アメリカのメキシカン(タコス・ブリト―)は、実はアメリカでは現地の方が食べるソウルフードとして定着してるのをご存知ですか?メキシコからの移民が多いアメリカでは、メキシコ料理が普及していていることから、朝から夜までメキシカンを食べるレストランが点在しています。ここでは、アメリカとメキシコ料理の関係や、そのメインフードである「タコス」「ブリト―」について紹介していきます。

アメリカではなぜメキシカンフードが人気?

アメリカではなぜメキシカンフードが人気?

アメリカではメキシカンフードは非常によく食べられています。これには、いくつかの理由があります:

地理的・歴史的なつながり

アメリカとメキシコは国境を接していて、特にカリフォルニア、テキサス、アリゾナ、ニューメキシコなどの州では、もともとメキシコの一部だった歴史もあるため、文化的影響が大きいのが一番の理由です。この理由から、メキシコからの移民が多く、コミュニティ内で本格的なメキシカンフードが根付き、広がっていきました。

手軽で美味しい

メキシカンフードの代表、タコス、ブリトー、ナチョスなどは安価でボリュームもあり、アメリカではファストフードとしても人気です。チェーン店(例:Taco Bell、Chipotleなど)も多く、アメリカ人の食生活に定着しています。

“Tex-Mex”というフュージョン

アメリカでは”Tex-Mex(テックスメックス)”と呼ばれる、アメリカ風にアレンジされたメキシカンフードも広まっており、より多くの人に受け入れられやすくなっています。もちろん、日本人が食べても美味しい料理ばかりです。

ベジタリアンやグルテンフリーにも対応しやすい

豆、トルティーヤ、アボカド、ライスなど、メキシカンフードは多様な食事制限にも対応しやすいのも人気の理由です。アメリカには、ベジタリアンやグルテンフリーの食事を実践している人が多くいます。メキシカン料理は、そんな方にも対応できるレシピが多く、自分でもアレンジすることが可能です。このように、多様な食事スタイルが存在するアメリカでもメキシカン料理が根付きました。

アメリカとメキシコで食べるメキシコ料理は違う?

アメリカとメキシコで食べられている「メキシコ料理」はかなり違います

メキシコの料理は、アメリカのものに比べてシンプルで素材重視な場合が多いです。例えば、本場のタコスは小さめでシンプル(コーントルティーヤ+肉+玉ねぎ+パクチー+サルサ)です。アメリカで使われるチーズやサワークリームはあまり使いません。

アメリカのメキシカン料理は、アメリカ人の舌に合わせてボリュームがあり、アレンジされていることが多いです。例えば、タコスやブリトーにレタス、チーズ、サワークリーム、グァカモレ、トマトなどをたっぷり乗せるスタイルが定番です。また、本場にはないハードシェルタコス(カリカリのトルティーヤ)も一般的です。メキシコではソフトシェル(柔らかいトルティーヤ)が主流です。

Tex-Mex(テックスメックス)という独自ジャンル

“Tex-Mex”は、テキサス風にアレンジされた料理です。例えば、チリ・コン・カルネ(ひき肉と豆の煮込み)、ナチョス、チーズたっぷりのエンチラーダなどが挙げられます。

アメリカのタコスの特徴

アメリカのタコスはハードシェルのタコスが主流です。カリッと揚げたトルティーヤで、食べるとパリパリとした食感が魅力です。一方で、メキシコのタコスはソフトシェルタコスが主流です。フラワートルティーヤ(小麦粉)というものを使うことが多く、もちもちしています。

また、アメリカではとにかく「ボリューム重視・カスタマイズ自由」な点が人気です。

よく使われる具材としては、

  • グリルチキン、牛ひき肉(タコミート)、ステーキ、魚など

  • レタス、トマト、玉ねぎ

  • チーズ(たっぷり!)

  • サワークリーム

  • ワカモレ(アボカドディップ)

  • サルサ(甘口~激辛までいろいろ)

等が挙げられます。どれもアメリカのスーパーで手軽に手に入るので、家で気軽に作ることができます。

ファストフードとしても定番

アメリカでは、気軽にタコスを食べることがで生きるファストフード店が点在しています。例えば、Taco Bell(タコベル)Del Taco(デルタコ)などのチェーン店が有名です。また、フードトラックやタコス専門店(Taco Truck)でも広く売られ、手軽に買えて安くて美味しいのが魅力です。

お店や家庭では、「タコチューズデー(Taco Tuesday)」として、火曜日にタコスを食べる習慣が広まっています。火曜日にメキシカン料理レストランに行くと安くタコスが食べられることもあります。

アメリカのブリトーの特徴

アメリカのブリトーの特徴

アメリカのブリトーは、メキシコ料理をアメリカ流にボリュームたっぷりにアレンジしたラップ料理です。朝ごはんからディナーの定番フードとして広く親しまれています。アメリカのブリトーはかなり大きめで、片手で持てないほどのサイズのものもあります。多くの日本人にとっては、一つでお腹いっぱいになる食べごたえのあるものです。

フラワートルティーヤ(小麦の皮)を使用して、全ての具材を一気に巻いて作られます。本場メキシコでは主にトウモロコシのトルティーヤを使いますが、アメリカでは大判のフラワートルティーヤで具を包むのが一般的です。また、具材の種類が豊富で、牛肉、チキン、ポーク、豆、ライス(※)、サルサソース、生野菜、グリル野菜などを一気に巻いて作られます。

アメリカで人気の”breakfast burrito”

Breakfast Burrito(ブレックファスト・ブリトー)は、名前の通り朝食向けのブリトーで、アメリカではとても人気のある朝ごはんメニューです。ファストフードでも家庭でも広く食べられています。中に入る具材は、「アメリカの典型的な朝ごはん」の要素が中心です。例えば、卵、チーズ、アボカド、ハムやソーセージなどが入れられます。ボリュームを出したい人には、ハッシュドポテトやフライドポテト、ベイクドポテトなどを入れることもあります。

“wet burrito”もおすすめ

ウェットブリトー(wet burrito)」も、アメリカで食べられるボリュームのあるメキシコ料理です。これは、ソース(特に赤いエンチラーダソースやチリソース)をかけて、チーズをトロリと溶かしたスタイルのブリトーです。名前の通り、上からたっぷりのソースをかけて「濡れている(wet)」ように仕上げるのが特徴です。

主な特徴としては、具材には通常のブリトーと同様に、牛肉・鶏肉・豆・ライス・チーズ・野菜などをトルティーヤに巻いています。ソースエンチラーダソース、チリソース、またはトマトベースのソースを上からたっぷりかけます。また、ソースの上にさらにチーズをかけて、オーブンやブロイラーで溶かして提供されることが多いです。

また、”wet burrito”は、手で持って食べる通常のブリトーと違い、ナイフとフォークで食べるのが基本です。

日本人にもおすすめのメキシカン料理

アメリカのメキシカン料理は、チーズ、トマト、ライス、豆、アボカド、肉など、日本の洋食やカフェ飯でもよく使われる食材が多いため、日本人の舌にも合います。また、アメリカでは辛さやトッピングも自由に変えることができることが多いため、アメリカに行けば自分のスタイルに合わせた楽しみ方が出来るのも魅力です。アメリカに行く際は、ぜひメキシコ料理にもチャレンジしてみて下さい。

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