TOEICで高得点を狙うには、やみくもに問題を解くだけでは不十分です。各パートの特徴を理解し、限られた時間で正確に解答する「解き方のコツ」を身につけることが重要です。このページでは、スコアアップにつながる実践的なテクニックと戦略的なアプローチを紹介します。
TOEICの時間配分

TOEIC L&Rテストで高得点を狙うなら時間配分がとても重要です。TOEICは問題数が非常に多く、「時間が全然足りなかった」「時間内に最後の問題まで行けなかった」などの声をよく聞きます。パートごとの特徴を理解し、効率よく解くための時間配分を意識しながら臨みましょう。
リスニング:100問 / 45分
Part 1:写真描写 6問 約5分(1問30秒ペース)
Part 2:応答問題 25問 約10分(1問25秒ペース)
Part 3:会話 39問 約15分(1問23秒ペース)
Part 4:説明文 30問 約15分(1問30秒ペース)
リーディング:100問 / 75分
Part 5:短文穴埋め 30問 15分(1問30秒)
Part 6:長文穴埋め 16問 10分(1問37秒)
Part 7:読解(シングルパッセージ/ダブルパッセージ/トリプルパッセージ)54問 50分(1問55秒)
Part5、Part6は時間厳守で解き、時間のかかるPart7の読解問題になるべくたくさん時間を回すよう気をつけましょう。
TOEICリスニングパートの解き方

リスニングの問題形式と解き方のコツをパートごとに見ていきましょう。
Part 1
Part 1は写真描写問題です。写真を見て、正しく描写されている選択肢を選びます。
コツ1:聞こえた単語が「写真にあるかないか」で判断する
聞き取った単語が写真の中にあるかないかを瞬時に判断します。
コツ2:アクション動詞に集中する
写真の人が何をしているか、先に目で確認しておきます。よく出題される動詞はcarrying, holding, reaching for, adjusting, pointing at, leaning, boarding などです。
コツ3:写真のポイントとなる箇所をよく見ておく
人物の手の動き、顔の向き、テーブルの上に置かれているもの、乗り物の位置や向きなど、解答を選ぶときにポイントとなる箇所を確認しておきます。
Part 2:応答問題(短い質問・応答)
1文の質問や発言を聞いて、選択肢から最も自然な返答を選ぶ問題です。
コツ1:疑問詞を確実に聞き取る
When…?、Where…?、How much…?、Why…?など、疑問詞をしっかり聞き取り、必要な答えのタイプを想定しておきます。
コツ2:Yes/No質問にYes/Noで答えるとは限らない
例えば、”Did you finish the report?”という質問が流れ、”Not yet, but I’m working on it.”を選ばせるような設問がよく出ます。選択肢の中に”Yes, I did.”、”No, I didn’t.”のどちらもないパターンです。焦らず解答を選びましょう。
コツ3:聞こえた単語に即反応しない
“Where is the meeting?“の質問が流れ、選択肢 “I think they’re reading the agenda.“を選んで不正解となるパターンがあります。”meeting“と”reading“の音が似ているため、つい選んでしまうという罠です。音をしっかり聞き取る必要があります。
Part 3
Part 3は会話問題です。2人〜3人の会話を聞いて、会話の内容に関する質問に答える問題です。
コツ1:問題文のキーワードを先読みする
問題文のキーワードを先に読んでおき、何に注意して会話を聞けばいいかを把握しておきます。ただし、問題文を全部きちんと読んでいると聞き逃してしまいますので気をつけましょう。
コツ2:会話の流れを状況、問題、解決の3つで把握する
会話の内容は、状況、問題(悩みごと)、解決(提案、依頼など)の3つのパートから成り立っていることが多いです。この3つのポイントを意識して聞いてみましょう。
コツ3:数字、固有名詞はメモする
日付、金額、時刻などの数字、商品名、人名などの固有名詞は聞き取ったら必ずメモしておきます。設問の答えに直結します。
Part 4
Part 4 は説明文・ナレーション問題です。1人の話(アナウンス・案内・プレゼン)を聞いて答えます。よく出るのは空港、駅などでのアナウンス、ラジオ広告、会社案内、講演やスピーチです。
コツ1:冒頭の1文を聞き逃さない
冒頭の1文で、どんなシーンかが把握でき、解答の方向性をつかむことができます。集中して聞いてください。
コツ2:問題文3つの順番どおりに音声が聞こえてくることを意識する
音声の流れと設問の流れがほぼ同じなので、1問目の答えは序盤に、2問目の答えは中盤に、3問目の答えは最後のほうに出てきます。これを把握しているだけで心の余裕ができます。
コツ3:キーワードをに集中して聞く
時刻、場所、金額、手順、目的などのキーワードを聞き逃さないことが大事です。聞き取っ情報は必ずメモしておきましょう。
TOEICリーディングパートの解き方

リーディングの問題形式と解き方をpartごとに見ていきましょう。
Part5
Part5は短文の穴埋め問題が30問出題されます。数は多いですが、Part5を短時間で解くことがPart6、Part7につながってきます。
コツ1:問題タイプを判別する
品詞問題、語彙問題、文法問題(時制、比較など)、コロケーション(語の相性)問題、の4つの問題タイプをぱっと把握し、何を問われているかを読み取ります。全文を読まなくても解けることが多いです。
コツ2:品詞問題は空欄の前後だけ見て解答する
“The manager gave a brief ___ before the presentation.“という設問では、“a brief”の後には名詞が来ると分かります。選択肢の中から名詞を選べばOKとなり、問題を解くスピードが一気に上がります。
コツ3:語彙問題は言い換えを意識する
TOEICでは難解な単語よりも、ビジネスシーンで使われる基本的な単語の言い換えがよく出ます。require = need、ensure = make sure、conduct = carry outなどです。過去問などを解いていくうちに慣れてきます。
Part6
Part6は長文の穴埋め問題が16問出題されます。出題される英文はメールや手紙の文面や、求人広告などさまざまな内容で約 120〜180語ほどの長さです。英文の中に空欄が3つあり、それぞれ選択肢の中から適切な語、一文を選ぶ問題です。
コツ1:一文を挿入する問題では前後の論理だけを確認する
挿入文の前後の文を読み、挿入文が追加情報、対比、結論のどれにあたるかを推測するだけで、選択肢から正答を選ぶことができます。
コツ2:語句選択はPart5と同じルールで解く
品詞、文法、語彙のどのパターンかによって、正答を選ぶことができます。
コツ3:文章全体はざっくり主題を把握できればOK
全文をきちんと読む必要はありません。メール、広告、通知、のどれかを把握するだけでも十分です。時間をかけすぎないように気をつけましょう。
Part7
Part7は①シングルパッセージ、②ダブルパッセージ、③トリプルパッセージの3パターンで出題されます。それぞれの設問形式、問題数を確認しておきましょう。
シングルパッセージ
1つの文章を読んで、設問に答える形式です。
文章例:社内メール、お知らせ・掲示、広告・求人情報、新聞記事・報告書など。
設問数:約 10文書出題され、1文書につき2~4問前後。全29問ほど。
ダブルパッセージ
2つの関連する文章(例:メールのやり取りなど)を読んで答える形式です。
設問数:約2セット。各セット5問前後で合計10問ほど。2つの文書間の関係や情報照合が問われます。
例:社員Aから社員Bへのメール+返信メール、注文書+領収書、案内文+そのイベントに関する記事
トリプルパッセージ
3つの関連する文章をまとめて読む形式で、TOEIC 2016年以降の改訂版から追加された新形式です。3つの文章の合計単語数は400〜550語とかなりボリュームがあり、読み解くのに最も時間がかかる設問です。
設問数:約3セット。各セット5問前後で、合計15問ほど。
例:会社の案内メール+会議議事録+イベントポスター、顧客とのメール+社内チャット+報告メモスキル 内容
コツ1:設問を先に読み、文章は後で読む
文章のボリュームが大きいので、先に設問を読んでおくと時間のロスを抑えられます。
コツ2:固有名詞と数字の印をつけながら読む
日付、人名、会社名、地名、金額などの情報は質問の半分以上に直結します。印をつけながら読み、後からすぐに確認できるようにしておきましょう。
コツ3:推論問題は本文の中から根拠を探す
TOEICで出題される推論は、本文の2~3行以内に根拠があることがほとんどです。根拠を探して解答を選びましょう。
まとめ
TOEICで高得点を狙うには、TOEICの問題形式を知り、効率的な解き方を覚えて着実に得点につなげるスキルが必要となります。初心者の方にはTOEIC L&Rの初心者向けの問題を集めた「TOEIC® L&Rトレーニング」もおすすめ。ぜひ活用してみてくださいね。
