りんごを英語でなんと言うかはわかりますか?きっと、知っているという人が多いでしょう。
英語圏の子供達が国語として英語を学ぶときにも「りんご」という単語はよく出てくるほど、英語学習をする上で身近な言葉である「りんご」。実は単に「りんご」という意味としてだけではなく、さまざまな表現もあるんです。
そこで今回は英語でりんごをなんと言うかを確認しつつ、りんごにまつわる表現やことわざをご紹介していきます。使える表現があれば、ぜひ日常で使ってみてくださいね。
りんごは英語で?
まずはりんごを英語でなんと言うかをおさらいしておきましょう。
りんごは英語で……そう、”apple”ですね。日本語でも「アップル」とカタカタで言うこともあるので、英語を勉強していない人でも知っているのではないでしょうか。
ちなみにりんごは可算名詞なので、複数形は “apples”です。この辺りもごく規則的ですね。
“Apple”に使う冠詞について
りんごは”apple”で、複数形についてはごく規則的なのですが、1つ注意しなければならないことがあります。それは、”apple”は母音で始まっているので、冠詞の発音が変化するということです。
まずは英語の冠詞を確認しておきましょう。
不定冠詞:”a” “an”
定冠詞:”the”
不定冠詞の “a” は、母音で始まる単語に付けるときには “an”で始まります。つまり “an apple”となるのですね。
そして定冠詞はスペルは “the apple”と変化しませんが、発音が「ザ」ではなく「ジ」のようになります。
(発音についてはthの発音にあたるカタカナがないので、一番近いもので表記しています)
“Apple”の発音に注意!
次は “apple” の発音を確認してみましょう。
カタカナだと「アップル」となるので、ついついそのまま「アップル」と言ってしまいそうですが、カタカナ発音だとちょっと伝わりづらいかもしれません。
カタカナで表現するなら「アッポー」か「アッポゥ」「アップォ」などが近いかなと思います。しかし、”apple”の “pl”の部分が日本語ではなかなか表現しづらいので、正確な発音はインターネット上の辞書なので確認することをおすすめします。
「Apple(りんご)」を使った表現やことわざ
日本人にとっても、ネイティブにとってもとても身近な単語である “apple”。実はこの単語を使った表現やことわざが、英語にはたくさん存在しています。
ここからは「apple」を使った表現・ことわざをその意味と共にご紹介していきます。
“a bad apple”
”a bad apple”とは、その集団の他の人に悪影響を与えるような人のことを指します。日本語でも、「腐ったりんご」という言い方をしますね。
これは英語の下記のことわざから来ています。
One bad apple spoils the barrel.
訳:一個の腐ったりんごが樽全体のりんごをダメにする
ここから転じて”a bad apple”のみでも、周囲に悪影響のある人物を指すようになりました。また、日本語の「腐ったりんご」は実はこの英語のことわざから来ています。
訳)会社は素晴らしい評判を得ていたが、一人の不誠実な従業員がそれを台無しにしてしまった。「一個の腐ったりんごが樽を台無しにする 」ということわざのように。
“A worm in the apple”
文字通り日本語に訳すと、「りんごの中の虫」という意味ですが、外側から見ても見えないので、「隠れた問題や欠陥」という意味になります。この表現が英語ネイティブの前で使えたら、ちょっとかっこいいですね。例文を見てみましょう。
訳)当社の新製品は来週 発売されます。もし隠れた問題や欠陥があるなら、ただちにそれを見つけ出さなければなりません。
訳)私たちが開発していた新しいデータベース・ソフトウェアは廃棄せざるを得ませんでした。プロジェクトの最後に隠れた欠陥があるのが見つかったからです。
“Adam’s apple”
“Adam’s apple”は男性の喉仏のことを指します。
アダムとイブの話をご存知でしょうか。あれは旧約聖書に出てくるお話です。
その中でアダムが禁断の果実=りんごを食べたときに、果実が喉に引っかかったという話があるのですが、それが由来になり、喉仏を “Adam’s apple”と呼ぶようになったそうです。
普通に日常的にも使う表現なので、”Adam’s apple”と言われて「アダムのりんご??」とならないように、覚えておきましょう。なぜ「喉仏」が”Adam’s apple”と呼ばれるようになったのか、その由来について知っていると、忘れないですね。
“Polish the apple”
この表現は日本人にとっては使いやすい表現かもしれません。意味は「ごまをする」「ご機嫌とりをする」です。
“Polish the apple”は動詞的な使い方ですが、”apple-polish”とすると「ごますり」「ご機嫌とり」というような名詞になります。日本語の場合「ごまをする」ですが、英語では「りんごを磨く」で、「へつらう、機嫌を取る」という意味になります。
例文で見てみましょう。
訳)彼女は教授と話すときはいつもご機嫌とりをしてるね。
訳)そうだね。彼女はごますりが本当に上手なんだ。
使い方としては、日本語の「ごますり」「ご機嫌とり」とほとんど同じですから、使いやすいのではないでしょうか。
“Apples and oranges”
“Apples and oranges”は、比較できないものや統一性がないものを指すときに使います。
りんごとオレンジは全く別の果物で、別の性質を持っているため比較することはできませんよね。そういったニュアンスです。
こちらも例文から意味やニュアンスを確認してみましょう。
訳)和食とメキシコ料理、どっちが好き?
訳)わかんないよ。比べようがないから。どっちも大好きだけど、2つはかなり違うでしょ。
この例文上の使い方以外では、誰かと誰かが気が合わないようなことを言い表すような時にも、”They are apples and oranges.”と言うことができます。
“The apple of someone’s eye”
“The apple of someone’s eye”は、その”someone”にとってとても愛おしい存在、大切な存在だということを表すときに使います。
たとえば、自分の赤ちゃんがとても可愛くて目に入れても痛くないくらいだと言いたいときなどに使えます。
文章にするなら “My baby is the apple of my eyes. I can do anything for her.”(私の赤ちゃんは、とても愛おしい存在です。彼女のためなら何でも出来ます。)といった感じですね。
”sour as a green apple”
この比喩は、機嫌の悪い人を表現するときによく使われます。
訳)彼の気分は試合に負けた後、とても不機嫌だった。
“as American as apple pie”
この表現は、直訳すると「アップルパイのようにアメリカ的」となり、「いかにもアメリカらしい」という意味になります。アップルパイはアメリカでとてもポピュラーなデザートです。他の国でも売られていますが、特にアメリカを代表する食べ物として見られています。したがって、「典型的なアメリカの文化や価値観」を指します。
訳)野球、ホットドッグ、7月4日の花火は、典型的なアメリカ文化を表すものです。
訳)七面鳥のごちそうで感謝祭を祝うのは、アップルパイと同じくらいアメリカ的で、大切な国家的伝統です。
“The apple doesn’t fall far from the tree.”
この表現は直訳すると「りんごは木から遠いところには落ちない」という意味ですが、ことわざではりんごを子供、親を木に見立てています。
つまり、子供は親とはあまりかけ離れた存在にはならないということを言い表しています。
容姿や性格、才能など、子供は親が持つものを受け継ぐという意味で、日本語のことわざで言うなら「蛙の子は蛙」に近いですね。
訳)両親がエンジニアということもあり、親の才能を受け継いで、彼は昔から数学が得意です。
訳)彼女の芸術的才能は、父親が有名な画家であることから、子供は親の才能を受け継ぐということを証明しています。
“An apple a day keeps the doctor away.”
このことわざの意味は「1日1個のりんごは医者を遠ざける」です。
りんごを食べるのは健康に良いということから、1日1個りんごを食べれば病気をしづらくなり、医者に行くことが減るということを表しています。ウィキペディアによると、ウェールズ由来のことわざだそうですよ。
日本語のことわざだと、「柿が赤くなると医者が青くなる」というのと似ています。
訳)私の母は、「1日1個のりんごは医者を遠ざける 」とよく言っていたので、私はりんごを食べることを習慣にしています。
訳)インフルエンザの季節が近づいてきたので、私はもっとりんごを食べ始めようと思っています。
“Apple” を使った表現を上手に使ってみよう!
“Apple”という単語は、英語を勉強する時に1番初めに出てくる単語の1つかもしれませんね。それだけに、意味を知らない人はあまりいないでしょう。しかし、”apple”を使った表現がこんなにあるのは知らなかった人も多いのではないでしょうか。”apple”を使ったことわざは、特にアメリカに多いので、アメリカ人と話す場合にことわざを使って話してみてはいかがでしょうか。
日常会話でも使いやすいものもありますから、上手に使って英会話をもっと楽しんでみてくださいね。また、ことわざも「ここぞ」というときに使えれば、ちょっとかっこいいですよね。この記事で紹介したことが、少しでも参考になれば幸いです。