フランスのほぼ中央に位置するサントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏の街、ブールジュ(Bourges)。
かつて古代ローマ時代からこの地方のキリスト教の拠点として栄えたこの街には、ひときわ壮麗な建物があります。それが、ユネスコ世界遺産にも登録されているブールジュ大聖堂です。
この大聖堂は、パリのノートルダム大聖堂やシャルトル大聖堂と並び称される、フランス・ゴシック建築の傑作(a masterpiece of French Gothic architecture)の一つ。荘厳な外観、息をのむステンドグラス、豊かな彫刻装飾のすべてが、中世の信仰と芸術の高さを今に伝えています。
ブールジュ大聖堂とは?

ブールジュ大聖堂の歴史や見どころなどを、英語フレーズを交えながらご紹介します。
ゴシック建築の傑作としての魅力
ブールジュ大聖堂は、12世紀末から13世紀初頭にかけて建設されたローマ・カトリックの司教座聖堂で、聖ステファノス(聖エティエンヌ)に捧げられています。正式名称はサン=テチエンヌ大聖堂(Cathédrale Saint-Étienne de Bourges)。
その特徴的な構造の一つが、5つのポルタイユ(扉口)を備えた西側ファサード。これらは5つの身廊へと続いており、高さは40メートル以上にも及びます。中でも中央の扉口に彫られた「最後の審判」のレリーフは圧巻で、中世人の信仰の深さを物語っています。
大聖堂の内部には、時代を超えたステンドグラスが数多く残されており、色彩と光の美しさに心を奪われます。文豪バルザックが「この大聖堂は、パリ全体よりも価値がある」と称賛したのも納得できる荘厳さです。
ブールジュ大聖堂の歴史的背景
ブールジュは、古代ローマ時代には「アウァリクム(Avaricum)」と呼ばれていました。紀元前52年、カエサル率いるローマ軍との戦いで一度は破壊されましたが、その美しさに感動したローマ人たちは、都市を破壊せず、ローマ都市として再建したとされています。
3世紀頃にはキリスト教が伝来し、聖ウルシヌス(Saint Ursinus)がこの地に最初の教会を建てたとされます。彼はブールジュの初代司教でもあり、以来この地はガリア地方におけるキリスト教の重要拠点となりました。1195年には、大司教アンリ・ド・シュリーの主導で現在の大聖堂の建設が開始され、彼の後継者ギヨーム・ド・ドンジョンがその設計・装飾を引き継ぎ、1285年頃には完成に近づきました。
その後も建物はたびたび修復され、1562年の宗教戦争では略奪や破壊の被害を受けたものの、大聖堂そのものの破壊は回避されました。フランス革命時には「理性の神殿」として利用され、内部の多くの聖遺物が失われましたが、建物自体の損傷は比較的少なかったとされています。
「バターの塔」とは?
大聖堂北側にある塔は、「バターの塔(The Butter Tower)」というユニークな名前で知られています。これは、塔の再建資金を集めるために、四旬節(断食の季節)中、裕福な信者にバターを食べることを許可する代わりに寄付を募ったことに由来します。
このように、信仰と現実が交錯するエピソードからも、当時の社会背景や教会の役割が垣間見えます。
アクセス情報
パリ・アステールリッツ駅からブールジュまでは、TER(地方列車)で約2時間。街の中心部にある大聖堂へは駅から徒歩20分ほどです。
※「ブルージュ(Bruges)」という似た名前の都市がベルギーにあるので間違えないように注意しましょう!
世界遺産としての価値
ブールジュ大聖堂(Bourges Cathedral)は、1992年にユネスコの世界遺産に登録されました。2013年には一部登録範囲の軽微な修正が行われています。
さらに、大聖堂は「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の一部としても位置づけられており、巡礼の重要な通過地でもあります。
登録理由とは?
世界遺産に登録された主な理由は、次のような点です。
- ゴシック建築の建築の発展に大きな影響を与える代表的事例であること
- 彫刻やステンドグラスなどの保存状態が非常に良好なこと
- 宗教建築として、13世紀の信仰の実態を伝える貴重な証拠であること
覚えておきたい英会話フレーズ
ブールジュ大聖堂について英語で語ってみましょう!旅行中に役立つ会話フレーズを紹介します。
訳)わあ、この大聖堂すごいね。ステンドグラスがとってもきれい!
訳)うん、フランスで最高のゴシック建築のひとつなんだって。
訳)西側の「最後の審判」の彫刻、見た?
訳)見たよ!すごく細かくて迫力があった。鳥肌が立ったよ。
訳)ガイドツアーに参加しようよ。もっと歴史を知りたいな。
おすすめスポット

ブールジュ大聖堂には、壮大な西側ファサードや色とりどりのステンドグラス、登ることができる塔など、見逃せない魅力が満載です。中世の芸術と信仰の息吹を感じられるスポットを紹介します。
西側ファサードの5つの扉口
向かって左から順に以下の聖人に捧げられた扉が並びます:
聖ギヨーム・ド・ブールジュ、聖母マリア、最後の審判、聖ステファノス、聖ウルシヌス。
これらの彫刻は、見る人に聖人たちの物語を語りかけてきます。
ステンドグラス
大聖堂内のステンドグラスは、13〜17世紀にかけて製作されたもので、ゴシックからルネサンスへと変化する技法が見て取れます。
特に有名な窓には、「放蕩息子のたとえ」「善きサマリア人」などの聖書物語が描かれており、信仰の教えを視覚的に伝える役割を担っています。
北塔・南塔と展望台
大聖堂の塔は非対称で、北塔(65m)は再建時にルネサンス様式が取り入れられたため、半円アーチの窓を持ちます。一方、南塔(53m)は尖頭アーチで、よりゴシックらしい造りとなっています。
北塔はガイド付きツアーで登ることができ、ブールジュの街並みを一望できます(階段は約400段)。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう
ブールジュ大聖堂は、フランスの歴史、宗教、建築美術が融合した場所であり、そこには中世人の祈りと芸術への情熱が息づいています。
訳)旅は、私たちの目を過去に向け、世界とつなげてくれます。
世界遺産を訪れることで、英語を使うチャンスも自然に増えていきます。ブールジュ大聖堂のような場所で、英語と歴史を一緒に楽しんでみませんか?
