試験に受かったときや就職が決まったときなどに、”Congrats!”という言葉を聞いたことはありませんか?

日本語としても馴染みのある「コングラチュレーション!」と似ているので、”congrats”が「おめでとう」を表していることはみなさんおわかりかと思います。
とはいえ、正しい意味や使い方を完全に理解できているとは言い難いという人も多いのではないでしょうか。

今回は、お祝いの言葉としてよく聞く”congrats”の意味と使い方をはじめ、おめでとうを伝えるさまざまな英語表現を紹介していきます。

“congrats”は、”congratulations”を短縮した口語表現

congratsは、congratulationsを短縮した口語表現

“congrats”は、「おめでとう」を意味する”congratulations”を短縮した口語表現です。
入学や卒業、合格、就職、昇進などを祝って「おめでとう」と言うときによく使われます。

英英辞書によれば、”congrats”は“informal”な感嘆符と定義されています。
“Congrats!”と一語で「おめでとう!」と伝えたり、”congrats on”の後にお祝い内容を続けて「○○おめでとう」と伝えたりと2通りの使い方ができます。

発音は (米)kənˈɡræts(英)kənˈɡrætsで、カタカナにすると「カングラァツ」のように読めます。

exclamation, informal
感嘆符、非公式な言い方
⇒ congratulations

参考:Cambridge Dictionary

相手をお祝いする「おめでとう」というポジティブな言葉なので、誰に対しても使えるように感じますが、”congrats”は、じつはフォーマルシーンにはあまり適していません。
カジュアルな口語表現なので、家族や友人など親しい間柄で使うのが好ましいでしょう。

まずは、シンプルに「おめでとう!」と一声かけるときの間投詞的な使い方を例文で紹介します。

Aさん
Guess what! I finally passed the test!
訳)聞いてよ!ついに試験に合格したの!
Bさん
Congrats!
訳)おめでとう!

 

Aさん
You know what? I got the job!
訳)ねえ聞いて!仕事が決まったよ!
Bさん
You made it! Congrats!
訳)やったじゃん!おめでとう!

 

“congrats on”の後に具体的なお祝いの内容を続けて「○○おめでとう」と言うときは以下のように表現します。

Aさん
Congrats on your new job! I’m really happy for you!
訳)就職おめでとう!わたしもとても嬉しいわ。
Bさん
Thanks. I will start working next month.
訳)ありがとう。来月から働き始めるよ。

 

Aさん
Congrats on your promotion!
訳)昇進おめでとう!
Bさん
Thanks a lot! I couldn’t make it without your support.
訳)本当にありがとう!君がサポートしてくれたおかげだよ。

 

“congrats”よりもカジュアルな”grats”

友達同士のメッセージのやり取りで、”grats”や”gratz”という単語を目にしたことはありませんか?
“grats”と”gratz”は、”congratulations”の短縮形”congrats”をさらにカジュアルにした表現です。
SNSのコメントやチャット、オンラインゲームなどのメッセージでよく使われています。
お祝い言葉としてはあまり一般的でなく、あくまでも仲間内だけで使う「おめでとー!」あるいは「やったな!」というようなスラングなので、場面や相手を選んで使うようにしましょう。

Aさん
Grats on your graduation!
訳)卒業おめでとう!
Aさん
Grats on your promotion!
訳)昇進おめでとう!
Aさん
Gratz on your passing the exam!
訳)合格おめでとう!
Aさん
Gratz on your new job!
訳)転職おめでとう!

 

“congratulations”は複数形が正解

“congrats”は、”congratulations”の短縮形でしたが、どちらも複数形の”s”がついていることに気づいた人はいるでしょうか?
おめでとうを日本語で「コングラチュレーション!」と言うのは、じつは間違いで、「コングラチュレーション!」と最後に「」をつけて言うのが正解なのです。

これは、お祝いの気持ちを強調するための「強意複数」と呼ばれる複数形で、ほかにも”Thanks”(ありがとう)や”My apologies”(ごめんなさい)などがあります。
単数形の”congratulation”は、相手に違和感を与えてしまうので、祝福するときは必ず”congratulations”と複数形にすることを忘れないようにしましょう。

また”congratulations”は、英英辞書で以下のように定義されています。

something that you say when you want to congratulate someone
誰かをお祝いするときにかける言葉

an expression communicating to someone how pleased you are about his or her success or happiness
相手の成功や幸福に対して喜びを表現する言葉

参考: Cambridge Dictionary

“success or happiness”とあることからわかるように、相手が努力してようやく得た成功、または何かを達成したことに対してかけるお祝いの表現です。

入学や卒業、就職、昇進など人生の節目を祝うときに適した言葉で、誕生日やクリスマス、新年といった季節のお祝いや行事などには使いません。
なお、結婚や出産においては、相手によって嫌味や皮肉と捉えられてしまう場合もあるため避けておくのが無難です。

 

Aさん
Congratulations on your new career! I knew you could do it.
訳)転職おめでとう!あなたならできると思っていたよ。
Aさん
Congratulations on your promotion! You deserve it.
訳)昇進おめでとう!一生懸命頑張っていたもんね。
Aさん
Congratulations on passing your exam! I’m so proud of you!
訳)試験合格おめでとう!わたしもすごく嬉しいよ。
Aさん
Congratulations on your new home! I’ll come visit you someday!
訳)新築おめでとう!いつか遊びに行かせてね!

お祝いを伝えるさまざまな英語表現

お祝いを伝えるさまざまな英語表現

“congrats”や”congratulations”のほかにも、英語にはお祝いを伝えるさまざまな表現があります。
“Happy birthday”をはじめとする、会話やメッセージなどでよく使われる英語のお祝い表現を紹介します。

 

“Happy~!”

“Happy birthday”や”Happy New Year”で知られる”Happy~”という表現は、誕生日や記念日、年中行事やイベントなどいろいろなシーンで頻繁に使われています。

Aさん
Happy 60th Birthday!
訳)60歳のお誕生日おめでとう!
Aさん
Happy 10th wedding anniversary!
訳)結婚10周年おめでとう!
Aさん
Happy Halloween!
訳)ハッピーハロウィン!

 

“Best wishes~”

“Best wishes”は、相手のこれからの成功や幸福を願う気持ちを込めて言うお祝い言葉です。
“congrats”と”congratulations”が複数なのと同じ理由(強意複数)で、”Best wish”ではなく”Best wishes”と複数形で表します。

Aさん
Best wishes on your new career.
訳)新たな職場での成功を願って。(=転職おめでとう)
Aさん
Best wishes for your happy marriage!
訳)幸せな結婚生活を祈って。(=結婚おめでとう)
Aさん
Best wishes for the new year.
訳)新年のご多幸をお祈りします。(=新年おめでとう)

 

“Felicitations~”

“Felicitations~”は、ラテン語の”felix”(幸せ)に由来した「祝辞」や「祝賀」を意味する英語です。
強意複数なので必ず”Felicitations”と複数形で表現します。

Aさん
Felicitations on your engagement!
訳)婚約おめでとう!
Aさん
Felicitations on your 10th anniversary!
訳)10周年記念おめでとう!
Aさん
Felicitations to you and your family on this wonderful day.
訳)あなたとあなたのご家族の素晴らしき日にお祝いを。

 

“Way to go!”

“Way to go!”は、「よくやった!」というニュアンスで「おめでとう」を伝えるカジュアルな表現です。
勝負事に勝ったときや、何かを受賞したときなど相手を褒めるようなときに使われます。

Aさん
You guys did a good job! Way to go!
訳)君たち、うまくやり遂げたな!よくやったぞ!
Aさん
Way to go, Paul! You won the contest.
訳)ポール!よくぞコンテストを勝ち抜いた!
Aさん
I heard you won the tournament. Way to go!
訳)トーナメント優勝おめでとう!

 

まとめ

お祝いの言葉としてよく聞く”congrats”の意味と使い方をはじめ、おめでとうを伝えるさまざまな英語表現を紹介しました。

“congrats”は、”congratulations”を短縮した口語表現で、必ず複数形で表します。より砕けた言い方で”grants”や”grantz”もありますが、特に親しい間柄でのやり取りにとどめておくのが無難です。
“congrats”以外にも、お祝いを伝える表現はいくつもあるので、状況や相手によって適したものを使い分けていきましょう。

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