コメディ、アクション、サスペンス、またはラブロマンスかファンタジー、皆さんはどんな物語が好きですか?
物語の英語はstoryで通じますが、他の表現でぜひ知っておきたいものがtaleです。
そこでこの記事では「物語」の英語表現を紹介し、まつわるフレーズにも触れていきます。ハリポッターも登場するかもしれませんよ!
物語の英語はstory?それともtale?
物語の英語には大きく「story(ストーリー)」そして「tale(テイル)」という2つの表現があります。
テイルといえば「動物のしっぽ」ではないか?と一瞬思われた皆さん、ちょっと惜しいです。しっぽのほうのスペリングはtailになります。
さて、物語の英語はstoryで間違いありませんが、taleもぜひ覚えるようにしましょう。
storyもtaleも名詞です。以下、意味の確認をしていきます。
- story
物語・話・短編小説・(小説などの)筋・ネタ・ウソ・階・(ある階すべての)部屋
- tale
物語・話・うわさ話・ウソ・作り話
これらを使うとshort story(短編小説)、the tale of Manyo-shu(万葉集)のように言うことができます。
ところで、どちらの単語にも物語、そしてウソという意味が含まれていることが分かります。では、違いは何になるのでしょう?
storyとtaleの違いとは?
ここでまず、storyとtaleの違いをしっかり理解していきます。
storyは物語として使われるものの、例えば個人的な出逢いについてのストーリーも含まれるため、より一般的なイメージになります。
一方、taleは歴史的だったり古い物語を表します。多くの人に長い間読まれているグリムやイソップ物語などもtaleということになるんですね。
storyとtaleの使い方
storyとtaleをどのように使うのか、例文でみてみましょう。storyとtaleの違いについても注目しながらご覧ください。
It’s a beautiful story.
訳)美しい物語だ。
I’ve been writing a story about myself and want to publish it one day.
訳)自分自身の物語を書いていてるのですが、いつか出版したいと思っています。
Do you know the tale called The Lion King?
訳)ライオンキングという物語、知っていますか?
It’s his routine every night to tell a tale to his children.
訳)毎晩、子ども達に物語を聞かせるのが彼の日課です。
storyとtaleの違いと使い方、だいぶ分かってきたでしょうか?
英語で物語を読む
英語学習において、おすすめの一つとしてクラシックな物語を読むという方法があります。洋書のなかでも、人気のシェイクスピアの作品には人間の本質が描かれていること、韻を踏んでリズミカルであることなどの特徴があります。英国では国語(英語)の授業で中学生がマクベスなどシェイクスピアの作品に取り組みます。
シェイクスピアに興味がない人でもロミオとジュリエット、リア王、ハムレットなどのことは知っているのではないでしょうか?
もう少し、近代の物語を読みたいという人に作品をいくつか紹介します。
ハリー・ポッターシリーズ
1997年の第一作「ハリー・ポッターと賢者の石」以来、すべての作品が全世界で大ヒット、それがハリー・ポッターシリーズです。原題は「Harry Potter」、魔法使いの少年ハリー・ポッターの学校での生活や、魔法使いヴォルデモートとの因縁と戦いを描いた物語。子どものみならず大人まで魅了され、あの頃の本屋にはハリー・ポッターシリーズのハードカバー本が何十冊も積まれていました。皆さんのなかにも原作を本で読んだという人がきっといるでしょう。73の言語に翻訳され、史上もっとも売れたシリーズ作品となっています。ファンタジーファンであれば、英語版のハリー・ポッターを完読することを目標にするのも素晴らしいゴールの一つになります。
ハーレクィーンロマンス
1949年以来70年以上も続くロングセラー、ハーレクィーンロマンス(Harlequin romance)。カナダのハーレクィーン・エンタープライズ社による若い女性向きの恋愛物語のシリーズです。日本でも小説と漫画の形で購入できるほど人気です。もし、ラブロマンスファンであれば英語でハーレクィーンロマンスを読んでみませんか?
児童書
おとぎ話は英語で「fairy tale」や「fairy story」と呼びます。fairyは妖精の意味です。有名なおとぎ話にはアンデルセン物語があります。
そして、星の王子様やナルニア(Narnia)などの児童書もおすすめです。難しすぎる単語が出てこない内容で、ストレスなく英語の物語を読めば英語に触れる時間を増やすことができます。Kindleなどの電子書籍でスキマ時間に利用してみましょう。
物語の始まりを英語で表現
物語は始まりのシーンや言葉にワクワクするものです。英語で物語の始まりをと言いたいときには以下のような表現でスタートすることができます。
The beginning of the story makes us excited.
訳)物語の始まりはわたし達をワクワクさせてくれます。
I love the way William Shakespeare begins a story, my expectations become high.
訳)ウィリアム・シェイクスピアの物語の始め方が好きなので期待が高まるんです。
例文のように、begin(始まる・始める)やbeginning(初め・始まり・開始)という英単語で表現します。始めるという単語にはお馴染みのstartがあり同じような意味で使いますが、startよりbeginのほうがフォーマルなニュアンスになります。
ロメオとジュリエットのプロローグ
プロローグ(prologue)という言葉がありますが、これは物語の本編が始まる前の前置きです。一方、本編が終わって結びの部分はエピローグ(epilogue)と呼ばれます。
ここで、ロメオとジュリエットのプロローグを紹介しましょう。
Two households, both alike in dignity, in fair Verona, where we lay our scene, From ancient grudge break to new mutiny, Where civil blood makes civil hands unclean.
翻訳は皆さんにお任せしたいと思います。時代背景が展開されているというところがヒントです!
物語に出てくる~(登場する~)
物語といえば、主人公やその周りの登場人物のキャラクターに惹かれることもあります。これらの人たちを「物語に出てくる~」「物語に登場する~」というパターンで英語で表現するときも覚えたいですね。
この場合、例文のようにシンプルに「○○ in the story/tale」とすればよいのです。
Jekyll in the tale of Jekyll and Hyde is a scientist in London.
訳)ジキルとハイドの物語に登場するジキルは、ロンドンの科学者である。
The Walt Disney film “The Little Mermaid” is based on an 1837 Danish fairy tale. My daughter loves Ariel in the story.
ウォルト・ディズニー映画「リトル・マーメイド」は1837年のデンマークの童話が原作です。娘は物語に出てくるアリエルが大好きです。
物語のようにの英語表現
実社会のことなのに、物語のように物事が起こるという表現があります。この場合の英語フレーズは「like a story」です。likeには「~を好む」「気がある」といった動詞の働きや形容詞として「似ている・同様の」があります。形容詞として使う際にはlike+名詞のパターンにすることからlike a storyで「物語のように」になります。
I hope I will meet someone special in Paris like in a romantic story.
訳)ロマンスの物語のように、パリでスペシャルな人に出会えたらなぁ。
物語の世界の英語表現
「そんなことは物語の世界の話だ」なんて、夢見がちな人に現実を見よと言うことがあります。「物語の世界」を英語で表現するとするなら「in stories」でよいでしょう。例文でみるのであれば、These are things that could only happen in stories(これらは物語の世界でしか起こらないことだ)という感じです。
フィクションとノンフィクションの英語表現
物語には、フィクションとノンフィクションがあります。エピローグの後に「この物語はノンフィクションです」といった一行をみることがありますね。
フィクションは英語でfiction、架空の人物や舞台を背景にする物語です。
一方、ノンフィクションの英語はnon-fiction、こちらは事実や史実、また記録などに基づいたものを指します。
ちなみに、Frankenstein(フランケンシュタイン)はフィクションです。フランケンシュタインが架空の人物なので分かりやすいですね。そして、有名なノンフィクション物語にはアンネの日記(The Diary of a Young Girl by Anne Frank)を挙げたいと思います。ユダヤ系ドイツ人少女アンネが第二次世界大戦中、オランダ・アムステルダムで秘密警察に捕まるまでの2年間の潜伏生活を日記に綴ったものです。連行される直前、アンネは日記に「理想の自分になりたい」と願いを記し、これが最後の一行になりました。筆者もアムステルダムにあるアンネが潜伏していた際の部屋を訪れ、本棚を動かすと別部屋に行くようになっていたことも見てきました。まさに、ノンフィクションです。
まとめ
物語の英語表現はstoryとtale、その違いについても解説しました。
映画の原作に物語が使われていたり、物語が演劇に演出されたり、私たちの周りには多くの物語が存在します。何か一つ、お気に入りの物語を選び、ゆったり過ごす時間に英語で読んでみてはいかがでしょう?