「レボリューションを起こす」や「〇〇のレボリューション」などいった表現を耳にしたことがある人は多いでしょう。
革命や変革を意味して使われている「レボリューション」は、英語の”revolution”をカタカナ表記した言葉です。
大きな変化や転機などを表す「レボリューション」と、英語の”revolution”では、意味や使い方に違いはあるのでしょうか?
今回は、日本語としてもなじみ深い「レボリューション」について、英語”revolution”の正しい意味と使い方、類義語を解説していきます。
「レボリューション」の意味
「レボリューション」は、英語”revolution”をカタカナ表記した言葉で、政治上の革命や大変革、物事や事象の激変などを指して使われます。
”revolution”には、「回転」「公転」「回転運動」「周期」「循環」などの意味もありますが、「レボリューション」は、「革命」や「変革」の意味で用いられることがほとんどです。
「革命」は、社会の構造や常識を大きく変えるという意味を持っており、今(これまで)の環境や状況をガラッと変えるような物事を指して使われます。
これまで当たり前とされてきた概念を壊し、新たな価値観が生み出されるようなときに用いられるのが「レボリューション」です。
「レボリューション」と「エボリューション」の違い
「レボリューション」と混同しやすいカタカナ言葉に「エボリューション」があります。
「エボリューション」は、英語”evolution”をカタカナ表記したもので、「進化」や「発達」「進歩」といった意味を持っています。
変化することを意味する点では、「レボリューション」も「エボリューション」も同じと思っていませんか?
「レボリューション」と「エボリューション」は、似ているようで、じつは変化のスピードに大きな違いがあります。
- レボリューション … 大きく急激に変化する
- エボリューション … 長い時間をかけて徐々に変化する
「レボリューション」は、物事が急激に発展すること、変革すること、0から1を生み出すようなことを意味します。
一方、「エボリューション」は、生き物の自然的な発展という意味を含んだ進化を意味した言葉です。
改善されて状態が良くなっていくこと、良い結果につながるようなことを表しています。
似ているようで異なる意味を持つ「レボリューション」と「エボリューション」は、違いをしっかり理解して正しく使い分けられるようにしましょう。
”revolution”の意味
”revolution”は、「革命」「激変」「回転」「周期」「公転」など複数の意味を持つ名詞です。
辞書では以下のように定義されており、「レボリューション」ではあまりなじみのない回転や円運動といった意味を含んでいることがわかります。
- a change in the way a country is governed
国の統治方法の変化- a big change or improvement in the way that something works or looks, or in the way that people do a particular activity
何かの動作や外観、または人々が特定の活動を行う方法の大きな変化または改善
- one complete circular movement of something, for example a wheel
車輪など、何かの完全な円運動- a movement in a circle or curve around a central point
中心点の周りの円または曲線上の運動
”revolution”の発音記号は、 /ˌrev.əˈluː.ʃən/ カタカナにすると「リェヴァルゥション」のように読めます。
アクセントは「lu」の部分に置いて「ルゥー」と強く発音しましょう。
”revolution”は、ラテン語と古フランス語に起源があるといわれています。
14世紀後半に用いられていたラテン語の”revolucioun”(地球を一回転する動き)、古フランス語の”revolucion”(天体の軌道)から派生して、”revolutionem”(回転)→”revolvere”(回る、巻き戻す)へと変化してきました。
のちに周期的な出来事や変化の意味を持ち、1660年代になると、物体または人が回転または移動する行為を表すようになりました。
もともとは天体の回転を意味する言葉だった”revolution”は、時代と政治の流れとともに、少しずつ意味を加えながら現在に至りました。
語源を知ると、”revolution”に「回転」や「円運動」の意味があることにも納得ですね。
意味が覚えにくい英単語は、語源をさかのぼってみると一層理解が深まりますよ。
”revolution”を使った例文
「革命」や「変革」だけでなく、語源でもある「回転」や「円運動」の意味も持っている”revolution”。
それぞれの意味に合った正しい使い方を例文で紹介していきます。
「革命」や「変革」を表す”revolution”
訳)産業革命によって、多くの種類の商品の生産が飛躍的に増加しました。
訳)彼は、革命に貢献したことで国民的英雄となりました。
訳)ペニシリンの発見は、医学に革命をもたらしました。
「回転」や「円運動」を表す”revolution”
訳)エンジンの回転数は、毎分回転数で測定できます。
訳)科学者たちは、惑星が太陽の周りを公転する様子を研究しています。
訳)月は、毎月地球の周りを1周します。
”revolution”の言い換え
「革命」「変革」「回転」などの意味を表す”revolution”と言い換えできる英語表現を紹介します。
revolt
”revolt”は、比較的小規模な「反乱」「暴動」「反感」などを意味する英語です。
名詞と動詞の2つの用法があり、人々が政府や権力に対して立ち上がることを指して使われます。
訳)人々は、外国の支配に反旗を翻し、自分たちの政府を樹立しました。
coup
”coup”には、「クーデター」と「成功」という意味があります。
輝かしく目覚ましい成功や民衆による不意の一撃など、おもに政府の権力を急に奪う行為を表現するときに使われる単語です。
訳)選挙で選ばれた最初の大統領は、暴力的な軍事クーデターで退陣させられました。
rebellion
”rebellion”は、「反乱」「暴動」「反抗」「抵抗」などの意味を表す英語です。
行動を伴った強い反抗の意志が含まれており、権力やルールに対して、人々が集団で立ち上がることを指して使われます。
訳)政府は反乱を容赦無く鎮圧しました。
uprising
”uprising”は、集団による「反乱」「蜂起」「暴動」といった意味を持つ英語です。
社会的または政治的な状況において、一部の人々が変化を求めて、団結して起こす行動を指します。
訳)南部での農民反乱は、民衆の不満の表れでした。
transformation
”transformation”は、「変化」「変容」「転換」「変換」などを意味する英語です。
目に見えるものだけでなく、思考や感情の変化など目に見えないものが変化するプロセスを表現して使われます。
訳)人々は、自分たちの町が地方都市に変貌することに複雑な思いを抱いています。
innovation
”innovation”は、「革新」「刷新」「新しいアイディア」「新しく採り入れたもの」といった意味を表す英語です。
新しいものを作り出すとき、新しい考えや技術、制度を取り入れるときなどによく使われます。
訳)技術革新により、環境への影響を抑えた掘削が可能になりました。
rotation
”rotation”は、「回転」「順番」「循環」「自転」「交替」などを意味する英語です。
人やものが一定の周期または順序で規則的に動いていく様子、変化していく様子を表現するときに使われます。
訳)地球は、うるう年には自転軸を中心に366回転します。
turn
”turn”は、「回転させる」「ぐるぐる回す」「ひねる」といった意味を表す英語です。
日本語の「Uターン」のように、進む方向を変えたり、何かを異なる状態に変化せるときも”turn”で表現します。
訳)彼女はドアノブをできるだけゆっくりと回し、静かにドアを開けました。
まとめ
日本語としてもなじみのあるカタカナ言葉「レボリューション」について、英語”revolution”の正しい意味と使い方、類義語を解説しました。
「レボリューション」は、英語”revolution”をカタカナで表記した言葉で、「革命」や「変革」の意味で使われています。
”revolution”には、「革命」以外にも「回転」や「円運動」といった意味があるため、文脈によって正しい解釈が求められます。
もともとは、天体の回転運動に由来していた”revolution”。
カタカナの「レボリューション」からはなかなかイメージしづらいかもしれませんが、英語では「革命」や「変革」に加えて「回転」の意味もあることを覚えておいてくださいね。
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