの「あしたは雨」という発言を受けてから、Bさんは「家でゆっくり過ごす」という考えに至ったということを示しています。
このthenは相手の発言内容を確認したり、意見に同調したりするときなどに使われます。使うと会話の流れがスムーズになりますよ。
この場合、日本語に訳すなら「それじゃあ」や「だったら」、「それなら」などがいいでしょう。
これらの言葉、日本語の日常会話でもよく口にしますよね。日本語と同様に英語でも日常的によく使うフレーズです。
「then」が使える場面はいつ?カジュアルな会話での例文
thenは特に口語表現によく見られ、日常会話の中での使われることが多いです。その意味は大きく3つに分けられます。
それぞれどのような意味で使われるか確認しましょう。
「その時」「あの時」
「その時」や「あの時」など、特定の時を表すthenです。過去、未来のどちらも表現することができます。
Aさん
I was crying then.
訳)わたしはその時、泣いていました。
Aさん
I’ll see you then.
訳)またね。(その時に会いましょう)
「そのあと」「それから」
「そのあと」を表すthenはものごとの順番をはっきり述べたいときに使います。
Aさん
He closed the window and looked at me.
訳)彼は窓を閉めてからわたしを見ました。
Aさん
I’m going to go to the dentist then see the movie.
訳)わたしは歯医者に行ってから映画に行くつもりです。
「それじゃあ」「それなら」
「それじゃあ」や「それなら」という意味のthenは、ある行為や出来事に対しての結果を伝えるときに使います。会話などで前の発言を聞き、「そういうとこなら~する」というニュアンスを出したいときに使います。
I still don’t understand what you said.
訳)あなたの言ったことがまだよくわからないわ。
Then, let me explain a little further.
訳)それじゃあ、もう少し詳しく説明させて。
I can’t make it on Friday.
訳)金曜日は時間の都合がつかないの。
How about Thursday, then.
訳)それじゃあ、木曜日はどう?
I missed the train I needed!
訳)電車に乗り遅れた!
Then you should take a taxi.
訳)それじゃあ、タクシーを捕まえるべきだね
例文にもあるように、thenは文頭でも文末でもどちらに来ても構いません。
この意味のthenはsoのほうがなじみ深く使い勝手がよいと感じる人もいるかもしれませんね。もちろんsoを使っても構いません。soは「~だから」「~なので」「~ということなので」という意味で使われます。
thenは「だったら」、soは「だから」という感覚で覚えておくと使い勝手がよいかもしれません。
フォーマルな場面での「それじゃあ」はどんなものがある?
thenが使われるのは比較的カジュアルなシチュエーションが大半です。では、フォーマルな場面ではどのように表現するのでしょうか?
次の3つがフォーマルなシーンで使われる「それじゃあ」の代表格です。
therefore
thereforeには「したがって」「その結果」「だから」「ゆえに」などの意味があります。日本語訳も少し堅苦しい感じがしますね。口語よりも文語で使われることが多いですが、日常会話でも使われるとこもあります。
Aさん
It is going to rain tomorrow, therefore the event will be postponed.
訳)明日は雨なので、イベントは延期されます。
ちなみに有名なデカルトの格言「我思う、ゆえに我あり」。
英語では I think, therefore I am. といい、thereforeが使われています。
hence
「それゆえ」「したがって」という意味をもつhence。論理的に結論を述べるときに使われ、日常会話で使われることはあまりありません。
Aさん
It’s late, hence you must go home.
訳)もう遅い、したがってあなたは家へ帰らなくてはいけない。
thus
henceと同様にthusも論文などのアカデミックな場面で使われることの多い単語で日常会話ではほとんど使われることはありません。「このように、かように」、「したがって」などの意味があります。
Aさん
Thus they judged that she was guilty.
訳)したがって、彼らは彼女が有罪だと判断した。
「and then」「but then」……「しかも」「でも」付け足しの英語
thenはほかの単語と組み合わせて少し違った意味になります。
例えば、and then。Andを加えることで「しかも」という追加の意味で使うことができます。
Aさん
He makes money by teaching English online , and then he also gets paid from his part-time job.
訳)彼はオンラインで英語を教えてお金を稼ぎ、その上アルバイトでもお金をもらっています。
Butと一緒に用いると「でも」「そうは言っても」と逆接的な意味を持ちます。
Aさん
I failed the entrance exam, but then I didn’t expect to pass.
訳)入試に落ちた、そうは言っても合格するとは思っていなかったが。
まとめ
Thenの意味は「その時」だけではありません。Thenにもものごとや考えの順番をはっきりさせる働きがあるため、そこから派生し相手の発言に対して、「それじゃあ」や「そういうことなら」という意味を持つようになります。
日常会話ではこのthenはとてもよく使われており、これを使いこなせると英語の表現力がグッと上がります。
海外ドラマや映画を見るときは日常会話でthenを使っていないかどうか、少し意識して聞いてみてください。会話の中でのthenの使われる数の多さに驚くはずです。
ぜひこの機会にthenをマスターして、ネイティブらしい自然な英会話へ近づきましょう。