一見簡単な英語の名詞である「仕事」ですが、これ、知っている単語でも意外とニュアンスを知らなかったり、使い分けができなかったりするんですよね。中学生が「仕事」という意味でworkを習った後に、また「仕事」と同じ意味でtaskを習って、「どちらを使ってもいいの?」とちょっと混乱することも。中学生の時には暗記をしなさいと言われるだけで深く追求できなかった名詞、今日はとことん掘り下げましょう!ネイティブに間違ったニュアンスで伝わらないようにする勉強は社会人になってからが効率的です。
work
まずは基本的な単語であるworkですね。こちらは動詞になると「働く」という意味になりますが、名詞だと「仕事」や「作業」といった意味になります。
「仕事」は数えられるのかという問題については、workの場合不可算名詞になるため複数形にはできません。つまり、ひとつひとつ作業を数えて把握するための単語ではなく、漠然と仕事という概念的な意味合いを持つ単語ということがわかります。
I have some work to do.
訳)しなければいけない仕事がありますので。
I put so much work on this report.
訳)このレポートには相当の労力を使ったよ。
job
仕事と言えばjobも一般的に使われる単語です。workと意味は同じですが、jobの方は金銭が発生する仕事に限定される場合があることや、やるべき仕事だけを示すという特徴があります。
また、workと違って可算名詞なので複数形にすることができ、漠然とした仕事という概念を表すのではなく、作業ひとつひとつを示します。不可算名詞なのか可算名詞なのかを知っておくだけでも細かなミスを減らせるので、ここはしっかり覚えておきましょう。
I have two jobs and I like my life-style very much.
訳)私は2つの仕事を掛け持ちしているけれど、今のライフスタイルにとても満足しています。
task
序盤で出したtaskという単語も訳せば「仕事」。しかし、職業を表す仕事と指すのではなく、割り当てられた仕事ややるべき課題といった意味合いの方の仕事を指します。
タスク管理アプリなどもあるので、すべきタスクを何個か書いては消してを繰り返している方もいます。このイメージでタスクを理解すると、「仕事」と訳されてもそのニュアンスは正しく掴めるでしょう。このtaskがまとまったものがjobというイメージですね。「やりたい仕事」ではなく「やらなければいけない仕事」という表現からにじみ出ているように、taskはあまりすすんでやりたい仕事ではありません。
The primary task of teachers is to teach students how to study.
訳)教師の主なの仕事は、生徒に勉強の仕方を教えることです。
これで、主な「仕事」という意味を表すwork、job、そしてtaskの英語がそろいましたね。それぞれの使い分けができるように何度も文章を作るなどして練習しましょう!
occupation
occupationは「仕事」の中でも「職業」という意味です。かなりフォーマルな表現であるため、公式の書類や文書で使われます。
転職をする時の面接で、以前の職業について聞かれる時や、ビザの取得などのきっちりしたものに職業の記入欄があれば見聞きすることがあるでしょう。
What was your occupation?
訳)前の職業は何だったのですか?
profession
professionもoccupation同様に「職業」という意味です。occupationと違うのは、こちらは専門性の高い職業に限定して使われることです。具体的には、医者や教師などです。があります。このprofessionは教師や医者といった、専門性の高い職業を指すときに使われます。
Teaching Japanese was my profession.
訳)日本語を教える仕事をしていました。
career
キャリアは日本語にもなっているので覚えやすいですね。日本語に訳せば「職歴」や「経歴」となります。
He has a successful career in teaching Spanish.
訳)彼はスペイン語を教えるのに素晴らしい経歴があります。
英語で各職業を言ってみよう!
では、せっかく「仕事」という名詞を覚えたのですから、英語でそれぞれの職業をどう言うのか見てみましょう!身近で簡単な単語は学生時代の早い時期に習ったと思いますが、「言えそうで言えない」、「これってそういえば英語で何て言うの?」と思うような単語を集めてみました。
- 裁判官 judge
- 司法書士 judicial scrivener
- 弁理士 patent attorney
- 助教授 assistant professor
- 校長 principal
- 用務員 janitor
- 保育士 childcare worker
- 行政書士 administrative scrivener
- 大使 ambassador
- 外交官 diplomat
- 市長/町長 mayor
- 公務員 civil servant
- 市職員 municipal officer
- 会計士 accountant
- 税理士 tax accountant
- 銀行員 bank clerk
- 記者 reporter
- 新聞記者 journalist
- 番組製作者 programmer
- 演出家 director
- 建築家 architect
- 不動産屋 real estate agent
- 鳶職人 scaffold constructor
- 床屋/理容師 barber
- 美容師 hairdresser
- 栄養士 dietician
- 漁師 fisherman
- 酪農家dairy farmer
- 花屋 florist
- 外科医 surgeon
- 内科医 physician
- 精神科医 psychiatrist
- 獣医師 veterinarian
- 薬剤師 pharmacist
- 介護士 care worker
- 学芸員 curator
- 図書館司書 librarian
- 客室乗務員 flight attendant/cabin attendant
- 整備士 mechanic
いかがですか?言われればこの単語は知っているから予測はつくというものもあれば、初見でも理解できたと思うけど言えはしないという単語もあったでしょう。中には全く聞いたことがないという職業や、頑張って覚えたことがある方ならお馴染みのものもあったでしょう。社会人になってから相手を知る時、最初に相手の職業を聞くことも多いのではないでしょうか。「何をしてらっしゃるんですか?」How do you do?なんて質問から始まることも大いに可能性あり。メジャーなものから順に覚えていけたら会話もスムーズに進みますよ!
まとめ
「仕事」は英語で結局どれを使えばいいのかという疑問、これで解けましたか?どれも訳は「仕事」になっても、その意味合いが違うことから混乱を招きやすい名詞となっています。日本語でいうところの「仕事」には、すべきタスクという意味もあれば、職業という意味もありますからね。その使い分けが日本語そのもので曖昧になって使われることがあるので、英語になると簡単なようでいて理解が難しく感じることもあるのです。職業はたくさん英語で言えるようになればカッコいいですし、会話も弾むのでぜひ暗記してみてくださいね!