ビジネスレターや正式な手紙を英語で書く際、日本語の「拝啓」「敬具」に相当する表現に迷うことはありませんか?
実は、英語にも手紙やメールの冒頭と結びに使う定型表現があり、相手との関係性や文書の格式に応じて使い分ける必要があります。この記事では、「拝啓」「敬具」の英語表現から、英文レターの基本的な書き方まで、わかりやすく解説します。
ビジネスシーンでも安心して使えるフレーズを一緒に見ていきましょう。
「拝啓」「敬具」にあたる英語表現

日本語の手紙では「拝啓」で始まり「敬具」で結ぶのが一般的です。
英語ではどのように書くのでしょうか?
「拝啓」にあたる表現
英語には日本語の「拝啓」に完全に対応する単語はありませんが、手紙の冒頭で使われるよく使われる表現は「Dear [相手の名前]」です。
フォーマルなビジネスレターでは、相手の敬称(Mr.、Ms.、Dr.など)と姓を続けます。
Oxfordの英語辞典によると、”Dear”は「used at the beginning of a letter before the name or title of the person that you are writing to」と説明されているように、手紙の冒頭で使われる一般的な表現です。ビジネスの場面では、正確な相手の名前がわかる場合は必ず敬称と姓を合わせて使います。
「敬具」にあたる表現
「敬具」に相当する英語表現は、相手との関係性やフォーマル度によって使い分けます。
- Yours faithfully(相手の名前が不明な場合):相手の名前を知らない場合、非常にフォーマルで丁寧な表現です。
- Yours sincerely(相手の名前を知っている場合):相手の名前が分かっている場合に使われる、丁寧な表現です。
- Best regards(幅広く使え、親しみやすい):一般的なよく使用されており、現代のビジネスメールで頻繁に使われます。丁寧さの中にも温かみがあり、幅広い相手に安心して使えます。
- Kind regards(丁寧で温かみがある):”Best regards”よりも少し柔らかく、丁寧な印象を与えたい場合に適しています。
- Sincerely:特にアメリカ英語でよく使われる結びの言葉です。”Yours sincerely”よりも少しシンプルな印象があります。
英辞郎によると、”Best regards”は「かしこ、敬具、よろしく◆手紙の最後につける」となっています。
参照:英辞郎
【より詳しく】英文メールの基本構成
現代のビジネスコミュニケーションではメールが主流です。英語メールにも基本的な構成があります。
基本的な英語メールの構成
- 件名(Subject Line):内容を簡潔に表現することが大切です。
- 宛名(Salutation):相手の名前を書きます。
- 本文(Body):挨拶、本題、結びの挨拶の順に書くのが一般的です。
- 結びの言葉(Closing):締めの表現です。
- 署名(Signature):自分の名前や連絡先を記載します。
(〜についてお伺いしたく、ご連絡いたしました。)
I would appreciate your prompt response.
(お早めにご返答いただければ幸いです。)
「~より」を英語の手紙で書くには

英語では、日本語の「~より」という表現を次のように署名や本文で表現します。
署名での表現
英語の署名では、「From:」と書くことはあまりありません。結びの言葉の後に名前を書くだけで「~より」の意味合いが伝わります。
John Smith
本文での表現
「I am writing on behalf of…」(~を代表して書いています)や、「This email is from John Smith at ABC Company.」(ABC会社のジョン・スミスからです)といった表現も使えます。
“Dear”を手紙で使う書き方
「Dear」は、手紙やメールの冒頭で使われる代表的な言葉です。
個人宛ての場合
- 相手の名前がわかる場合:Dear Mr. Brown(ブラウン様)、Dear Ms. Taylor(テイラー様)
- 親しい関係の場合:Dear John(ジョン様)、Dear Sarah(サラ様)
- 性別や既婚・未婚がわからない場合:Dear Alex Smith(アレックス・スミス様)
複数人宛ての場合
- Dear Mr. Smith and Ms. Johnson(スミス様、ジョンソン様)
- Dear Team Members(チームメンバーの皆様)
- Dear All(皆様)
英語メールの締めの表現
メールの締めくくりは、相手との関係性や文書の格式によって使い分けます。
フォーマルな締め
- Yours sincerely:相手の名前を知っている場合におすすめです。
- Best regards:どのようなビジネスメールにも使いやすく、よく使われます。
- Sincerely:特にアメリカで一般的です。
感謝を込めた締め
- Thank you for your time and consideration.(お時間をいただき、ありがとうございます。)
- I appreciate your assistance.(ご協力に感謝いたします。)
- Thank you in advance.(事前にお礼申し上げます。)
英語の敬称の使い分け
相手の職業や立場に応じて、敬称を使い分けましょう。
- Mr.(ミスター):一般的な男性への敬称です。
- Ms.(ミズ):女性への敬称で、既婚・未婚を問いません。相手の結婚状況がわからない場合に便利です。
- Mrs.(ミセス):既婚女性への敬称です。
- Miss:未婚女性への敬称です。
- Dr.:医師や博士号取得者への敬称です。
「ご担当者様」の英語表現
日本語でよく使う「ご担当者様」には、いくつかの表現方法があります。
一般的な表現
- Dear Sir or Madam:最も一般的で、担当者がわからない場合に使います。
- To Whom It May Concern:関係者全員に宛てる場合に使います。
- Dear Hiring Manager:採用担当者様へのメールで使えます。
部署別の表現
- Dear Sales Team(営業部御中)
- Dear Marketing Department(マーケティング部御中)
- Dear Human Resources(人事部御中)
I am writing to express my interest in the Marketing Coordinator position advertised on your website.
I look forward to hearing from you soon.
Sincerely,
Hanako Suzuki
まとめ
この記事では、英語の「拝啓」「敬具」にあたる表現から、英文レターの基本的な構成までを解説しました。
ここまで紹介した基本的なルールを理解し活用することで、相手に良い印象を与え、円滑なコミュニケーションを築くことができます。
ぜひこの記事を参考に、自信を持って英文メールや手紙を書いてみましょう。

