皆さんは「フリーランス保護法」という言葉を英語でどう表現するかご存じでしょうか。

働き方の多様化が進む日本において、2025年は個人で働く人々を守るための法整備が大きく注目された年でした。

こちらの記事では、国の定めた正式な英語名称や、具体的に何が変わったのか、そして新語・流行語大賞ノミネート語30に選ばれた背景まで、信頼できる公式情報を交えてわかりやすく整理していきます。

フリーランス保護法を英語でどう言う?

「違い」は英語で何て言う?ニュアンスと使い分けをしっかり解説

法律用語ですので、まずは「正式名称」と「通称」の2パターンをしっかりと押さえておきましょう。

正式名称は”Act on Ensuring Proper Transactions Involving Specified Entrusted Business Operators”

日本の法令翻訳における正式な英語名称は、“Act on Ensuring Proper Transactions Involving Specified Entrusted Business Operators”となります。

非常に長いですが、分解すると以下のようになります。

  • Act on Ensuring Proper Transactions:取引の適正化を確保に関する法律
  • Involving:~に係る
  • Specified Entrusted Business Operators:特定受託事業者(=従業員を雇わない個人事業主や1人法人を指す法律上の定義。一般的な「フリーランス」と完全には同じではない)

法律の世界では「フリーランス」という曖昧な言葉を使わず、「特定受託事業者」と定義しているため、英語もこのような表現になります。契約書や公的な文書ではこちらを使う必要があります。

日常会話なら”Freelance Protection Act”

しかし、ニュースや日常会話でこの長い名称を使うのは現実的ではありません。一般的には、目的を端的に表した“Freelance Protection Act”(フリーランス保護法)や“New Freelance Act”(フリーランス新法)という表現で十分に伝わります。

Bさん
海外のニュースメディアでも、日本のこの法律を紹介する際はわかりやすさを優先して”Freelance Protection Law”と表記するケースが多いです。

参考:What is the Freelance Act, Japan’s first-ever law to help freelancers?

英文でさくっと説明してみよう

この法律の影響について外国人と話すシーンを想定してみましょう。

Aさん
The new “Freelance Protection Act” requires written contracts.

訳)新しい「フリーランス保護法」では、書面での契約が求められています。

そもそもフリーランス保護法とは?

「差分(さぶん)」を英語で何て言う?ITやビジネスの現場で使える用語を解説!

英語表現がわかったところで、そもそもなぜこの法律ができ、2025年にこれほど話題になったのか、裏付けを確認しておきましょう。

2024年11月施行の新しい法律

この法律は、2024年11月1日に施行されました。それまで立場が弱かったフリーランス(特定受託事業者)を守るために、発注事業者に対して主に以下の義務が課されました。

  • 業務委託内容の明示(書面やメールでの契約)
  • 報酬の支払期日を60日以内に設定
  • ハラスメント対策体制の整備

「口約束」や「買いたたき」の防止

これまで日本で横行していた「口頭での発注(言った言わないのトラブル)」や「不当に長い支払いサイト」が明確に違法となりました。

公正取引委員会や厚生労働省も周知に力を入れており、2025年は企業側・フリーランス側双方がこの法律への対応に追われた一年となったのです。

詳しくは以下の公式ページでご覧ください。

参考:公正取引委員会 より

フリーランス保護法を外国人に説明する

訪日外国人や海外の友人にこの話題を説明する場合、日本におけるフリーランスの立場がこれまでどうだったか(弱かったこと)を前提に伝えるとスムーズです。

①フリーランスを守る新しい法律だと伝える

まずは、法律の目的を伝えます。

Aさん
A new law was enforced to protect freelancers from unfair trade practices.

訳)不公平な取引慣行からフリーランスを守るために、新しい法律が施行されました。

②「契約の明文化」が義務になったと補足する

次に、具体的に何が変わったのかを説明します。

Aさん
Companies are now required to provide written contracts and pay within 60 days.

訳)企業は今、書面での契約書の発行と、60日以内の支払いが義務付けられています。

フリーランスという働き方が話題になったのもここ10年の話になるので歴史も浅く、日本では「今まで口約束(Oral contract)でもまかり通っていた」という背景を伝えると、なぜこの法律が画期的なのかが伝わるでしょう。

フリーランス保護法が流行語大賞に?

7月5日が流行語大賞に?

さて、そんな働き方改革の決定版とも言える「フリーランス保護法」ですが、2025年の流行語大賞の候補にも入りました。

なぜこのタイミングで話題になっているのか、詳しく見ていきましょう。

『2025 新語・流行語大賞』のノミネート語30に選定

年末に近づくにつれ多くの方が気になるであろう「流行語大賞」というイベントが今年も実施予定です。詳細は以下の通りとなります。

自由国民社がその年1年間に発生した「ことば」のなかから選考し、その「ことば」に関わった人物、団体を顕彰するとされている賞。2004年(平成16年)からは「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」に、2025年からは「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」に改称している。

ウィキペディアより引用

2025年度からは引用の通り名称が変わり「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」という名前になりました。より詳しく知りたい方は、以下公式HPをご覧ください。

「フリーランス保護法」も候補入り

今回記事に取り上げている「フリーランス保護法」についても、流行語大賞の候補30選に選ばれました。

候補の中では「No.23」の位置づけとなっていますが、順位が23位というわけではありません。

副業解禁やギグワークの普及により、フリーランス人口が急増する中で、多くの働く人々にとって「自分事」となる法律だったことが選出の理由です。

「戦後80年(昭和100年)」や「緊急銃猟」なども候補に

「フリーランス保護法」のほかにも、今年は色々な言葉がノミネートされています。

歴史的な節目を表す「戦後80年(昭和100年)」や、クマ被害への対策強化で話題となった「緊急銃猟」

また、アイドルソングから生まれた「チョコミントよりもあ・な・た」など、社会制度からエンタメまで幅広いジャンルの言葉が並んでいます。

現在候補に挙がっている30個はまさにサラダボウルのような状態であり、何が大賞を取るのか最後まで目が離せません。

まとめ

こちらの記事では「フリーランス保護法」の英語表現や、法律の施行背景、そして流行語大賞ノミネートの話題までご紹介しました。最後に一緒に復習していきましょう。

  • 正式名称は”Act on Ensuring Proper Transactions Involving Specified Entrusted Business Operators”
  • 日常会話では”Freelance Protection Act”でOK
  • 書面契約や60日以内の支払いが義務化された
  • 2025年の新語・流行語大賞ノミネート語30にも選ばれた

これから「流行語大賞」やトップ10の発表も行われることになりますので、ぜひ「フリーランス保護法」がどこまでランクインするのか、一緒に情報を追いかけていきましょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。