決められていた日程を前にずらす「前倒し」。日常生活でもビジネスでもよく使う言葉です。英語では何と言うのか、学んでいきましょう。
「前倒し」は”move O forward/up”、”bring O forward/up”
「前倒し」は、英語で”move O forward/up“、”bring O forward/up“のフレーズを使って表現します。「前倒し」にぴったり当てはまる単語はないのですね。move、bringなどの動詞に前置詞の”up“”forward“を組み合わせると、もともと後のほうにあったものを前にずらすイメージになり、「前倒し」の意味になります。
Can you please bring our lunch forward to 11am?
ランチを11時からに前倒ししてもらえる?
Something happened?
何かあった?
No, I just have an appointment with my dentist at 1 pm.
1時から歯医者の予約があるの。
“bring our lunch forward to 11am“で、「ランチを11時に前倒しする」となります。”bring なに forward to いつ“の形で、 bringの目的語として何を前倒しするのかを、”to”の後に前倒しした後の日程や時刻を言います。
I’d like to move my appointment from the 15th up to the 12th.
予約を15日から12日に前倒ししたいのですが。
Sure. We have a slot at 9am on the 12th.
いいですよ。12日は9時からが空いています。
Thank you, that would be nice.
ありがとうございます。それでお願いします。
もともとの15日の予約を前倒しして別の日に変更したいのですね。”to”の後に”the 12th”をつなげて、「12日に変更したい」と伝えています。全体で「予約を15日から12日に前倒しする」の意味になります。
“time slot“を使った言い換え
“slot“は、計画や予定の中の時間枠、時間帯のことを言います。レストランや英会話教室、美容院などで、時間を区切って予約管理している時間枠を表すときに使います。”time slot“とも言い換えられますよ。
次の土曜日は全時間枠が予約でいっぱいです。
ビジネスで使う「前倒し」
ここからは、ビジネスで使える「前倒し」の表現を見ていきましょう。
「スケジュールを前倒しする」は”move the schedule forward“
打ち合わせや会議のスケジュールを調整したいとき、「前倒し」という言葉をよく使いますね。「スケジュールを前倒しする」は”move the schedule forward“で表現します。例文を見てみましょう。
We need to move the entire schedule forward by 2 weeks to keep the release date.
発売日を遅らせないように、スケジュール全体を2週間前倒しする必要があります。
That sounds tough, but I don’t think it’s impossible.
大変そうだけど、むりではないと思うよ。
前置詞”by“には、数、量などが「どのぐらい」なのか、という程度を表す働きがあります。”by 2 weeks“の部分で、どのくらい前倒しするのかを表現しています。
Can we move forward the press conference on the 3rd of the next month to the 31th of this month?
来月3日の記者会見を今月31日に前倒しできますかね?
Um, I don’t think so.
The president won’t return from the business trip till the 1st of the next month.
We can’t have it without him.
うーん、どうでしょうか?
社長は来月1日まで出張から戻ってこないですから。
社長なしじゃ記者会見できないですよね。
「納期を前倒しする」は”bring forward the delivery date“
「納期を前倒しする」は”bring forward the delivery date“と言います。製品の納期を前倒ししてもらえないか、尋ねてみましょう。
Could you bring forward the delivery date?
納期を前倒ししてもらえますか?
“bring forward …“で「〜を前倒しする」の意味になります。いつまでに納品してほしい、といった具体的な要望は提示せずに、シンプルに納期を早めてもらえるかどうかを尋ねる言い方です。”delivery“は「納品」、”delivery date“で「納期」「納品日」となります。
納期の希望を合わせて伝えたいときは、以下のような言い方ができます。
Could you bring forward the delivery date for next Monday?
納期を次の月曜日に前倒ししてもらえますか?
“bring forward the delivery date for …“で、「納期を~に前倒しする」の意味になります。納期をいつに変更してほしいか、希望を伝えたいときの言い方です。
Is it possible to bring the delivery date forward by a week?
納期を1週間前倒ししてもらえますか?
元々の納品日より1週間前倒ししてもらいたいときは、”bring the delivery date forward by…” を使って、どのくらい前倒ししたいのかを伝えます。
次は、納期をどのくらい前倒ししてもらえるかを尋ねてみましょう。
We’d like to receive these parts as soon as possible.
How long could you bring forward the delivery date?
できるだけ早くこの部品をいただきたいんです。
どのくらい納期の前倒しが可能でしょうか?
We can deliver them three days earlier.
3日早くできますよ。
まとめ
「前倒し」は英語で”move O forward/up“、”bring O forward/up“と言います。
どのくらい前倒しが可能かを尋ねるときは”How long could you bring forward …?”、前倒しの希望の日程を伝えたいときは”bring なに forward to いつ“を使います。
シーンに合わせて臨機応変に伝えられるといいですね。
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