クロアチアの南端に位置し、アドリア海に面した美しい港町ドゥブロヴニク。その、まぶしいほどの美しさから「アドリア海の真珠(the Pearl of the Adriatic)」と称され、多くの旅人の心を捉えてきました。
青く澄んだ海と空に挟まれたオレンジ色の屋根の街並みは、一度見たら忘れられないほど印象的です。この記事では、世界遺産「ドゥブロヴニク旧市街」の歴史や魅力を、英語フレーズとともに紹介します。
世界遺産「ドゥブロヴニク旧市街」とは?

ドゥブロヴニク旧市街とはどんなところなのでしょうか。一緒にみていきましょう。
ドゥブロヴニクとは?
ドゥブロヴニクはクロアチア南部、ドゥブロヴニク=ネレトヴァ郡の郡都であり、アドリア海沿岸に位置する要塞都市です。中世には独立した都市国家「ラグーサ共和国」として繁栄し、アマルフィ、ピサ、ジェノヴァ、ヴェネツィアと並び、当時の五大海洋共和国のひとつとされていました。
街の周囲をぐるりと囲むのは、約2kmにわたる堅固な城壁。高さ25mにも及ぶこの城壁は、12世紀から17世紀にかけて建設され、都市国家としての「自由(freedom)」と「自治(autonomy)」を守る要として重要な役割を果たしてきました。
アイルランド出身の劇作家ジョージ・バーナード・ショーは1929年の訪問時に「もしこの世の天国を見たいのならば、ドゥブロヴニクに来るべきだ。(If you want to see heaven on Earth, come to Dubrovnik.)」と語ったほどです。
アクセス
日本からの直行便はなく、ドゥブロヴニクへはミュンヘン、ウィーン、チューリッヒなど欧州主要都市を経由するのが一般的です。ドゥブロヴニク空港から旧市街まではシャトルバスで約30分。
ドゥブロヴニク旧市街の歴史

かつてドゥブロヴニクは小島でした。西ローマ帝国崩壊後、スラブ人の襲撃を避けたラテン人たちがこの地に住み着きました。スラブ人とラテン人は、入江を隔ててそれぞれ暮らしていましたが、12世紀後半には対立が解消され、入江が埋め立てられて現在のような半島になりました。
その後、中世には地中海貿易の要所として発展。独立国家としての歴史を刻みながら、ドゥブロヴニクは文化、外交、建築、芸術など多方面にわたり繁栄しました。
1979年にはその価値が認められ、ユネスコ世界文化遺産に登録。ところが1991年のユーゴスラビア内戦では激しい砲撃により旧市街の多くが破壊され、「危機遺産」に登録されることに。しかし、市民たちの努力によって街は見事に復元され、再び観光客を迎える美しい姿を取り戻しました。
世界遺産としての価値
ドゥブロヴニク旧市街は、1979年ユネスコ世界遺産に登録されました。1991年から1998年までは危機遺産リストに載せられましたが、市民たちの努力によって復元されました。
訳)ドゥブロヴニク旧市街は、1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。
登録の理由
ユネスコは、ドゥブロヴニク旧市街を「かつて繁栄したラグーサ共和国の存在を示しており、地中海地域における都市計画、建築、歴史、文化を高いレベルで保存している代表例」として評価しました。特に城壁や要塞、ルネサンス・バロック様式の建築群は、中世から近世に至る地中海都市の変遷を今に伝えています。
覚えておきたい英会話フレーズ
旅をしながら英語も楽しめるドゥブロヴニクで使えるフレーズをご紹介します。
訳)この古い城壁の上を歩くと、生きている博物館の中にいるみたい。
訳)信じられないくらい保存状態が完璧。まるで時間が止まってるみたい。
訳)見て、この景色!“アドリア海の真珠”って呼ばれるのも納得だね。
訳)この町には、本当に“自由”と“誇り”の精神が息づいてるよね。
ドゥブロヴニク旧市街の主な構成資産

ドゥブロヴニク旧市街は、どこを歩いても感動的な建物や景色が見られます。主な構成資産を紹介します。
城壁巡り(City Walls Walk)
ドゥブロヴニクの象徴ともいえる城壁。旧市街をぐるりと囲み、約2kmのルートを歩くことができます。アドリア海とオレンジ屋根のコントラストはまさに絶景!
ドゥブロヴニク大聖堂(Dubrovnik Cathedral)
バロック様式の壮麗な大聖堂。内部にはティツィアーノ作の「聖母被昇天」など芸術作品も多く展示されています。宗教と芸術の歴史を感じる場所です。
総督宮殿(Rector’s Palace)
かつてラグーサ共和国の総督が居住した建物で、政治の中心でした。今は歴史博物館として公開されています。ゴシックとルネサンス様式の融合が美しいです。
スポンザ宮殿(Sponza Palace)
16世紀の商業・文化の拠点で、現在は公文書館や式典会場として使われています。アーチのある中庭は写真映えも。
聖ヴラホ教会(Church of St. Blaise)
街の守護聖人・聖ヴラホに捧げられた教会。バロック建築が際立ち、毎年2月には「聖ヴラホ祭」が盛大に行われます。地元の信仰の中心です。
ピレ門(Pile Gate)
旧市街の西側にあるメインゲート。城壁と堀、跳ね橋の構造が今もそのまま残っています。観光の出発点にも最適です。
オノフリオの大噴水(Large Onofrio’s Fountain)
15世紀に造られた公共水道の終点。16面の装飾マスクから水が流れ出し、今でも市民や観光客の憩いの場になっています。
ロクルム島(Lokrum Island)
旧市街から船で15分ほどの小島。修道院跡や自然公園が広がり、のんびりとした時間を楽しめます。日帰りにもおすすめ。
スルジ山(Mount Srđ)
ケーブルカーで上がることができ、標高412mから旧市街とアドリア海を一望できます。夕暮れ時には特にロマンチック!
スヴェティ・ヤコフビーチ(Sveti Jakov Beach)
少し歩いた先にある静かなビーチ。旧市街を遠くに眺めながら、地元の人と混ざってリラックスできます。
その他にも、プラツァ通り(Placa Street)は旧市街の目抜き通りで、カフェやお土産ショップが並びます。時計塔、聖イグナチオ教会、ドミニカ修道院なども、歴史と文化に触れられるスポットとしておすすめです。
おわりに:世界遺産を英語で楽しむ
ドゥブロヴニク旧市街は、歴史と文化が混ざりあった美しい場所です。ぜひ一度は訪れてみてください。英語で旅をすることで、より多くの人と出会い、より深く街の魅力に触れることができるでしょう。
