千葉県は全国トップクラスの英語力向上を目指し、小中高一貫教育を推進している地域です。
地域特性を活かした独自の取り組みにより、生徒の英語力を総合的に高めている点が特徴。
本記事では、そんな千葉県の先進的な英語教育の魅力と具体的な施策を詳しく解説していきます。
千葉県が英語教育に優れている理由
千葉県では、「外国語教育推進計画」をベースとし小学生・中学生・高校生の英語力アップにかなり力を入れています。
「話す」「書く」力が全国平均より低いという課題を元に、10の施策を掲げ、主にスピーキング・ライティング力アップを2020年~2025年までの5年間で行ってきたのです。
具体的にどのような施策が行われたのかをまずは紹介していきます。
ALTの効果的な授業改善
千葉県では、英語教育の質を向上させるため、ALT(外国語指導助手)を活用した授業改善に取り組んでいます。
具体的には、ALTと日本人教員が協力して授業を行う「ティーム・ティーチング」の実施。また、教員の指導力向上を目的とした研修会の開催などが行われています。
例えば、千葉県立千葉中学校では、英語の授業中20名の少人数授業を実施し、効果的な指導を行っています。
40人クラス全員が参加するよりも、「話す」機会が増えることになるため、積極的な授業参加が実現可能なのです。
「授業づくりコーディネーター」制度の導入
他にも、千葉県教育委員会は、「授業づくりコーディネーター」制度を導入しています。
専門性の高い教員が授業公開や近隣校への授業支援、研修会での指導を行うことで、地域の教職員の授業力向上を推進するような施策にも取り組むような施策です。
英語に限らず、千葉県では県全体が「授業のクオリティ」をしっかりと見直しており、生徒にとってどの形式が一番役立つのか、成長するのかを一番に考えているのです。
家庭で取り組める外国語学習の工夫
千葉県教育委員会では、小学生が家庭で楽しく外国語に親しめるよう、オンラインで楽しめる学習コンテンツを無料で公開しています。
例えば、クロスワードパズルやワードサーチなどのゲーム形式を取り入れた教材では、児童が遊び感覚で語彙や表現を学ぶことが可能です。
「Food Crossword」では食べ物に関する単語を学び、「Animal Word Search」では動物の名前を探すことで、楽しみながら語彙力を強化できます。
また、和製英語や外来語に関する学習資料を通じて、言語の文化的背景も学べる仕組みも特徴的です。
家庭と連携した取り組みによって、児童のコミュニケーション能力の基礎を養う千葉県の先進的な教育がうかがえます。
千葉県の地域特性を活かした英語教育とは?
千葉県は、その地域特性を活かし、英語教育の充実に取り組んでいます。以下に、具体的な施策を3つまとめました。
- 国際都市・成田の英語教育推進
- 山武市のグローバル人材育成
- 市川市の中学生英語発表会
それぞれ詳しく見ていきましょう。
国際都市・成田の英語教育推進
千葉県の成田市といえば「成田空港」がある場所です。ここは「国際空港都市」を掲げていることから、グローバル人材の育成に力を入れています。
具体的に行っている施策としては、小中学校全てに外国人英語講師を配置することです。いわゆるALTの先生が必ずいることになるので、生きた英語を身近な環境で学ぶことができます。
また小学校では、学級担任と外国人英語講師が協力して授業を行い、児童が実践的な英語に触れる機会を提供。中学校でも、外国人英語講師との連携を深め、コミュニケーション能力の向上を図っています。
山武市のグローバル人材育成
山武市も同様に「成田空港」の圏内に位置することから、グローバル人材育成に力を入れています。
具体的には、小中学校で「国際理解教育」を行っており、「異文化理解授業」の実施を通じて、海外の様々な文化に触れる機会を提供してくれるのです。
また、中学校では英検集中講座や受験補助を行い、生徒の英語力向上の支援もしています。
これらの取り組みを通じて、国際化に対応した人材の育成を目指しているのです。
市川市の中学生英語発表会
千葉県の市川市では、「市川市中学校英語発表会」を実施しています。
市内の中学生を対象に、スピーチコンテストを実施しているのです。令和4年度は85名の参加があり、スピーチ部門や暗唱部門、海外生活経験者によるエキシビション部門が設けられ、生徒たちが日頃の英語学習の成果を発表します。
この発表会は、「高円宮杯全日本中学校英語弁論大会」の市川市予選も兼ねており、生徒たちの英語力向上と国際理解の深化に寄与しているのです。
英語に力を入れている高校3選(千葉県)
千葉県内で英語教育に力を入れている高校として、以下の3校が挙げられます。
- 千葉県立東葛飾高等学校
- 千葉市立稲毛高等学校・国際中等教育学校
- 千葉県立成田国際高等学校
こちらに抜粋しているのはあくまでも一部であり、他高校との比較を目的とはしておりません。「このような力の入れ方をしている」というあくまでも参考程度に見ていただけますと幸いです。
千葉県立東葛飾高等学校
千葉県立東葛飾高等学校では、教育方針に「グローバル社会で活躍できる人材を育成する」と記載があり、まさに学校全体でグローバル人材の育成に力を入れています。
4年生の学校であり、1・2年の英語の授業では「チームティーチング」も採用しているのが特徴です。
また、学習面では日本では珍しい「ノートアプリ」の使用が採用され、いわゆる紙のノートから離れた効率化をはかっている点でも、プロトタイプに縛られない教育スタイルをしています。
千葉市立稲毛高等学校・国際中等教育学校
千葉市立稲毛高等学校・国際中等教育学校は、「国際教養科」がある学校です。
国際教養科では、英語教育に重点を置き、国際的な視野を持った人材の育成に努めています。
教育課程においても、「外国語」として英語以外に「ドイツ語」「フランス語」「中国語」を学べるほか、英語の「ディベートディスカッション」や「エッセイライティング」といった、いわゆる「話す」「書く」のトレーニングもできるような環境です。
グローバルなスキルを身に着けたい方にはピッタリの学校と言えるでしょう。
千葉県立成田国際高等学校
千葉県立成田国際高等学校は、国際科を設置し、英語教育に力を入れています。
公式にも「グローバル育成のために..」と記載があるように、英語教育はもちろん、フランス語や中国語などの他言語も選択で学ぶことが可能です。
また、2年次には「ディベートトーナメント」が行われており、英語を日常的に使えるレベルからワンランク上の英語力を養い、使えるような英語教育となります。
海外姉妹校への派遣も積極的に行っていることから、いわゆる「海外での経験」も得られるグローバルな学校です。
まとめ
こちらの記事では、英語教育に力を入れている千葉県の特徴についてご紹介してきました。千葉県では政府が前向きにグローバルな人材育成を目指しており、「成田空港」のある地域では特にその特色がみられたでしょう。
ALTの積極的な導入はもちろん、英語を使えるようになるだけでなく「ディベートができるようになる」ようなワンランク上のレベル感までも目指せることから、自分に合った英語力を目指しやすい環境なのです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。