まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような風景。そんな表現がぴったりなのが、チェコ南部にある「チェスキー・クルムロフ歴史地区(Historic Centre of Český Krumlov)」です。
赤い屋根の家々が立ち並び、町の中心には美しい城がそびえています。中世の雰囲気がそのまま残るこの町は、「世界で一番美しい」ともいわれています。
この記事では、世界遺産「チェスキー・クルムロフ歴史地区」について英語を交えながら、その魅力を伝えます。
チェスキー・クルムロフ歴史地区ってどんなところ?

赤やオレンジの屋根が並ぶ美しい町並み。その中をヴルタヴァ川(モルダウ川)がゆるやかに曲がりくねって流れています。
町の中心には「チェスキー・クルムロフ城」がそびえ、周囲には中世から残る建物がぎっしり。石畳の道を歩けば、まるでタイムスリップしたような気分になります。
この町は、チェコ・南部ボヘミア州にある小さな都市で、人口はわずか12,797 人(2025年1月1日時点)ほど。
訳)チェスキー・クルムロフは、おとぎ話のような魅力で知られるチェコ共和国の小さな町です。
「チェスキー・クルムロフ」の名前の由来は?
ユニークな響きの「チェスキー・クルムロフ」。その由来を見てみましょう。
「クルムロフ」は、ドイツ語の “Krumme Aue”(曲がった湿地)から来ています。これは町が川の曲がり角に位置していることに由来します。
「チェスキー」は、チェコ語で「チェコの」または「ボヘミア地方の」という意味です。
つまり「チェスキー・クルムロフ」は、「チェコの曲がりくねった湿地の町」といった意味になります。
チェスキー・クルムロフ歴史地区の歴史
この町の始まりは13世紀後半。モルダウ川沿いに建設され、当時の重要な貿易路の拠点となっていました。
ローゼンベルク家の黄金時代
1302年、この町と城はボヘミアの有力な貴族「ローゼンベルク家(House of Rosenberg)」のものとなります。16世紀になると、ルネサンス様式の建物が次々と建てられ、町は「ルネサンスの宝石」とも言われるようになりました。
訳)ローゼンベルク家はチェスキー・クルムロフをルネサンスの宝石に変えました。
神聖ローマ帝国の支配下へ
1601年、ローゼンベルク家から町と城は神聖ローマ皇帝ルドルフ2世に譲渡されます。その後はエッゲンベルク家、そしてシュヴァルツェンベルク家の所有に移ります。
荒廃と復興の時代
第二次世界大戦後、チェスキー・クルムロフは荒廃の時代を迎えます。しかし1960年代後半、「プラハの春」と呼ばれる自由化の波の中で、街の再評価が始まり、修復プロジェクトが本格的にスタート。やがて世界遺産に登録されることとなります。
英語で紹介!チェスキー・クルムロフにまつわるフレーズ
旅行や英語学習に使えるフレーズをいくつか紹介します。
訳)この町はヨーロッパの隠れた宝石だ。
訳)チェスキー・クルムロフ歴史地区では、まるで歴史の中を歩いているような気分だった。
訳)お城からの眺めは、息をのむような美しさだ。
世界遺産「チェスキー・クルムロフ歴史地区」とは?

チェスキー・クルムロフ歴史地区は、いつ世界遺産に登録されたのでしょうか。また、登録された理由は何でしょうか。
世界遺産登録はいつ?
訳)チェスキー・クルムロフ歴史地区は、1992年にユネスコ世界遺産に登録されました。
登録の理由とは?
この街は中世からルネサンス、バロック期の建築がほぼ完全な形で保存されている点が高く評価されました。特に、町と城の調和のとれた景観が「人類の文化遺産」として価値があるとされました。
訳)チェスキー・クルムロフ歴史地区は、その中世建築の優れた保存が評価されユネスコの世界遺産に登録されました。
参照:UNESCO World Heritage Centre:Historic Centre of Český Krumlov
チェスキー・クルムロフ歴史地区の見どころ

チェスキー・クルムロフ歴史地区は、チェコの首都プラハからバスで約3時間。エミレーツ航空などを利用してプラハに到着したら、日帰りツアーも可能です。
見どころがたくさんあるので、ぜひゆっくりと訪れたい場所です。
チェスキー・クルムロフ城
町のシンボルともいえる大きな城です。13世紀に建てられ、ルネサンス様式やバロック様式が融合した建築美を楽しめます。塔の上から見下ろす町の風景は、まさに絶景です。
訳)チェスキー・クルムロフ城に行ったら、塔からのパノラマビューを見逃さないでね。
歴史地区の街歩き
狭い路地、カフェ、アートギャラリーなど、散歩するだけでも楽しい歴史地区。どこを歩いても、写真を撮りたくなるでしょう。
聖ヴィート教会
ゴシック様式の教会で、町の精神的な中心地ともいえる存在です。内部のステンドグラスがとても美しく、静かな時間を過ごすのに最適です。
五弁のバラの祭典(The Five-Petalled Rose Festival)
毎年6月に開催される中世風のお祭りで、町全体がルネサンス時代に変身します。パレードや音楽、騎士のショーなどが行われ、観光客も参加可能です。
訳)五弁のバラ祭りに参加すると、ルネサンス時代に戻ったような気持になります。
まとめ:英語で世界を旅しよう!
チェスキー・クルムロフは、美しい町で、歴史と文化の宝庫でもあります。英語で学びながら旅することで、その魅力をより深く味わうことができます。
ぜひ一度、「世界で一番美しい街」といわれているチェスキー・クルムロフを訪れてみませんか。
