私たちは普段「社会」という言葉を当たり前のように使っています。社会の定義を説明となるとちょっと自信がないということもあるもの、なんとなくイメージを持って使用しています。では、英語で社会を表すとどのような表現になるのでしょう?
この記事では、英語societyの意味と正しい使い方を解説します。社会の意味も含め、私たちが関わる集まりを英語で表現できるようになりましょう。ソサエティとコミュニティの違いも紹介します。
「社会」の英語societyの意味
さっそく、社会を意味する英語societyを紹介します。カタカナでソサエティとしてもある程度親しみのある言葉ですね。societyは名詞と形容詞の使い方がありますが、おもに名詞として使用されます。形容詞societyは「上流社会の」の意味があります。
では、名詞societyの意味を例文とともにみていきましょう。
名詞societyの意味
ひとつ目のsocietyは名詞です。名詞として以下の意味があります。
社会
地域社会
団体
協会
学会
社交界
社会とは、複数の人々が集まり経済や文化といった特定の目的・活動のために作られた組織を意味します。団体も特定の価値観を共有するコミュニティとして人が集まった状態であり、英語ではこれらをsocietyが表現します。社交界という、上流の人たちが集まり交際をする社会(=社交界)もsocietyです。ちなみに、社交ダンスはsocietyの関連用語である形容詞socialを使用し、social danceとします。
名詞societyの使い方
ここで、名詞societyの使い方を例文で紹介しましょう。
It includes families, schools, neighbourhoods and workplaces.
訳)社会とは、人々が共通の文化や習慣を共有しながら生活し、交流する場を意味します。
これには、家族、学校、近隣地域、職場が含まれます。
社会集団としての例としては家族や友人という仲間も含まれるとされ、もっとも身近な社会ですね。
訳)誰もが異なる多文化社会に生きています。
訳)今週末の大学の友達との集まりを楽しみにしているんだ。
訳)私は自分1人のほうが好きなんだ。
団体に属するより、1人でいるのが好きという人もいるでしょう。そういう人はsocietyを使ったこの例文のように表現することができます。
訳)社交界の人々から多額の寄付が集められました。
1つのソサエティが別のソサエティにつながる例文となっています。イギリスにおけるノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)とは、財産、権力、地位を有する者はそれに応じた社会的責任や義務を負うという道徳観を言います。
社会的課題の英語
様々な社会にとっての課題が存在します。例えば、日本が直面している子どもの貧困や少子高齢化、イギリスにとってはNHS(国民保健サービス)や住宅問題などです。このような話題を英会話にできるよう、社会的課題の英語表現を紹介します。
social issueで「社会的課題」
名詞societyの意味のところで、社交ダンスはsocietyの関連用語の形容詞socialを使用したsocial danceと紹介しました。社会的課題はこのsocialを使い、social issueで表現します。多くに影響のある課題は解決策について議論を引き起こすことがあり、社会問題とも言えるでしょう。このことからsocial problemというフレーズもあります。
訳)日本は不平等、障害者の権利、死刑など、多くの社会的課題に直面している。
どの国にもそれぞれの社会的な課題があります。イギリスの政治系テレビ番組を見ると、NHS(国民保健サービス)に関しては頻繁に討論が行なわれています。
日本のSociety 5.0とは?
ところで、Society 5.0という言葉を聞いたことがありますか?
日本が提唱するSociety 5.0
2016年、日本が目指すべき新しい社会としてSociety 5.0が閣議決定されました。Society 5.0は「科学技術政策」とし、人工知能などを活用し、経済的豊かさ、そして社会的課題の解決を目的とします。
政府が進めるSociety 5.0の取り組みとして、医療分野のプラットフォームの構築、持続可能性を考慮し水産物の次世代養殖技術の確立など食料生産の課題などが挙げられます。
内閣府ホームページから、以下英文を紹介します。
訳)ソサエティ5.0は、経済発展と社会課題の解決が両立する人間中心の社会として提唱されました。
例文には、ひとつ上の社会的課題social issuesというフレーズも含まれています。
SocietyとSocialの違い
ここまで、societyとsocialが出てきていますが、ここで2つの単語の違いを改めて解説しましょう。
society vs social
societyはお互いが関係し共有する人々のグループです。
一方socialは人々の交流を指します。日々の交流であったり、楽しみのために一緒に行なう行動でもあります。ウェブ上のsocial network(社会的ネットワーク)が欠かせない時代になりました。
訳)私は学校のサークルに所属しています。
訳)私は社交的なことが好きで、よく友達と出かけます。
inclusive societyの意味
さらに、inclusive societyというフレーズをみていきます。
inclusiveには「すべてを含んだ・包括的な」という意味があります。
inclusive societyで「共生社会」
筆者の好きな英語のフレーズに”Everyone is different.”があります。誰もが違う→皆んな違ってみんないいというニュアンスで、イギリスに住むようになってから異なるバックグラウンドを持つ人たちに会い、それぞれを尊重するという意味を日々感じています。
共生社会も国籍や身体のコンディションなど違いがあってもお互いに優しく支え合う社会です。そんな社会を英語ではinclusive societyで表します。
国連の資料から、共生社会に関する英文を紹介しましょう。
訳)インクルーシブな社会(共生社会)とは、人種、性別、階級、世代、地理的な差異を乗り越え、インクルージョン(包摂)と機会の平等、またそれを保証する社会である。
英語という世界共通語を学んでいる皆さんは、海外の人と出会いコミュニケーションを取ることを目指しています。その際、inclusive societyは重要と考えます。
引用:The United Nations “Vision for an inclusive society ”
Communityとsocietyの違い
さて、最後はソサエティとコミュニティの違いについて解説をして本記事をまとめましょう。
community vs society
コミュニティはとても親しみのある言葉です。ソサエティよりも馴染みがあるくらいかもしれません。2つの表現をどう使い分けるのかについてぜひ知りたいですね。
まず、サイズ感をみてみるとcommunity < societyであり、ソサエティのほうがより大きく組織化されたグループです。
そして集まるための目的としては、communityは共通の関心ごとがあります。一方、societyは組織的に共通の制度であったり文化を共有します。
訳)私は地元のバドミントンコミュニティに参加して、週一でプレーしています。
訳)私は、がん患者を支援する慈善団体が主催する社会活動に参加しています。
societyが複数の人々が集まり経済や文化といった特定の目的・活動のために作られた組織、ということも再度頭に入れるようにしましょう。
まとめ
本記事では、社会を意味する英語societyを紹介しました。皆さんはどのようグループと関わりがありますか?
societyやsocialを使って、社会活動を表現できるようにしていきましょう。
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