「小学校のころはあんなに楽しそうだったのに、中学に入った途端、英語がしんどそう……」

これは中1保護者同士で、必ずと言っていいほど出る、切実な“あるある”です。わが家ももれなく経験しました。

小学生のころは、英語の歌やゲームをそれなりに楽しんでいた息子。ところが、中学に入って最初の定期テストが近づいたある日、机につっぷしてこう呟きました。

「……1文字も書けない」

「……ていうか、amとかdoとか、何が違うの?」

親のわたしは「え?英語、得意だったよね?そんなところからわからないの?」とちょっとしたパニック状態に。

よくよく調べてみると、つまずく原因は本人の努力不足のせいだけではないということがわかってきました。

そこで、今回はわが家の体験や気づきを交えながら、中学英語がスムーズにスタートできる「小学生のうちに整えておきたいこと」をご紹介します。保護者の皆さまが、少しでも安心して一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

この記事の3行まとめ(AI要約)

  • 中学英語でつまずく原因の多くは、「聞いて分かる」と「書いて正しく答えられる」の音と文字のギャップにある。
  • 小学生のうちにアルファベットを書く習慣・基本単語のスペル・be動詞と一般動詞の違いを整理しておくと、中学英語の理解がスムーズになる。
  • 特に重要なのは音読+予習→授業→復習の学習サイクルを習慣化することで、中学入学後の英語学習の安定につながる。

今の中学英語は「読み書きできて当たり前」から始まる

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中学英語について調べてみて痛感したのは、「スタート地点」の高さ

親世代の記憶では、中1の1学期といえば「A, B, C……」から丁寧に、時間をかけて始まった印象があります。しかし、2021年の学習指導要領改訂以降、その光景は一変しました。

現在の中学の教科書は、小学校で学んだ語彙をふまえて、入学直後から本格的な文法学習へと進んでいきます。その語彙数はなんと600〜700語程度

だからといって、小学校のうちにその単語をすべて「書ける」状態まで仕上げている子ばかりではありません。ここで起きやすいのが、「聞いたら分かるのに、文字にすると止まる」というギャップです。

「耳で聞いて意味がわかる」状態と、「テストで正確に書ける」状態には大きな溝があります。この「音と文字のズレ」を埋めないまま難易度の上がった授業を受けることが、中1でつまずく大きな原因になります。

中学英語をスムーズにスタートするには、このギャップをどのようにして埋めるかがポイントです。

そこで、わが家でやってみて特に効果を感じたものをランキング形式でご紹介します。

まずは気になるものを1つだけでも選んで、試していただけるとうれしいです。

第5位:アルファベットを「書く」ことに慣れる

英検準2級リーディング勉強法

今の小学校の英語は「聞く・話す」が中心。そのため、いざ中学のノートに「英単語を正しく書きなさい」と言われても、手が思うように動かず、綴りを覚えるどころではなかったようです。

そこで、最初に取り組んだのは、「日本語をローマ字で書く練習」です。もちろん、英語のスペルとローマ字のルールは別物です。でも、まずは自分の名前や国語の教科書に載っている短い詩など、意味のわかっている日本語をアルファベットで書く練習をしました。

特にわが家の息子は左利きということもあり、「b d」「pq」といった形の似た文字の向きに、最初はかなり苦戦していました。そのため、いきなり難しい英単語に挑むのではなく、まずはローマ字練習を通じて、これらの文字を「迷わず、止まらずに書ける」まで指先に覚え込ませることに集中しました。

この「アルファベットを苦労せずスラスラ書ける」という土台があったおかげで、中学に入ってから、より複雑な英単語のスペル学習にも、本人が落ち着いて向き合えるようになったと感じています。

第4位:身の回りの名詞を増やす

語彙は、英語の“基礎体力”のようなものです。文房具や教科名など、身の回りのものを英語で言えるようになるだけで、授業で出てくる英文がぐっと読みやすくなります。

とはいえ、単語って「覚えて」と言われて覚えられるものでもないですよね。そこで、わが家では親子で一緒に面白がりながら増やすのを意識しました。

たとえば、教科名の “gymnastics(体育)” が出てきたときのことです。綴りは長いし、発音も難しい。どうしようかと思いましたが、試しにGoogle翻訳の発音機能を使ってみました。スロー再生で音を何度も確認して、「ジィムナァスティックス」と親子で一緒に発音を練習。ちょっと奇妙なスロー音声が息子の好奇心を刺激したようで、笑いながらなんとかマスターしました。

そして後日、“gymnasium(体育館)” という単語が出てきたとき。息子は「あ、これあれの仲間?」と、驚くほどすんなり受け入れていました。おそらく“暗記”ではなく、あの時の「苦戦して覚えた体験」とセットで頭に残っていたのだと思います。

第3位:基本単語を「正しく書く」習慣を身につける

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曜日、数字、月。これらは中1の最初で必ず出てきますが、綴りが意外と複雑です。“February”や、“Wednesday”など、今では書けなくなってしまったという方も多いのではないでしょうか。

最近の傾向なのか、息子は「書いて覚える」という地道な作業にあまり積極的ではなく、見て覚えようとするタイプ。でも、中学のテストは「1文字スペルが違うだけでバツ」というシビアな世界です。そこで、あえて「しっかり書くこと」をすすめました。

特に意識したのは、次の2つのポイントです。

  • 「音」と「綴り」を一致させる
  • 1日3語、5分以内で!

ただ書くのではなく、「声に出しながら書く」ことで耳馴染みのある音と綴りを結びつけました。さらに、長く続けられるように「1日3語、5分以内」とハードルはできるだけ低くする。この2つで、書くことへの抵抗感が少なくなり、正しいスペルが身につきました。

「意味はわかるけれど、書けない」という中学での最初の壁。ここを小学生のうちに少しずつ削っておくだけで、定期テスト前の余裕がまったく変わってきます。

第2位:be動詞と一般動詞の「使い分け」を整理する

中学英語で、最初にして最大の山場となるのが「動詞の使い分け」です。ここがあいまいだと、否定文や疑問文を作るときに“I am play soccer.”や“Do you are happy?”といった、be動詞と一般動詞が混ざったミスが多発してしまいます。

これは英語そのものが嫌いになる大きな原因の一つ。ルールが混乱したまま授業が進むと、本人も「どうしてダメなのか」がわからなくなってしまいます。そこで、難しい文法用語を並べるのではなく、以下のシンプルな「仕分け」を意識させました。

  • be動詞:「主語 =(イコール)後ろの状態」のときに使う(例:I am a student.)
  • 一般動詞:動きや動作(〜する)を表すときに使う(例:I play tennis.)

迷ったときは日本語に立ち返り、「これは『=』かな? それとも『動作』かな?」と考える癖をつける。この基本的な整理を小学生のうちに「なんとなく」でも理解しておくだけで、中学での文法の混乱は劇的に減りました。

第1位:音読 +「学習サイクル」を習慣化する

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結局のところ、中学で最も差がつくのは英語の知識量そのものではなく、「自分で机に向かえるかどうか」だと思います。

小学校の英語は「その場での体験」がメインですが、中学からは「予習→授業→復習」という一連の流れをこなしていく必要があります。この「型」を身につけておくことが、中学英語をスムーズにスタートするための鍵になります。

ただ、そんなにむずかしいことをするのではありません。以下の3ステップを意識するだけです。

  • 予習

教科書の英文を声に出して読んでみる

読めない単語や意味がわからない単語をチェック

  • 授業

予習でわからなかったことをしっかり確認する

「自分がどこをわかっていないか」がわかっている状態なので、受け身ではなく積極的に授業に参加できる

  • 復習

授業で習ったことを、その日のうちに見直す(短時間でOK)

このタイミングで単語の書き取りなどを行うと、定着率が格段に上がる

この「自分で準備して、授業に臨み、振り返る」というサイクルが回せるようになると、親がいちいち「勉強しなさい」と言わなくても、自然と自学自習の姿勢が育っていきます。ただ、そうは言っても、これを家庭で定着させるのはなかなか至難の業。完璧を目指そうとせず、長い目で時間をかけて習慣にしていければ十分だと思います。わが家でも、うまくいかない日はたくさんありますし、できない日だって当然あります。まずは「できたらラッキー」くらいの気持ちで、親子で細く長く続けていくのが、一番のコツかもしれません。

まとめ

中学英語への備えは、決して難しい内容を先取りすることではありません。

「文字に慣れる」「音と意味を結びつける」「学習の型を作る」。この3つの土台を、小学生のうちに無理のない範囲で整えておくこと。それが結果として、中学3年間の学習をぐっと楽にしてくれます。

まずは1日5分、お子さんと一緒に「これ、英語で何て言うんだろうね?」と笑いながら調べてみることから始めてみませんか。その小さな一歩が、中学英語でスムーズなスタートを切る、一番の近道になるはずです。