先日、ロンドンで電車に乗っていたところ、向かいの席に座った男性が「ハックショ~ン!」と威勢のいいくしゃみを2回したんですね。ところが、英語ではハクションとは言わないのです。皆さんは、ハクションに当たる英語のオノマトペをご存知ですか?

この記事では、オノマトペ「ハクション」の英語表現”Achoo”を解説します。”Achoo”の読み方や使い方に加えて、くしゃみの単語、英語圏でくしゃみをした人に言うお決まりフレーズも紹介しましょう。

オノマトペ「ハクション」の由来

まず、くしゃみを表す擬音語オノマトペがなぜ「ハクション」と言われるようになったのか、以下みていきます。

くしゃみとは?

当たり前すぎかもしれませんが、くしゃみが出るのはウイルスや細菌、または小さなゴミなどの異物が肺に入るのを防ぐための反応です。

くしゃみの音を真似したオノマトペ

「ハクション」はくしゃみを表現する日本語のオノマトペです。咳払いや鼻を吸い込むときの音を真似した言葉だと言われています。

英語Achooで「ハクション」を表現

英語Achooで「ハクション」を表現

それでは、ここからは「ハクション」に当たるくしゃみの英語版オノマトペをみていきましょう。

「ハクション」はAchoo

実は世界にはハクションに代わるくしゃみの音を表す擬音があります。英語にももちろんその擬音が存在します。
「ハクション」は”Achoo”で表現することになります。

Aさん
Achoo is an onomatopoeic word.
訳)“Achoo”は擬音語です。
Aさん
Achoo is used to represent the sound of a sneeze.
訳)“Achoo”は、くしゃみの音を表すのに使われます。

例文から、“Achoo”がくしゃみに代わる言葉であること、オノマトペである擬音語を”onomatopoeic word”で表現することが分かります。他にも様々なオノマトペがありますので、このフレーズを覚えましょう。

Achooの語源

Achooという擬音が使われる国は、英語を母国語とする国々になります。例えば、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカといった国ですね。
ハクションと同様、“Achoo”もこれらの英語圏でくしゃみを表現する擬音として使われているのです。国や異なる言語によって、同じ音でも違う表現になる点が面白いですね。
ちなみに、Achooという言葉は18世紀ごろから使われるようになった比較的新しい擬音語です。

Achooの発音

昔、ブルース・リーの映画「燃えよドラゴン」で彼が「アチョー!」という有名な掛け声とともにカンフーの動きをとっているシーンが多くありました。“Achoo”の発音も「アチョー!」なのでしょうか?!

Achooの発音は/əˈtʃuː/、カタカナ語では「アチュー」または「アチュゥ」のような感じになります。ということで、アチョーではありませんでした(笑)ハックション!のように勢いよく使うアチューは、チューにアクセントを置いて発しましょう。
なお、イギリスとアメリカでAchooの発音に違いはほぼありません。

Achooの使い方

次に、実際Achooをどのように使うのか例文で紹介しましょう。Achooは、書き言葉としても話し言葉としても使用されるオノマトペです。

英会話に使える”Achoo”の例文を紹介

まずは、基本的な会話で使える例文を紹介します。

Aさん
Achoo! Excuse me.
訳)ハクション!失礼。
Aさん
Achoo! Sorry, I’m catching a cold.
訳)ハクション!ごめん、風邪を引いてしまってさ。
Aさん
Achoo! Sorry, I think I’m allergic to something in this room.
訳)ハクション!ごめん、この部屋の何かにアレルギーがあるみたいだわ。

ハクションを表す”achoo”は、風邪だけでなく、アレルギー反応で起こるくしゃみなどを一言で表現します。

Aさん
I was so embarrassed that the sound of my achoo echoed during the meeting.
訳)会議中、私のハクションという音が反響してめちゃ恥ずかしかったです。

しかし、止められないのがくしゃみというものです。礼儀として「失礼しました」と一言添えれば良いでしょう。

くしゃみの単語”sneeze”

くしゃみの単語”sneeze”

ここまで、ハクションに代わる英語のオノマトペが”Achoo”であることが分かりました。ここでは、くしゃみ本来の英語を例文とともに紹介しましょう。

くしゃみの英語”sneeze”

Achooはくしゃみのオノマトペですね。そして、そもそものくしゃみの英語は”sneeze”になります。カタカナ語の発音はスニーズで、動詞として「くしゃみをする」、名詞で「くしゃみ」の意味を持っています。

Aさん
Achoo is used to represent the sound of a sneeze.
訳)“Achoo”は、くしゃみの音を表すのに使われます。

”sneeze”の使い方

”sneeze”も覚えると日常会話に使えて便利な単語です。ここで、使い方を例文でみてみましょう。
”sneeze”の動詞活用は、sneeze-sneezed-sneezedです。

Aさん
Put your hand to the mouth when you sneeze.
訳)くしゃみをするときは、手を口に当てなさい。
Aさん
I’m struggling to concentrate on my English study because I keep sneezing and blowing my nose due to hay-fever.
訳)花粉症のせいでくしゃみが止まらずずっと鼻をかんでいて、英語の勉強に集中できません。

「鼻をかむ」というblowing my noseも、くしゃみと合わせて覚えたいフレーズですね。

Aさん
He sneezed loudly and made me jump.
訳)彼は大きなくしゃみをしたので、私はびっくりしました。

”sneeze”の語源は「突然に発生する」という意味を持つ古英語の”sneosan”です。確かに、くしゃみは急に起こりますね。なお、made (someone) jumpは「〜を飛び上がらせた」から、驚いたときにネイティブがよく使うフレーです。例文では、彼のくしゃみでびっくりした状態を表しています。

トリビア!くしゃみをした相手に使う英語表現

トリビア!くしゃみをした相手に使う英語表現

外国人が「ハックション!」とくしゃみをしたときに、英語圏では周りにいる人が取るべきリアクションがあります。最後に、その文化を紹介しましょう。

”Bless you!”の意味

“Achoo”ときたら”Bless you!”と周りが言うのが英語圏の文化です。直訳では「神のご加護を!」になりますが、意味を深く考えずとも、この一言をくしゃみをした本人に声がけします。”Bless you!”と言う文化は、中世のヨーロッパで、くしゃみが病気の前兆と考えられたため、無事を祈る意味で使われるようになりました。当時は、医学も今のように発達してしておらず、ペストなどが恐れられていました。

”Bless you!”の使い方

“Achoo”と”Bless you!”は、ポンポンとテンポの良いやり取りのような感じでやり取りされます。”Bless you”のカタカナ語の読み方は「ブレス・ユー」です。

Aさん
Achoo! Excuse me.
訳)ハクション!失礼。
Bさん
Bless you!
訳)ブレス・ユー!
Aさん
Thank you.
訳)ありがとう。

誰かがくしゃみをしたときに周りが言うフレーズが”Bless you”ですが、これは知っている人がハクション!としたときに限りません。公園で通りすがりの人、電車で乗り合わせた人など知らない人のくしゃみにも”Bless you”を言うことがあります。もちろん、自分がくしゃみをしたときにも”Bless you”と言われます。ということで、英語圏のくしゃみ関連の文化をひとつ学びました。

まとめ

本記事では、オノマトペ「ハクション」の英語表現”Achoo”を解説しました。英語圏で使用される”Achoo”、そして周りの人がくしゃみをしたときの声がけフレーズ”Bless you!”を、この機会にぜひセットで覚えましょう。

ちなみに、先日の電車で向かいの席にいた男性のくしゃみですが、筆者には「ハックショ~ン!」にも「アチュー!」にも聞こえました。