トルコの中央部に、まるで別世界のような景観が広がっています。そこが「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群」。このエリアは、数百万年にわたる自然の営みと人間の知恵、信仰が織りなす「生きた博物館」ともいえる場所です。
英語で言うと“Göreme National Park and the Rock Sites of Cappadocia”。ここには、大自然の力、歴史の重み、人間のドラマが詰まっています。
本記事では、この不思議な世界遺産の魅力を、英語も交えながら旅してみましょう。
ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群ってどんなところ?

はじめに、ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群がどのようなところなのかを見ていきます。
ギョレメとは?
ギョレメは、奇岩群に囲まれた小さな村。トルコ語で「見てはいけないもの」という意味があるとも言われ、かつて迫害から逃れてきたキリスト教徒たちがひっそりと身を隠した場所でした。
今では世界中の観光客が「絶対に見るべき場所」として訪れる人気エリアです。
カッパドキアとは?
カッパドキアは、ネヴシェヒル、ニーデ、アクサライ、カイセリの4つの都市にまたがる広大な地域です。中央アナトリア地域でありながら、特別に区切られた地域です。
「カッパドキア(Cappadocia)」という名は、古代ペルシャ語「美しい馬の地(Katpatuka)」に由来します。
この地の特徴は、まるで他の惑星のような風景です。火山の噴火によって流れ出た溶岩と火山灰が何層にも重なり、その後数百万年の風雨によって削られた結果、キノコ型や尖塔状の「妖精の煙突(fairy chimneys)」と呼ばれる奇岩が誕生しました。
どれくらい広いの?
その広さはなんと約2,500万㎢。東京都がすっぽり入るサイズ感です。何億年も前に起こった火山の噴火がこの地形を作り、今なおその造形美が人々を魅了しています。
観光地としての魅力
カッパドキアへは、イスタンブールから飛行機で約1時間20分。最寄りの空港はカイセリ(Kayseri)かネヴシェヒル(Nevşehir)で、そこから車で1時間ほど。
イスタンブール発のツアーに参加するのがおすすめです。以下のような体験も思い出になるでしょう。
・Hot air balloon tours(熱気球ツアー):早朝、空からカッパドキアを一望
・Cave hotels(洞窟ホテル):岩をくり抜いて作られた宿泊施設
・Local home visits(洞窟住居の一般家庭訪問):地元の暮らしに触れられる体験も
歴史の中のギョレメとカッパドキア
ギョレメ公園とカッパドキアの歴史をたどってみましょう。
ギョレメ国立公園の歴史
7〜13世紀、この地は迫害を逃れてきたキリスト教徒たちの「避難所」でした。ビザンティン帝国による偶像破壊運動や、イスラム教徒によるキリスト教徒の弾圧から身を守るため、彼らは渓谷の奥地に教会や修道院、住居を作りました。
訳)ギョレメ国立公園は、かつてキリスト教徒たちの避難所でした
カッパドキアの長い歴史
この地の歴史はとても古く、有史以前までさかのぼります。約1,000万年前、火山活動がこの大地を形作りました。
紀元前4,000年ごろからは人が住みはじめ、紀元前1,900年にはアッシリア人が商業植民都市を建設。
その後、ローマ帝国の支配下に入りますが、3世紀ごろにはキリスト教徒への迫害が始まりました。彼らはさらに岩山を掘り進め、地下都市や修道場を築いたのです。
ギョレメ・カッパドキアを旅する英語フレーズ集

「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群」を訪れたときの英語のフレーズを知っておくと、より楽しい旅ができるでしょう。主なフレーズを紹介します。
訳)熱気球ツアーの発着所はどこですか?
訳)洞窟ホテルに泊まれますか?
訳)この地下都市はどれくらい古いのですか?
訳)カッパドキアは、まるで別の惑星みたい!
世界遺産「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群」とは?
英語名:Göreme National Park and the Rock Sites of Cappadocia
登録年:1985年
種類:文化遺産と自然遺産の両方(Mixed Heritage)
訳)ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群は、1985年にユネスコの世界文化・自然複合遺産に登録されました。
なぜ世界遺産に?
登録の理由は以下のとおりです。
- Outstanding natural beauty(圧倒的な自然美)
- Traditional human settlements in harmony with nature(自然と共存した人間の暮らし)
- Masterpieces of Byzantine art(ビザンティン美術の傑作)
- Fossils of lost civilizations(消滅した文明の“化石”)
参照:UNESCO World Heritage Centre:Göreme National Park and the Rock Sites of Cappadocia
ギョレメとカッパドキアの見どころガイド

ギョレメ野外博物館(Göreme Open-Air Museum)
大小さまざまな岩窟教会が集まるエリア。フレスコ画が保存され、信仰と芸術の融合を感じられます。
ウチヒサール(Uçhisar Castle)
自然の要塞のような巨大岩。頂上からはカッパドキア全体を見渡せる絶景スポット。
カイマクル&デリンクユ地下都市(Kaymaklı and Derinkuyu Underground Cities)
発見されているだけで30以上、実際はその10倍とも言われる地下都市群。最大で地下8階、2万人が住めたともいわれています。
妖精の煙突(ペリバジャ)(Fairy Chimneys:Peri Bacaları)
カッパドキアの象徴。キノコのような形をした奇岩たちは、自然の驚異そのものです。
パシャバー国立公園(Paşabağ:Monks Valley)
修道士たちが暮らした塔のような岩が立ち並ぶエリア。
デブレント渓谷(Devrent Valley:Imagination Valley)
「ラクダ岩」などユニークな形の岩が点在しています。Imagination Valley(想像の谷)とも呼ばれます。
まとめ:英語で世界を旅しよう!
カッパドキアは、数百万年の自然の営み、人類の信仰と知恵が詰まった場所です。
世界中の観光客が「絶対に見るべき場所」と言うほど感動的な世界遺産です。人間の歴史、神秘的な自然の力を強烈に感じられることでしょう。
英語を学びながら、世界遺産をめぐる旅に出かけてみませんか?
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