北アフリカ有数の古都、フェズ。モロッコ北部に位置し、首都ラバトから東へ約200kmのこの街は、アラブ世界でもっとも伝統的な文化が残る都市として知られています。とりわけ旧市街フェズ・エル・バリは、8世紀末にイドリース2世によって都として整えられ、以後マリーン朝期に大きく繁栄しました。
世界遺産に登録されているフェズ旧市街の歴史や魅力を、英語を交えながら紹介します。
フェズ旧市街とは?

フェズ旧市街(フェズ・エル・バリ)は、モロッコで最古のイスラム都市として知られています。街の起源は、イドリース1世がこの地に小さな集落を築いたことに始まり、その後イドリース2世が新たな街区を建設して都としました。
フェズ旧市街の歴史
9世紀には、チュニジアのカイラワーンから移住してきた人々が礼拝所を建設し、これが後のカラウィーン・モスクへと発展。以来、フェズは学問・宗教・職人技が豊かに育つ文化の中心地となりました。
フェズは、王朝の交代とともに政治の中心を移しながらも、文化都市として発展を続けました。13〜14世紀、マリーン朝が首都を置いたことで都市は大きく整備され、フェズ・エル・ジェディド(新フェズ)が建設。ここには王宮や要塞、広い庭園が設けられ、現在の都市構造の基盤となりました。
ユダヤ人街「メラー」が形成され、シナゴーグが建設されるなど、多文化が共存していた点もフェズの大きな特徴です。20世紀にフランスがモロッコを支配すると、伝統的都市の姿を尊重する政策がとられたことで、古い街並みが破壊されることなく現在まで受け継がれています。
迷宮の街
フェズ旧市街が「世界一の迷宮都市」と呼ばれる理由、それは1万を超えるともいわれる細い路地と、複雑に入り組んだ通りの構造にあります。
迷路になっている理由は、外敵の侵入を防ぐため城壁と複雑な道が設けられたこと、商人が限られた土地に店を構えたため、自然に道が入り組んだこと、イスラムの価値観に基づき、家屋内部を見せないよう外壁で囲ったこと。
ブー・ジュルード門を抜けると、そこは人・ロバ・手押し車が混じり合う活気あふれる別世界。スークには香辛料、革製品、真鍮のランプ、織物などの専門店が並び、さらに奥へ行くと伝統工芸の職人街がつづきます。
異教徒が入れないモスクやマドラサ(大学)も点在しています。
世界遺産としての価値
フェズ旧市街(Medina of Fez)は1981年、モロッコで最初に世界遺産として登録されました。
登録理由
フェズ旧市街が世界遺産に登録されたのは、主に以下のような点が評価されたからです。
- フェズはイスラム世界、ユダヤ人社会など、多様な文化が共存し影響し合ってきた都市。その独自の都市文化が評価されています。
- 中世と変わらぬ生活スタイルが今も続く「生きる都市」として、伝統的な街並み・産業・暮らしが現在まで維持されている点が高く評価されています。
覚えておきたい英語
フェズ旧市街を歩くと、モスクやスーク、職人の工房など、聞き慣れない単語がたくさん登場します。旅をもっと楽しむためにも、ここでよく使われる英語を少しだけ覚えておきましょう。
mosque(モスク)
A mosque is a place where Muslims pray.
モスクはイスラム教徒が祈りを捧げる場所です。
labyrinth(迷宮)
The old town is like a huge labyrinth.
旧市街はまるで巨大な迷宮のようです。
craftsmanship(職人技)
You can see amazing craftsmanship in the leatherworks.
革製品には見事な職人技が見られます。
market / souk(市場)
The souk is full of colorful shops.
スークには色鮮やかな店が並んでいます。
旅先で使える英会話フレーズ

フェズの旧市街で感動をシェアしたいとき、英語があると旅がさらに楽しくなります。景色や驚きを自然に伝えられる会話フレーズをご紹介します。
<旧市街に足を踏み入れて>
訳)まるで別世界に来たみたい。すごく活気があるね。
訳)ほんと、歩いているだけでワクワクするよ。
<スークで買い物しながら>
訳)色がきれい!ゆっくり見て回りたいな。
訳)もちろん。ひとつひとつ見てみようよ。
<タンネリを見学して>
訳)染色槽が上から見るとアートみたいだね。
訳)ほんと。色がすごくて驚いたよ。
<街で迷ったとき>
訳)道を間違えたかも。誰かに聞いてみようか?
訳)そうだね。道を聞いてみよう。
<歴史を感じて>
訳)昔のままの姿を守ってるのってすごいね。
訳)ほんと。生きる歴史だよ。
おすすめスポット
フェズ旧市街には多くの見どころがありますが、その中でも特に訪れたい主要スポットを紹介します。
カラウィーン・モスク
857年、ある女性が父を偲んで建てた礼拝堂が起源とされています。その後、各王朝の支援で拡張され、約2万人を収容できる北アフリカ最大のモスクとなりました。
内部には世界最古級の大学のひとつ・カラウィーン大学があり、多くの学者を輩出してきました。非ムスリムは内部に入れませんが、入口から見える装飾だけでも圧巻です。
サヴィア・ムーレイ・イドリス廟
フェズの創設者イドリース2世を祀る霊廟。現在の建物は18世紀に整えられたもので、緑色の瓦屋根と繊細な装飾が特徴です。
こちらもイスラム教徒以外は内部に入れませんが、外から見える装飾の緻密さは必見です。
タンネリ(なめし革工場)
モロッコ伝統の革工房タンネリは、フェズ観光のハイライト。巨大な染色槽が並ぶ光景は圧倒的で、職人が昔ながらの方法で革を染める様子を間近に見ることができます。
上階のテラスから眺める染色場は、まるでカラフルなパレットのよう。
迷路のような街並み
フェズ旧市街の魅力は、何より路地を歩くこと。外敵から守るための構造、美しさを競う工芸店、生活の匂いが漂う職人街。街をあるけば思わぬ出会いがきっとあるでしょう。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう!
フェズは、古代から続くイスラム都市の姿がほぼそのまま残る、世界でも稀な場所です。英語で歴史を調べたり、現地の人に一言声をかけたりするだけで、旅の体験は一気に深まります。
迷宮の街を歩きながら、“Let’s explore the world in English!” の気持ちで、新しい発見をぜひ楽しんでください。
