インバウンド需要の増加により、観光業における英語での接客力がますます重要になっています。今回は、接客現場で頻出する5つのシーン【チェックイン・予約確認・レストラン案内・買い物サポート・迷子対応】に焦点を当て、それぞれに使える英語フレーズやロールプレイング例を紹介します。即戦力となる英語力を身につけて、現場での自信につなげましょう!

参考記事:観光業(旅行業、宿泊業)経営のリスク管理

チェックイン時の英語フレーズ|ホテルフロントでの第一印象が決まる!

「レセプション」の意味

外国人観光客がホテルに到着して最初に出会うのがフロントスタッフです。チェックイン時のやり取りは、そのホテル全体の印象を左右する大切な瞬間。「笑顔」と「シンプルで伝わる英語フレーズ」を意識すれば、英語が苦手でも安心して対応できます。ここでは、ホテルフロントで実際によく使われる英語表現と、すぐに現場で活用できるポイント・会話例をご紹介します。

使えるフレーズ

  • May I have your name, please?
    (お名前を頂戴できますか?)
  • Do you have a reservation?
    (ご予約はされていますか?)
  • Could I see your passport, please?
    (パスポートを拝見できますか?)
  • Here is your room key.
    (こちらがお部屋の鍵です。)
  • Enjoy your stay.
    (ご滞在をお楽しみください。)

ポイント

チェックイン時は、まず「名前」と「予約の有無」を確認することが基本です。お客様は長旅で疲れていることが多いので、ゆっくり・はっきり・笑顔で話すことを心がけましょう。名前を聞き取れなかった場合は「Could you spell that, please?(スペルを教えていただけますか?)」と確認するのも丁寧です。また、パスポート確認などの手続きは自然な流れで案内しましょう。最後に「Enjoy your stay.」と一言添えるだけで、良い第一印象を与えられます。

英会話例

Bさん
Hello, I have a reservation.
(こんにちは。予約しています。)

Aさん
Welcome! May I have your name, please?
(ようこそお越しくださいました!お名前を頂戴できますか?)

Bさん
Yes, it’s Johnson.
(はい、ジョンソンです。)

Aさん
Thank you, Mr. Johnson. Could I see your passport, please?
(ありがとうございます、ジョンソン様。パスポートを拝見できますか?)

Bさん
Of course. Here you are.
(もちろんです。こちらです。)

Aさん
Thank you. Here is your room key. Your room number is 305. Enjoy your stay!
(ありがとうございます。こちらがルームキーです。お部屋は305号室です。ご滞在をお楽しみください!)

予約確認の英語|予約の有無をスムーズに確認するコツ

ホテル、レストラン、ツアーデスクなど観光業のさまざまな場面で必要になるのが「予約確認」の英語対応です。スムーズに予約情報を確認できれば、お客様も安心し、サービスの質もグッと高まります。難しい英語表現は不要。基本フレーズをしっかり覚え、落ち着いて使うことが成功のカギです。

使えるフレーズ

  • Do you have a reservation?
    (ご予約はされていますか?)
  • What name is the reservation under?
    (ご予約名は何様でしょうか?)
  • Let me confirm your reservation.
    (ご予約を確認いたします。)
  • Thank you for waiting. Your reservation is confirmed.
    (お待たせしました。ご予約が確認できました。)
  • I’m sorry, but I can’t find your reservation.
    (申し訳ありませんが、ご予約が見つかりません。)

ポイント

ホテルのチェックインの時と同様に予約確認においても「名前の聞き取り」が重要です。外国人の名前は聞き慣れない場合も多いため、丁寧に確認する姿勢を持ちましょう。万が一予約が見つからない場合でも、冷静に謝罪と代替案を提示できる柔軟さが求められます。焦らず、ゆっくり、丁寧にが基本です。

英会話例

Bさん
Good evening. I made a reservation for two people at 7 PM.
(こんばんは。午後7時に2名で予約しています。)

Aさん
Thank you. May I have your name, please?
(ありがとうございます。ご予約名を頂戴できますか?)

Bさん
It’s under the name “Anderson.”
(アンダーソンの名前で予約しています。)

Aさん
Let me confirm your reservation… Thank you for waiting. Your reservation is confirmed. Right this way, please.
(ご予約を確認いたします…。お待たせしました。ご予約が確認できました。こちらへどうぞ。)

レストラン案内の英語|スムーズな案内で満足度アップ

「レストラン」と「restaurant」は印象が異なる

観光客から「おすすめのレストランはありますか?」と質問されるのは日常茶飯事です。食文化に興味を持つ外国人観光客に対して、地元のお店を自信を持って案内できると非常に喜ばれます。ポイントは、シンプルに、わかりやすく、そして具体的に案内することです。

使えるフレーズ

  • Can I recommend a good restaurant nearby?
    (近くの良いレストランをご紹介してもいいですか?)
  • There is a great sushi restaurant five minutes from here.
    (ここから5分の場所に美味しい寿司屋があります。)
  • They also have vegetarian options.
    (ベジタリアンメニューもあります。)
  • It’s very popular among tourists and locals.
    (観光客にも地元の人にも人気です。)
  • Would you like me to show it on your map?
    (地図で場所をご案内しましょうか?)

ポイント

おすすめを伝えるときは「ジャンル」「距離」「特徴(ベジタリアン対応、人気度など)」の3点セットで紹介するとわかりやすくなります。さらに、スマートフォンの地図アプリを一緒に確認したり、地図に印を付けてあげると非常に親切です。「おすすめの理由」を一言添えると説得力もアップします。

英会話例

Bさん
Hi! Do you know any good restaurants nearby?
(こんにちは!近くにおすすめのレストランはありますか?)

Aさん
Yes! There is a great ramen restaurant just five minutes from here. It’s very popular among tourists and locals.
(はい!ここから徒歩5分のところに美味しいラーメン屋があります。観光客にも地元の人にも人気です。)

Bさん
That sounds nice. Do they have vegetarian options?
(良さそうですね。ベジタリアンメニューはありますか?)

Aさん
Yes, they do. Would you like me to show it on your map?
(はい、あります。地図でご案内しましょうか?)

買い物サポートを英語で!|お土産選びも楽しくアシスト!

売上アップ!外国人観光客を引き寄せる接客英語テクニック

観光客にとって、お土産選びも旅の楽しみのひとつです。ショップや売店で迷っている外国人に声をかけ、優しく英語でサポートできれば、満足度は一気に高まります。押しつけがましくならず、自然な提案ができるフレーズを身につけましょう。

使えるフレーズ

  • Are you looking for a souvenir?
    (お土産をお探しですか?)
  • This is one of our most popular items.
    (こちらは当店でとても人気の商品です。)
  • It’s handmade and easy to carry.
    (手作りで持ち運びやすいですよ。)
  • Would you like me to wrap it for you?
    (包装いたしましょうか?)
  • We have other designs as well.
    (他のデザインもございます。)

ポイント

買い物サポートでは、まずお客様のニーズを確認する声かけが大切です。興味を持ってもらえそうな商品の特徴(人気・軽さ・手作り・限定品など)を一言添えて紹介すると好印象です。購入が決まった後の「包装しましょうか?」というひと声も非常に喜ばれます。無理な売り込みにならない自然な案内を心がけましょう。

英会話例

Bさん
Hi. Do you have any Japanese souvenirs?
(こんにちは。日本のお土産はありますか?)

Aさん
Yes, of course. This folding fan is one of our most popular items. It’s handmade and easy to carry.
(はい、もちろんです。こちらの扇子はとても人気があります。手作りで持ち運びやすいですよ。)

Bさん
It’s beautiful. I’ll take it.
(きれいですね。これをください。)

Aさん
Great choice! Would you like me to wrap it for you?
(素晴らしい選択です!包装いたしましょうか?)

迷子対応の英語|緊急時にも落ち着いて対応するために

観光地や大型施設では、迷子のトラブルも少なくありません。慌てて助けを求めてくる外国人観光客に、落ち着いて英語で対応できれば、大きな安心感を与えられます。焦らず状況を確認し、冷静に行動を促すフレーズを覚えておきましょう。

使えるフレーズ

  • I understand. Please stay calm.
    (わかりました。落ち着いてください。)
  • What does the person look like?
    (その方の特徴を教えてください。)
  • When did you last see them?
    (最後に見たのはいつですか?)
  • Let’s inform the staff right away.
    (すぐにスタッフに連絡しましょう。)
  • Please stay here while we search.
    (捜索の間、ここでお待ちください。)

ポイント

迷子対応では、お客様が動揺しているケースが多いため、まずは安心させる言葉が大切です。「ゆっくり・はっきり・優しく」話すことを意識しましょう。特徴(年齢、服装、髪型など)と最後に見た場所・時間を正確に聞き取り、速やかにスタッフ連携に繋げるのが基本です。状況把握のための質問フレーズを事前に準備しておくと落ち着いて対応できます。

英会話例

Bさん
Excuse me, I can’t find my son. He was just with me.
(すみません、息子が見つからないんです。さっきまで一緒にいたんですが。)

Aさん
I understand. Please stay calm. What does he look like?
(承知しました。落ち着いてください。どんな特徴がありますか?)

Bさん
He’s six years old, wearing a yellow T-shirt and blue shorts.
(6歳で、黄色いTシャツに青い短パンを履いています。)

Aさん
Thank you. Let’s inform the staff right away. Please stay here while we search.
(ありがとうございます。すぐにスタッフに連絡します。捜索中はこちらでお待ちください。)

まとめ|シーン別の英会話力が接客レベルを高める

観光業界では、英語での接客力がサービスの質に直結します。今回紹介した5つのシーン別英会話フレーズとロールプレイング例を繰り返し練習することで、実際の現場でも自然に英語が使えるようになります。「伝わる英語」を身につけて、より多くのお客様に安心と感動を届けましょう。