compensationという単語は、少し難しそうなイメージがあるかもしれません。実際に、日常会話で使うこともそれほどないでしょう。しかし、海外旅行へ行くことがあったり、外国で仕事をするような場合には知っておくとよい表現です。

そこで記事では、英語compensationの意味、使い方、同義語などを紹介します。

compensationの意味

compensationの意味

compensationは名詞で「賠償」「補償」や「報酬・給与」といった意味を持っています。したがって、金銭に関わる言葉と言えそうですね。BBC Newsの検索ボックスに”compensation”と入れると、かなり多くの関連記事が出てきます。compensationのイメージを理解するためにも、ぜひサーチしてみてください。

compensation

さっそくですが、compensationを以下のように分け語源をみてみます。
com-ともに・一緒に + pendere 計る・吊るす

天秤にかけるように、2つの重さのバランスをとるというニュアンスになります。
例えば、損害を被った場合に、それに対して支払われるお金が補償、補償金ですが、これをcompensationが表します。損害を与えた側、こうむった側を補償金でバランスを取るという取り方ができます。
ちなみに、カタカナ語の発音はコンペンセイションのように発します。

Aさん
I’ve received £1,500 in compensation for the car accident.
訳)私は自動車事故の賠償金として、1,500ポンドを受け取りました。

この例文では事故に遭った人がお金を受け取ったことをin compensationが表現しています。補償金は紛失または破損したときでも、事故に遭ってしまったなどでもその事実が問題であり、引き換えにもらうものです。そして、自動車事故があったために賠償金を受け取ったように、その原因を述べる際は前置詞for(〜に対する)を使います。

コンペンセーションの意味

さて、日本語でもカタカナで「コンペンセーション」と言うことがあります。この意味は、英語compensationからきています。

コンペンセーションの意味

compensationを使う際は少しかたいものになり、ビジネスや公式なシーンで覚えるべき表現になります。
例えば、上の例文で出てきたin compensation forで「〜の補償として」receive compensation forで「補償金を受け取る」claim compensationで「補償を請求する」compensation costであれば「補償費用」になります。また、労災保険はcompensation insuranceで表現します。

海外旅行保険の補償

ここで、少し身近な話をしましょう。
海外へ行く際には海外旅行保険へ加入します。この保険によって、万が一旅行中にケガや病気になったり、持ち物の盗難や破損などが起こったときに補償を受けることができます。このときの補償もcompensationです。

Aさん
You had better buy travel insurance before your trip abroad, as you can get compensation if anything goes wrong.
訳)何かあった場合に補償が受けられるので、海外旅行前には旅行保険に加入しておくとよいでしょう。
Aさん
My brother claimed compensation from the travel insurance company for the flight delay to Paris.
訳)兄はパリ行きの飛行機遅延の補償を旅行保険会社に請求しました。

compensationが少し身近な表現になってきたでしょうか?

compensationの意味 – ビジネス

compensationの意味 - ビジネス

続けて、ビジネスにおけるcompensationを紹介します。

ビジネスシーンのcompensation

Aさん
The company will have to spend some money on legal fees if they decide to sue the vendor for compensation.
訳)会社が事業者に賠償を求める訴訟を起こすことに決めた場合、訴訟費用として幾らかの費用を費やす必要がある。

また、BBCニュースでも取り上げらている英国郵便局スキャンダルを知っていますか?不当な有罪判決を受けたとcompensation関連のニュースが多く出ています。この原因は、富士通が納入したホライゾンの欠陥と言われています。多くの皆さんがニュースを読んだのではないでしょうか?

報酬の英語 – ビジネス

さて、ビジネスのシーンでcompensationが使われるもう一つの意味が「報酬」です。

報酬のcompensation

報酬や給与といえばsalaryに親しみがあります。しかし、compensationの2つの重さのバランスをとるというニュアンスを思い出してください。労働の対価として支払われるのが報酬であり、だからこそcompensationが使われます。

Aさん
I don’t think our annual compensation is high enough.
訳)私たちの年棒は十分高いとは考えない。
Aさん
The company doesn’t pay compensation for overtime.
訳)会社は残業手当を支払いません。

salaryがフルタイムの年収を指すことが多い一方、compensationは報酬というニュアンスが強くなります。fixed compensationで「固定給料」、overtime compensationで「残業手当」など応用して使われます。

Compensationとreparationの違い

ところで、reparationというcompensationに似た単語があります。reparation(リパレイション)の意味は「償い・補償」であり、compensationとどのような違いがあるのでしょう。

Compensationとreparationの違い

2つの大きな違いに、非を認めた上で補償をしているか否かがあります。
compensationは必ずしも過失や責任を認めた補償とは限りません。損害に対する補填が主な目的となります。

reparationは過失や責任を認めた上で行われる賠償を指し、過去の不正行為や過失に対する償いという意味合いが強いです。

例えば、敗戦国が支払う賠償金にはreparationが使われます。

The company had to give a financial compensation to those who suffered ill health.

The company had to make a financial reparation to those who suffered ill health.

どちらも訳は「その会社は健康被害を受けた人々に経済的補償をしなければならなかった」ではありますが、前者は非を認めているとは限らず、後者は過失を認めている、ということになります。動詞giveとmakeの違いにもご注意ください。

Compensateの同義語2選

compensationの関連用語に、動詞compensate(補償する・埋め合わせをする)があります。compensateは被った損失、苦しみや傷害のための報いであり、通常は金銭になります。
そこで、compensateの同義語を2つ紹介します。

repay

英語初心者にも馴染みのある単語payの関連用語にrepayがあります。repayには「返す・報いる」などの意味があり、compensateの同義語になります。

Aさん
I’ve finally repaid my mortgage!
訳)とうとう住宅ローンを返済できました!

mortgageはhome loanとも呼ばれますが、イギリスでは圧倒的にmortgageが使われています。

requite

requite(リクァイト)にも「返済する」の意味があります。
恩返しだったり、愛情への反応といったニュアンスも持ち、returnと似た言葉です。

Aさん
I decided to requite her with a lovely dinner and a bunch of roses.
訳)私は、素敵なディナーと薔薇の花束で彼女にお返しすることにしました。

女性に何か嬉しいことをしてもらい、埋め合わせをするためのお返しをすることにしたけれど、これはデートともとれますね。

まとめ

compensationには「賠償」「補償」「報酬・給与」という意味があり、2つの異なるものを天秤にかけるように重さのバランスをとるというニュアンスがあります。
この機会に、普段触れる機会があまりない単語をひとつ増やしましょう。