アニメ、映画、小説などの「主人公」、英語ではどんなふうに表現するか知っていますか?このページでは、「主人公」の基本的な英語表現、ちょっとしたニュアンスの違いや、よく使うフレーズもあわせてわかりやすく紹介します。
「主人公」は”protagonist“”main character“

映画、アニメ、小説などの「主人公」は、英語で”protagonist“と言います。物語の中心となるキャラクターを表す一般的な表現です。辞書で意味を確認してみましょう。
protagonist
one of the main characters in a story or a play
物語や劇の主要登場人物の一人
The protagonist of this novel is a young detective.
He serves as a vehicle for the author’s philosophical ideas.
この小説の主人公は若い探偵です。
主人公は、作者の哲学を伝える役割を担っています。
“vehicle“は比喩的に「媒体」「手段」の意味で使われています。
“protagonist“よりカジュアルに”main character“と言うこともできます。
I didn’t like the main character at first, but she grew on me.
He’s cunning but I can’t help but like him.
最初は主人公が好きじゃなかったけど、だんだん好きになったよ。
ずる賢いけど、どうしても憎めないんだ。
“grow on someone” は、「(人が)だんだん好きになる」「次第に気に入ってくる」という意味の表現です。
「主人公キャラ」は”main character type“で表現できます。
In the movie, the heroine is a classic main character type — brave, kind, and strong-willed.
But maybe people are starting to get bored with that type of character.
その映画でヒロインは典型的な主人公キャラで、勇敢で、優しくて、意志が強い。
でも、そういうタイプのキャラには、もうみんな飽きてきてるかもしれない。
get bored with …“は「~に飽きる」の意味です。
日本語では主人公を「ヒーロー」「ヒロイン」と呼ぶことがありますが、英語では”hero“”heroine“は「勇敢で英雄的な、尊敬される人物」といったイメージが強いです。中立的に主人公を指す場合は”protagonist“を使うと便利です。
「登場人物」は”character“

映画やドラマ、小説などの「登場人物」は”character“と言います。
There are many interesting characters in this novel, so I think you can find at least one you can empathize with.
この小説にはたくさん面白い登場人物がいるので、少なくとも一人は、あなたが共感できるキャラクターを見つけられると思います。
“empathize with …“は「〇〇に共感する」の意味です。感情移入できる登場人物がいると、物語がより楽しくなりますね。
He had a brief appearance in the first episode, but didn’t show up again until the final episode.
He was just a character off to the side in the character relationship chart — I never thought he’d turn out to be the culprit!
彼は初回に少しだけ出演シーンがあったが、最終回まで登場しなかった。
人物相関図の端っこにいるキャラクターだったのに、まさか犯人だとは思わなかったよ。
“off to the side“は「端っこのほう(目立たない位置に)にいる」の意味、”culprit“は「犯人」の意味です。”character relationship chart“は映画やドラマの登場人物の関係を表した「人物相関図」です。
「悪役」「黒幕」は”villain“”antagonist“
物語の主人公に対し、「悪役」「黒幕」は”villain“と言います。”villain“の意味を辞書で確認しましょう。
villain
a character in a book, play, film, etc. who harms other people
本や舞台、映画に登場し、他人を傷つける役柄
“villain“は物語の悪役、主人公の敵役、の意味でよく使うポピュラーな表現です。
The villain actor was truly hateful!
あの悪役の俳優、本当に憎たらしかった!
He is an excellent actor.
彼、演技がうまいよね。
「主人公」”protagonist“と対比して”antagonist“もよく使われます。
The movie had an amazing plot twist at the end.
In the end, you realize that the antagonist was actually supporting the protagonist all along.
It was really touching.
映画の最後にすごいどんでん返しがあるの。
結末で、敵役が実はずっと主人公の味方だったってわかるの。
ほんとに感動的だった。
“plot twist“は「どんでん返し」です。
「黒幕」は”mastermind“を使うこともあります。
mastermind
someone who plans a difficult activity, often a crime, in detail and makes certain that it happens successfully
困難な行動、しばしば犯罪を詳細に計画し、それがうまくいくように確実に実行する人
“master“は「達人」「熟練者」、”mind“は「心」「思考」の意味ですので、”mastermind“は心を操る人、つまり、「裏で計画を練っている黒幕」「首謀者」の意味になります。
She played the role of the mastermind who was secretly pulling the strings throughout the story.
That role broke away from her established public image and skyrocketed her reputation.
彼女は、物語全体を裏で操る黒幕の役を演じた。
その役は、彼女の確立されたパブリックイメージを覆し、彼女の評判はうなぎのぼりになった。
“pull the strings“「裏で糸を引く」の意味のイディオムで、「黒幕」にぴったりの表現です。”skyrocket“は「急上昇する」「(人気や評判が)うなぎのぼりになる」の意味です。
まとめ
「主人公」は英語で”main character“”protagonist“などの言い方があります。”hero“”heroine“も場面によって使われますが、意味やニュアンスが少し違うこともあるので注意が必要です。映画やドラマ、小説の話をするとき、「誰が主人公なのか」「どんな主人公なのか」を伝えるのはとても大事です。「主人公」の表現を使って、英語で物語を伝えてみてくださいね。

