モスクワ南西部、緑と運河に囲まれた一角に位置するノヴォデヴィチ女子修道院群(Ensemble of the Novodevichy Convent)は、1524年に大公ヴァシーリー3世の命により創建され、修道院でありながら要塞としての機能も備え、「ミニチュア版モスクワ・クレムリン」と呼ばれています。
今回は、この世界遺産を英語を交えながらご紹介します。
ノヴォデヴィチ女子修道院群とは?

この修道院群は、中央に16世紀に建立されたスモレンスキー聖堂(Cathedral of Our Lady of Smolensk)を含む14棟以上の建造物から成り、16~17世紀のモスクワ・バロック様式を最良に残す例として評価されています。 ロシアの王族・貴族の女性が隠遁した場でもあり、防御壁と12本の塔を備え、都市防衛の一部でもありました。
修道院の敷地内には修道院群とともに広大な墓地もあり、ロシアの著名な作家・芸術家・政治家が眠る場所としても知られています。
歴史的背景
1524年、モスクワ大公ヴァシーリー3世がスモレンスク獲得を記念してこの修道院を創設しました。修道院は17世紀末には36以上の村を領有する大地主となっていました。
また、1812年のナポレオン戦争では、フランス軍が修道院を攻撃しようとしましたが、修道女らが爆薬の導火線を断ち、破壊を免れた記録があります。ソビエト時代には一時的に宗教活動が停止され、1994年に修道生活が復活しています。
建築様式と特徴
この修道院群は、モスクワ・バロック(Moscow Baroque)様式の傑作とされ、白壁と赤屋根、金のドームを備えた教会群、12本の塔を持つ城壁に囲まれた形状が特徴です。
8つの教会が存在しますが、中でもスモレンスキー聖堂は1524~1525年の建立で、ロシア正教建築の伝統を継ぎながら16〜17世紀の装飾美を備えています。
また、ノヴォデヴィチ修道院はモスクワ・クレムリンと密接な関係を持ち、修道院の城壁と塔は都市防衛の一部を担っていました。
▼「モスクワ・クレムリン」については下記の記事をお読みください。
世界遺産としての価値
ノヴォデヴィチ女子修道院群(Ensemble of the Novodevichy Convent)は1994年にユネスコの世界遺産に登録されました。
登録理由は?
主に以下のような点が評価され、世界遺産に登録されました。
登録基準(i)傑作
この修道院群は「モスクワ・バロック(Moscow Baroque)」の最も卓越した例であり、16〜17世紀の建築美と都市的価値が統合された傑作です。
登録基準(iv)優れた建築群
修道院群は城壁や塔を備えた修道院複合施設として高度に保存され、モスクワ・バロック建築の典型例としてその建築・景観価値が際立っています。
登録基準(vi)歴史・伝統・信仰との関連
この場所は モスクワ・クレムリン と政治・文化的につながり、正教会の拠点かつロシアの16〜17世紀の歴史・信仰に深く根ざした象徴的遺産です。
UNESCO World Heritage Convention:Ensemble of the Novodevichy Convent
覚えておきたい英語
旅先で歴史や建築を英語で伝えられたら、とても素敵ですよね。この記事に登場する簡単な単語や表現を一緒に覚えて、世界遺産の魅力を英語でもシェアしてみましょう!
convent(修道院)
The convent was founded in 1524.
修道院は1524年に創立された。
fortress(要塞)
The walls of the convent served as a fortress.
修道院の城壁は要塞として機能しました。
iconostasis(イコノスタシス=聖障:イコンで飾られた壁)
The iconostasis in the cathedral is richly decorated.
聖堂のイコノスタシスは豪華に装飾されています。
baroque style(バロック様式)
The convent is a fine example of Moscow Baroque style.
この修道院はモスクワ・バロック様式の良い例です。
旅先で使える英会話フレーズ

感動した景色をその場で英語で伝えられると、旅はもっと楽しくなります。修道院を訪れた設定で、すぐに使える会話フレーズを用意しました。声に出しながら、旅する気分で楽しんでください!
訳)この場所、まるで小さなクレムリンみたいね。
訳)本当に。城壁や塔が要塞っぽさを出してるね。
訳)この修道院はどのくらい古いの?
訳)1524年にヴァシーリー3世が創建したんだよ。
訳)あの金色のドームが太陽に輝いているわ。
訳)それがここのモスクワ・バロック建築の特徴なんだ。
訳)修道院の横にある墓地も見に行ける?
訳)うん、ノヴォデヴィチ墓地で、多くの著名なロシア人が眠ってるんだ。
おすすめポイント

この修道院群には、建築・歴史・文化・芸術といった観点から多くの見どころがあります。中でも特に注目したい3つのポイントをご紹介します。
外壁と塔群
赤と白の塗装が施された壁と、12基の塔が並ぶ景観が印象的です。修道院はモスクワ・湾曲部に位置し、要塞としての機能も併せ持っていたため、外観からもその歴史を感じられます。
スモレンスキー聖堂
1524~1525年に建立されたこの聖堂は、修道院群の中心です。内部のフレスコ画や金色のイコノスタシス(iconostasis)は必見。修道院の建築様式がその後のモスクワ建築に大きな影響を与えたことも感じられます。
墓地(ノヴォデヴィチ墓地)
敷地の外側、南壁の隣にはノヴォデヴィチ墓地が広がっています。作家チェーホフ、作曲家ショスタコーヴィチ、演出家スタニスラフスキー、初代大統領エリツィンなど、ロシアの歴史と文化を象徴する人物の墓が多く存在し、散策しながらその物語に触れることができます。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう!
ノヴォデヴィチ女子修道院群は、ロシアの王族・宗教・芸術・建築が融合した特別な場所です。英語の単語や表現を使って、現地での発見をより深めてみてください。旅の中で英語を学ぶことを意識することで、視野が広がり、旅の体験がさらに豊かになります。
次の旅先でも、世界遺産を英語で楽しんでみましょう。

