「現在分詞とか過去分詞とかよく聞くけど、ややこしくて混乱しちゃう!」

「現在や過去って名前がついてるから、現在形と過去形と混ざっちゃう!」

そんな悩みをお持ちではありませんか?

確かに、分詞の形は現在進行形や過去形と混ぜて考えやすく、英文を読むときにややこしいと感じることも多いです。

しかし、分詞について理解できれば、英語を読むのがグッと楽になる場面も多いです。

この記事では、そんな英語の分詞について例文付きでお伝えしていきます。

分詞とは?

分詞とは、動詞の後ろに〜ingや〜edがついたものを指します。

分詞には〜ingを指す「現在分詞」と、〜edを指す「過去分詞」があります。これらをまとめて「分詞」と呼ぶわけですね。

混同しがち?時制と分詞

混同しがち?時制と分詞

〜ingと〜edというと、「あ、現在進行形でやったやつだ。」「過去形でやったやつだ。」と頭に思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか?

確かに、現在進行形や過去形の形と、現在分詞、過去分詞の形は似ています。

しかし、実は現在分詞と過去分詞は時間を表すものではありません。

「え!?”現在”分詞、”過去”分詞って名前がついているのに、現在も過去も表さないの!?」と思いますよね。

それこそがまさに英語の分詞がややこしいポイントだといえます。

分詞とは、〜ingと〜edのついた「動詞の形」を指します。

つまり、”現在”分詞や”過去”分詞と名前はついていますが、「動詞の形”だけ”」では時間とは関係ないと言えます。

ややこしいですが、一旦「分詞の形と時間は関係ない」と覚えてしまえばOKです。

分詞を理解すれば読解の幅がグッと増える!

分詞を理解すれば読解の幅がグッと増える!

分詞を理解すると、英語がグッと楽に読めるようになります。

例えば、「知っている英単語だけの英文なのに、なぜか全然読めない……」
そんな経験はないでしょうか?

具体的な例を挙げてみましょう。

「The girl called Jane called on Jack.」

いかがでしょう?
全て中学レベルの英単語なのに、すんなりと訳せた方は少ないのではないでしょうか?

この英文も、分詞を理解することで正しく訳せるようになります。

この例文の訳し方も含めて、順番にお伝えしますね。

名詞を修飾する

分詞の形をした動詞は、名詞を修飾することができます。

  1. The man standing near the tree is my father.
    その木の近くに立っている男は私の父です。
  2. Tom showed me a picture painted by his father.
    トムは彼の父が描いた絵を私に見せた。

1.のstandingは、現在分詞で直前のThe manを、2.のpaintedは、過去分詞で直前のa pictureを修飾しています。

1.の例文と2.の例文では、使われている分詞が”現在”分詞か”過去”分詞かで違いがありますが、どのように使い分けがされるのでしょうか?

それは、修飾する分詞と、修飾される名詞の関係にあります。

能動と受動の違い

現在分詞を使うのか、過去分詞を使うのかは、修飾する分詞と修飾される名詞の関係が「能動的か、受動的か」の違いで分かれます。

現在分詞が「能動関係」を表し、過去分詞が「受動関係」を表します。

能動関係

The man standing near the tree is my father.
その木の近くに立っている男は私の父です。

↑の例文はstandingが現在分詞になっていますよね。修飾されているのはThe manです。

The manとStandは能動関係です。The manが「立っている」わけですからね。(The manが”立たれている”とは言いませんよね?)

このように、現在分詞を使うのか過去分詞を使うのかは、修飾される名詞との関係が、能動関係か受動関係かによって決定されます。

受動関係

Tom showed me a picture painted by his father.
トムは彼の父が描いた絵を私に見せた。

↑の例文はPaintedが過去分詞になっています。修飾されているのはa pictureです。

a picture(絵)はpaint(描く)する側でしょうか?される側でしょうか?

絵は、誰かによって(今回はトムの父によって)”描かれ”ますよね?

よって、a pictureはpaintと”受動関係”だとわかるので、過去分詞形を使います。

「能動は現在分詞。受動は過去分詞。」と覚えておけば難しくありません。

意味上の主語

分詞を使う上で知っておきたい「意味上の主語」についてお伝えしておきます。

先述した「修飾される名詞」と「修飾する分詞」の関係について、修飾される名詞のことを文法用語で「意味上の主語」と表現します。

なぜ”意味上の”主語と表現するかと言えば、実際の主語とは異なるからです。

具体的に見ていきましょう。先ほどの例文です。

Tom showed me a picture painted by his father.
トムは彼の父が描いた絵を私に見せた。

paintedが修飾する名詞はa pictureです。

このpaintedとa pictureは主語と動詞の関係だと言えます。(A picture was painted by his father.)

しかし、実際の文章の主語はTomですよね?実際の動詞もShowedです。

この時に、分詞で修飾される名詞と、修飾する分詞との関係を明確にするために、修飾される名詞のことを便宜(べんぎ)上「意味上の主語」と表現するわけです。

分詞表現以外でも「意味上の主語」を活用して英文を解説されることも多いので、覚えておくと非常に便利ですよ。

【※補足】

この例文のように、実際の主語と意味上の主語が同じになる場合もあります。

The man standing near the tree is my father.
その木の近くに立っている男は私の父です。

実際の主語がThe man (The man is my father.)、意味上の主語もThe man (The man is standing.)。

ややこしい英文の読解

分詞について十分にお伝えしたところで、先ほどのややこしい英文をもう一度読んでみましょう。

The girl called Jane called on Jack.

Calledが2回も使われていて「??」となってしまうこの英文も、分詞の解説を聞いた今では「どちらかが過去分詞なのかな……?」と推測できるのではないでしょうか?

その場合、どちらのCalledが動詞で、どちらが過去分詞かを考えます。

「Jackを訪問されるJane」では不自然ですよね?

したがってThe girlの直後にあるCalledが過去分詞で、意味は「Janeと呼ばれる少女はJackを訪問した。」になります。

The girl called Jane called on Jack.
ジェーンと呼ばれる少女は、ジャックを訪問した。

以上のように、分詞についての理解が深ければ、「単語の意味は全部知っているのに、読むとなるとややこしい!」という英文もしっかりと読めるようになりますよ。

まとめ

この記事では、英語の分詞について、例文付きでお伝えしました。

ここまでお読みのあなたなら、現在進行系や過去形で書かれた英文に、現在分詞や過去分詞が混ざっていても、冷静に対処して読解ができるでしょう。

ここでお伝えした内容が、あなたの英語力の一助になれれば幸いです。