みなさんは、”exchange”という英語を聞いて、どのような意味を思い浮かべますか?
おそらく「交換」という言葉をイメージした方が多いのではないでしょうか。
自分のものと他人のものを交換するときや交流・議論の場などを表現するときによく使われていますよね。
日常会話からビジネスシーンまで幅広いシーンで多用されている”exchange”。
いろいろな解釈ができる分、意味を正しく理解できていないまま、なんとなくの感覚で使っている人も少なくありません。
今回は、身近だからこそ使い分けに迷いがちな英単語”exchange”について、正しい意味と使い方、類似表現を紹介していきます。
”exchange”の意味
”exchange”は、日本語で「交換する」という意味を持ち、もの(または人)を、何か別のもの(または人)と交換する過程や行為そのものを表す英語です。
おもに、人やもの、情報や意見などを交換することを指しますが、金融市場における取引場所や両替所といった意味で使われる場合もあります。
辞書では以下のように定義されており、ものや情報の交換だけでなく、挨拶や言葉でのやり取りなども表すことがわかります。
【noun】
- the act of giving something to someone and them giving you something else
誰かに何かを与え、その人があなたに何か他のものを与えるという行為- a short conversation or argument
短い会話や口論【verb】
- to give something to someone and receive something from that person
人に何かを与え、その人から何かを受け取る- to change something for something else of a similar value or type
何かを、同じような価値や種類のものと交換する
”exchange”の発音記号は、/ɪksˈtʃeɪndʒ/ です。
カタカナで読むと「イクスチェインジ」で、アクセントは”change”の部分に置かれます。
日本語では、”ex”を「エックス」と発音する傾向があるのですが、実際の英語では「イクス」と読むほうが自然な発音になります。
”exchange”は、ラテン語の”ex-”(外へ)と、”cambire”(交換する)が組み合わさってできた”excambium”が語源といわれています。
後に中世フランス語の”eschanger”へ、さらに中英語で”eschaunge”に変化して、現代の”exchange”となりました。
”exchange”と”change”の違い
”exchange”と間違いやすい単語に、”change”があります。
もしかしたら、「”exchange”と”change”の違いがわからない。」「頭に”ex”がついているかいないかだけの違いでしょ?」と思っている方もいるかもしれません。
スペルや発音が似ているので、同じような意味を持っていると誤解されやすいのですが、”exchange”と”change”は、明確に違いがあり意味が全く異なる単語です。
exchange | 2つ以上のものを互いに「交換する」「引き換える」 |
change | ものが「変わる」、ものを「変える」「変えられる」 |
”exchange”は、2つ以上のものを互いに取り替える過程、またはその行為そのものを指しており、「交換する」「引き換える」という意味に限定された単語です。
一方、”change”は、あるものがその形や性質を変える、あるいは何かによって変えられるさまを表しています。
基本的に”change”のほうが広義的で「(能動的に)変わる」あるいは「(何か)を変える」「(誰かと)交換する」など、幅広い意味を持っています。
そのため、文脈によってははっきりと述べないとあいまいな意味になって違う解釈をしてしまうこともあります。
(1)Can you change these shoes?
この靴を変えてもらえますか?
(2)Can you change these shoes to a larger size?
この靴を大きいサイズに変更できますか?
(1)では、靴のサイズを変えるのか、色を変えるのか、もしくは新品と交換するのかわかりません。
サイズをあげてほしいことを明確に述べている(2)の方が相手に伝わりやすいですよね。
(3)I changed pants with my brother.
兄とズボンを変えました。
(4)I changed my pants with my brother after spilling juice on them.
ジュースをこぼした後、兄と一緒にズボンを履き替えました。
(3)では、兄と一緒に着替えたのか、兄のズボンと交換したのかがあいまいですね。
そのため、(4)のように詳細な情報を付け足すことでわかりやすくなります。
”exchange”を使った例文
”exchange”には、名詞と動詞の2つの用法があります。
「交換」や「引き換え」といったコアの意味は共通していますが、それぞれの使い方を例文で確認していきましょう。
名詞として使われる”exchange”
「交換」「引き換え」を表す場合
訳)わたしは今年、フランス交換留学に行きます。
訳)1週間の宿泊と引き換えにキッチンの塗装を申し出ました。
「やり取り」や「口論」を表す場合
訳)わたしたちは、友好的に意見交換をしました。
訳)両グループの間では、激しい言い争いが続いてきました。
動詞として使われる”exchange”
「交換する」「取り替える」を表現する場合
訳)試合後に、両チームがシャツを交換するのが伝統です。
訳)店舗では、領収書なしでの商品の交換は承っていません。
「言葉や挨拶を交わす」を表現する場合
訳)わたしたちは、セッションを始める前にささやかな挨拶を交わしました。
訳)彼は、彼女と軽く微笑みを交わしてからエレベーターに乗り込みました。
”exchange”と似た意味を持つ英語
「交換」や「引き換え」、「取引」など、”exchange”と似た意味を持つ類義語を例文と一緒に紹介します。
interchange
”interchange”は、「交換する」や「交流する」といった意味を持つ英語です。
物事が互いに交換される状況、または人々が情報や意見を交換することを指して使われます。
交通の文脈においては、「交差点」や「ジャンクション」を表すこともあります。
訳)会議は、アイディアと情報の交換の場を提供します。
trade
”trade”は、「商業」「貿易」「交換」を表す英語です。
動詞、形容詞、名詞としての用法があり、おもに商品やサービスの取引に関する意味を持っています。
動詞:「取引する」「貿易する」「交換する」
形容詞:「貿易の」「商業の」「業界の」
名詞:「商業」「貿易」「顧客」「職業」「交換」など
「貿易」や「取引」を頻繁に行う相手という意味から派生して、「お得意様」や「ひいきの相手」を表すスラングとして使用されることもあります。
訳)ビジネスにおいて大事なのは、信用のおける相手と取引することです。
switch
”switch”は、名詞と動詞の2つの用法を持つ英語です。
カタカナでも「スイッチ」「スイッチする」のように使いますが、日本語の意味合いとほぼ同じで、機器のスイッチや物事の切り替え、転換、交換を指して使われます。
名詞:電気回路や通信回路の「スイッチ」「交換器」
動詞:状況や対象を「切り替える」「交換する」
訳)彼は、30分ですべてのケーブルのタグを交換しました。
swap
”swap”は、「同じ種類や価値のものと交換する」という意味の英語です。
ものや情報、サービスなどを交換することを指しており、2つのものが入れ替わる際によく使われます。
金融取引の文脈においては、「利息」や「通貨の交換」を表す場合もあります。
訳)知り合いの彫刻家は、自分の作品を有名なアーティストのデッサンと交換しています。
barter
”barter”は、金銭を介さない「物々交換」を意味する英語です。
通貨や金銭を介さずに、物品やサービスを直接交換する行為を指して使われます。
訳)市場や通りは、物々交換に来た人々でごった返していました。
まとめ
普段の生活でよく耳にするものの、使い分けに迷いがちな英単語”exchange”について、正しい意味と使い方、類似表現を紹介しました。
”exchange”は、「交換する」という意味の英単語で、ものを何か別のものと交換するプロセス、または交換の行為そのものを指して使われます。
ものや人、情報や意見などを交換する以外にも、金融市場における取引場所や両替所といった意味を表す場合もあります。
身近な英語ほど、間違った認識で使っていたということは意外と多いものです。
英語学習が軌道に乗ってきたときほど、「英語では本当はどのように表されるの?」「日本語の意味とギャップはないかな?」と立ち止まり、基礎から見直してみることが大切ですね。
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