冬の防寒具として欠かせない手袋、掃除用のゴム手袋、食品を素手で触らないためのビニール手袋など、手袋にはさまざまな種類があります。

日常のいろいろな場面で目にする手袋を英語では何と言うか知っていますか?

今回は知っているようで意外と知らない手袋の英語”gloves”と”mittens”について、正しい数え方をはじめ、よく使われる便利な表現と7つのイディオムを紹介します。

「手袋」は英語で何て言うの?

「手袋」は英語で何て言うの?

「手袋」を意味する代表的な英語には”gloves”や”mittens”があります。

手袋のなかでも、指が5本に分かれているタイプのものを”gloves”、親指とその他の指の2つに分かれたタイプのものを”mittens”と表現します。

5本指に分かれたgloves

英語の”gloves”は、野球のグローブだけでなく、5本指に分かれている手袋全般に使える万能な単語です。

野球やボクシングのグローブはもちろんのこと、防寒用の手袋も、掃除で使うゴム手袋も、作業用の軍手も、5本指の手袋はすべて”gloves”で表現できます。

Aさん
You can use your smartphone while wearing these gloves.
訳)手袋をしたままでもスマートフォンが使えるよ。
Aさん
Please take off [remove] your hats, masks, and gloves.
訳)帽子とマスク、手袋は外してください。

指先がない指抜き手袋は、”fingerless gloves”や”half finger gloves”と言います。

Aさん
Do you own any fingerless gloves?
訳)指抜き手袋って持ってる?

ゴム手袋は”rubber gloves”、使い捨てのビニール手袋は”plastic glove”と表現します。
医師が手術で使う手袋は”surgical gloves”と言います。

Aさん
She always wears rubber gloves when cleaning.
訳)彼女は掃除のときいつもゴム手袋を着けているよ。
Aさん
The doctor pulled a pair of surgical gloves from his pocket.
訳)医師はポケットから手術用手袋を取り出した。

2つに分かれたmittens

「ミトン」と言えば、調理用の鍋つかみや赤ちゃん用の手袋をイメージする人もいるでしょう。

もちろん間違ってはいませんが、英語の”mittens”は、親指とその他の指に分かれた形をした手袋全般のことを指します。

Aさん
These are handmade mittens my mother knitted.
訳)これはお母さんが編んでくれた手袋なの。
Aさん
We bought cute mittens that will suit my daughter well yesterday.
訳)昨日、娘に似合いそうなかわいい手袋を買った。
Aさん
I want to get new oven mittens for my grandmother as a gift.
訳)おばあちゃんへのギフトに新しいオーブンミトンを買ってあげたい。

手袋の正しい数え方

手袋の正しい数え方

手袋を意味する英語は”gloves”や”mittens”で、どちらも複数形を示す”s”が付きます。

日本語では手袋を「双」や「組」と数えることが多いですが、英語にも手袋を正しく数える決まった言い方があります。

手袋は2つで1セットなので、”a pair of gloves”
と表現するのが一般的です。

Aさん
Mary bought a pair of leather gloves yesterday.
訳)メアリーは昨日、革の手袋を買った。

手袋が2つ以上の場合は、下記のように”pairs”を複数形にして表します。

Aさん
Evelyn knitted two pairs of winter gloves for my children.
訳)イブリンは子どもたちに手袋を2つ編んだ。

手袋を使ったイディオム

手袋を使ったイディオム

ネイティブのような慣用表現をサラッと使いこなせたらかっこいいですよね。

手袋を使った英語のイディオムとことわざを7つ紹介します。

fit like a glove

”fit like a glove”は、「ぴったり合っている」状態を表す英語です。
直訳すると「手袋のようにぴったり合う」となり、ものが「ちょうどいいサイズである」「しっくりくる」ことを表現したいときによく使われます。

Aさん
The new coat is very comfortable and fits like a glove!
訳)新しいコートは、とっても着やすくてわたしにぴったりなの!
Aさん
Noah’s position in the company seems to fit him like a glove.
訳)ノアの会社でのポジションは、彼に合っているようだ。

handle with kid gloves

”handle with kid gloves”は、「○○を優しく扱う」「○○を慎重に扱う」という意味の英語です。

”kid gloves”とは、生後1年未満のヤギ革で作られた手袋のことで、シルクに値するほど貴重で高価な素材であることに由来した表現だといわれています。

Aさん
Hey, don’t feel like you gotta treat me with kid gloves.
訳)そんな優しい気遣いはいらないよ。

Aさん
Don’t handle me with kid gloves.
訳)わたしのこと、腫れ物に触るかのように扱わないで。

an iron hand in a velvet glove

“an iron hand in a velvet glove”は、「優しそうに見えて、じつはとても厳しい」という意味を持つ英語です。

直訳すると、「ベルベットの手袋の中にある鉄の拳」となり、外見からは想像つかない人柄を表すときによく使われます。

Aさん
My mother was like an iron hand in a velvet glove.
訳)母は優しそうに見えて、じつはとても厳しくて強い人だ。
Aさん
Don’t be fooled. Ms. Daniela is an iron fist in a velvet glove!
訳)騙されないで。ダニエラ先生は優しそうに見えるけれど、すごく厳しいのよ。

drop the gloves

”drop the gloves”は、「喧嘩を始める準備をする」や「議論を始める準備をする」という意味のイディオムです。

ホッケーの試合で使われていた言葉で、手袋を取って乱闘が始まることに由来しています。

Aさん
He dropped the gloves.
訳)彼が喧嘩し始めたよ。

取っ組み合いの喧嘩だけでなく、議論や討論を始めるときにも使われます。

Aさん
They said they were prepared to drop the glove about that.
訳)彼らは、それについて討論するって言ってたよ。

the gloves are off

”the gloves are off”は、「本気でやってやる」「容赦しない」という意味を表す英語です。

手を守るための手袋を外して闘うのは、すなわち本気モードであるということ。

宣戦布告するときに使える強めの言い方なので、使う相手には注意しましょう。

Aさん
Emma bullies me at school everyday; now the gloves are off.
訳)エマが毎日わたしをいじめてくる。もう容赦しないわ。
Aさん
I have been so kind so far. The gloves are off.
訳)これまで優しすぎたのよ、もう手加減しないから。

hand in glove

”hand in glove”は、「結託して」「一緒になって」という意味を持つ英語です。

直訳は「手袋の中の手」で、手袋を着けたときの手と手袋の密着した様子に由来しており、ものだけでなく、人の親密な関係性を指して使うこともできます。

親しい間柄を指すポジティブな意味合いだけでなく、グルになって悪さを働くといったようなネガティブな意味もあるので覚えておきましょう。

Aさん
Lucas really goes hand in glove with Amelia; I bet they’re dating.
訳)ルーカスはアメリアと仲が良さそうだし、付き合っていると思うよ。
Aさん
Oliver is rumored to be working hand in glove with a criminal organization.
訳)オリヴァーはある犯罪組織とつながっているらしい。

a cat in gloves catches no mice

”a cat in gloves catches no mice”は、相手を激励するときに使える英語のことわざです。

直訳は「手袋に入ったネコはネズミを捕まえられない」で、ネコが手袋に入っていては、いつまでたってもネズミを捕まえられないことに由来しています。

「謙虚すぎると損をする」「欲しい物のためには貪欲になれ」という意味で、目的を果たすには大胆になることも必要だ、と言いたいときによく使われます。

Aさん
You should push your way to the goal. A cat in gloves catches no mice, after all.
訳)目標に向かって突き進むべきだ。欲しい物のためには貪欲になれってことよ。
Aさん
It is said that a cat in gloves catches no mice.
訳)謙虚すぎると損をするっていうじゃない。

 

まとめ

手袋の英語”gloves”と”mittens”について、正しい数え方をはじめ、よく使われる便利な表現と7つのイディオムを紹介しました。

英語では、5本指に分かれている手袋を”gloves”、親指とその他の指2つに分かれている手袋を”mittens”と言います。

”gloves”は、手を守るために着用することからケンカの合図や覚悟を表したり、手と密着している様子から親密度を表したりするなど、さまざまな表現があります。

紹介したイディオムは、語源や由来を想像しながら覚えるとわかりやすいでしょう。
例文で繰り返し練習し、上手に使いこなしていけるといいですね。