普段の会話の中で自然と「下」「~の下」といった言葉を使いますよね。
日本語では「下」という一言で幅広い意味を表現できますが、英語ではどのような状況なのかによって使うべき単語が変わります。
たとえば「~の下」を意味する単語に「under」と「below」がありますが、それぞれの違いを詳しく説明するのはむずかしいでしょう。
そこで今回は「~の下」の英語表現を解説していきます。
シーンに応じた例文も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
前置詞を使いこなすには「コアイメージ」を知ることが大切
今回解説する「~の下」の英語表現では、「under」や「below」といった前置詞が出てきます。
前置詞を正しく理解し、状況に応じて使いこなせるようになるには「コアイメージ」を知ることが重要です。
コアイメージとは「単語の中核的な意味」を指す言葉です。英単語は単純に和訳して覚えるだけでは本質的な意味を理解しているとは言えません。たとえばtake・steal・plagiarizeはどれも「盗む」と和訳されますが、それぞれの単語にニュアンスの違いがあります。
つまり、単純に英単語の和訳を覚えるだけでは意味を十分に理解しているとは言えず、英単語の根本的なイメージを掴むこと(コアイメージ)が本質的な理解に繋がるのです。
とくに前置詞や動詞は、ひとつの単語でも文脈によってさまざまな意味に和訳されます。しかしコアイメージを持っておけば、単語の和訳をすべて暗記しなくても文脈に応じて適切な意味に解釈できるようになるのです。
「~の下」は英語で?
「~の下」を英語で表現する際、真っ先に思い浮かぶのが「under」ではないでしょうか。学校の英語の授業で習ったのを覚えている方も多いでしょう。
しかし、辞書には「~の下に」は「under」と「below」という2つの単語が載っています。どちらも「~の下に」という意味は同じであるものの、ニュアンスが異なるのでシーンに応じて使い分けがなければなりません。
ここでは「under」と「below」の違いを解説します。
「under」の意味
まず「under」のコアイメージは「何かの下に」「ある基準よりも下に」です。また「~に(全体を)覆われている」というコアイメージもあるので覚えておきましょう。
たとえば「under the skin:皮膚の下」「under the table;机の下」「Under 18 years old:18歳以下」といったように基準となる物事の下にある様子には「under」を使います。
「below」の意味
「under」と同様に「~の下」と訳される「below」ですが、コアイメージが異なります。
「below」のコアイメージは「ある基準よりも低く位置している」です。位置が真下である必要はありません。
「below the freezing point:氷点下」「below in the blue sky:青空の下」というように真下ではないが、基準よりも低い位置を表現するときに使われているでしょう。
「under」の用法
ここでは、実際にどのようなシーンでunderを使うのか解説します。
管理下・影響下
「under」には「何かの下に」「~に(全体を)覆われている」といったコアイメージがあると解説しました。
そのため「管理下」「影響下」といったニュアンスでも使われます。
この工場は親会社の管理下にあります。
~未満、~より下
「under」の「ある基準よりも下に」というコアイメージから、「~未満、~より下」という意味合いで使われることもあります。
18歳未満が10%です。
彼女は18歳より下かもしれません。
ちなみに年齢について表現するときに「under」を使う場合、「未満」という意味になります。そのため「under 18」は「18歳未満」となり、18歳は対象から外れるので注意しましょう。
隠れて
「under」は「何かの下に」「~に(全体を)覆われている」といったコアイメージから、「~の下に」→「隠れて」という意味で使われることもあります。
新しいプロジェクトはまだ公表されていない。
「below」の用法
ここでは、どのようなシーンでbelowを使うのか解説します。
~未満
belowは何かの基準に対して「~未満」を示す際に使われます。
「under=~未満」と上述しましたが、「below」もまた「~未満」の意味をもちます。
10ドル未満では売らない。
正常値は10未満です。
わたしの点数は平均未満でした。
小学生未満の子どもは無料です。
今朝の気温は10℃未満でした。
わたしの今朝の体温は36度未満でした。
~の(基準より)下に
「below」のコアイメージは「ある基準よりも低く位置している」のため、「“ある価値基準よりも”下に」という意味で使われるケースもあります。
この仕事はあなたのやることではないです。
「下記の通りです」は英語で?
メールで「下記をご覧ください」という表現を使うケースがありますよね。
便利な表現であり「below」を使って表現できます。ビジネスシーンでも活用できる表現なのでフレーズで覚えてみてください。
詳細は下記の通りです。
下の表をご覧ください。
下記をご覧ください。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「~の下」の英語表現について解説しました。
「~の下」を英語で表現する際は「under」と「below」がよく使われますが、和訳を覚えるだけでは混乱してしまうのでコアイメージを掴むことが重要です。
「under」のコアイメージ:「何かの下に」「ある基準よりも下に」「~に(全体を)覆われている」
「below」のコアイメージ:「ある基準よりも低く位置している」
というのを覚えておきましょう。コアイメージを掴んでおけば、シチュエーションに応じてスムーズな単語選びができます。
ぜひ今回の記事を参考に、「~の下」の英語表現を会話で活用してみてくださいね。