「ねえ、英語っていつまでやるの?」
長女からそう聞かれた時、私は返事に詰まってしまいました。
英会話レッスンも続けていましたし、課題にも取り組んでいました。
それでも、以前のような前向きさは感じられません。
当時の私は、「続けていればそのうち成果も見えてくる」と考えていました。
しかし実際には、長女は少しずつ自信を失いかけていたのです。
今振り返ると、彼女に必要だったのは、一度立ち止まって自分の気持ちに耳を傾けることだったのだと思います。
今回は、間違いを怖がる長女と向き合う中で、わが家が何度も立ち止まりながら考えた「自信を作る練習設計」についてお話しします。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 間違いを怖がる子どもには、練習量を増やすことよりも気持ちに寄り添うことが大切で、自信を失っているサインを見逃さないことが重要。
- 英語学習を続ける目的を家族で見つめ直し、必要に応じて休む選択をすることも前向きな学習設計のひとつ。
- 先生に褒められる・授業で答えられるなどの小さな成功体験の積み重ねが、「自分にもできる」という自信につながっていく。
間違いを怖れ、自信をなくしかけていた

長女はもともと慎重な性格です。
学校でも、発言する前にしっかり考えるタイプです。
英語学習でもその傾向は同じでした。
わからないことがあると不安になる。
自信が持てないと、なかなか言葉が出てこない。
間違えるくらいなら話さないほうがよいと思っているようにも見えました。
そして、その気持ちは学年が上がるにつれて少しずつ大きくなっていったように思います。
レッスンの時間になってもタブレットの前に座らず、別のアプリを開いていることがありました。
「何時からやるの?」
と声をかけても返事がなく、なかなか動き出せません。
ある日には、
「英語、好きじゃなくなっているかも」
とぽつりと言ったこともありました。
習い事の発表で海外の方から声をかけられた時も、返事は小さな「Yes」だけでした。
笑顔で応じようとはしていたものの、その先の会話を続けようとはしません。
帰宅後に理由を聞いてみると、
「いや、別に英語できないし」
「変なこと言っちゃったら恥ずかしいじゃん」
と話してくれました。
その言葉を聞いた時、私はようやく気づきました。
長女が間違いを怖がる性格だということは、以前からわかっていました。
それでも私は、英語学習を続けることばかりに目が向き、長女が感じているプレッシャーの大きさには気づけていなかったのです。
何度も家族会議をした
長女から「英語っていつまでやるの?」と聞かれた後、わが家では何度も家族会議をしました。
一度話し合って結論が出たわけではありません。
数か月にわたって、何度も同じ話題を繰り返しました。
オンライン英会話は続けるべきなのか。
思い切って休んだほうがよいのか。
レッスン頻度を減らしてみるのはどうか。
長女の様子を見るたびに、答えがわからなくなりました。
正直なところ、親の私たちも迷っていました。
「ここでやめたらもったいない気もする」
「でも、このまま続けることが本当に長女のためなのだろうか」
そんな話を何度もしました。
英語学習について話し合っていたはずなのに、気づけば毎回同じところに戻ってきます。
それは、「なぜ英語を続けているのか」ということでした。
英語を続ける理由を見つめ直した

家族で話し合うたびに、わが家は同じ問いに戻りました。
「そもそも、なぜ英語を続けているのだろう?」
答えを探して話し合っているうちに、自然とそんな話になったのです。
長女には将来の夢があります。
作家になりたい。
その夢をかなえるために、今できる準備を少しずつ進めています。
長女は中学受験を予定していません。
だからこそ、公立中学校へ進学した後も困らない学力を身につけてほしいという思いがあります。
特に英語は、小学校と中学校で学習内容が大きく変わる教科のひとつです。
そのため、長女にとって英語学習は「英語が得意になること」だけが目的ではありません。
将来の選択肢を広げるための土台づくりという意味もあります。
話し合いを重ねる中で、私たちはその原点を何度も確認しました。
ただ一方で、「将来のため」という言葉だけで今の苦しさを我慢させたいわけでもありませんでした。
長女の未来を思って始めたことなのに、その過程で自信を失ってしまっては本末転倒です。
英語を続ける理由を見つめ直したことで、私たちは「続けるか、やめるか」という二択ではなく、「長女に合った形は何か」を考えるようになりました。
思い切って立ち止まってみた
そこで、わが家は少し立ち止まることにしました。
オンライン英会話の頻度を減らし、英検対策も約2か月ほどお休みしました。
以前の私なら不安になっていたと思います。
「今休んだら遅れてしまうのではないか」
「せっかく積み上げたものがなくなるのではないか」
そんな気持ちもありました。
けれど実際に休んでみると、意外なことに親子でほっとしたのです。
長女だけではありません。
私自身も肩の力が抜けたような感覚がありました。
英語学習は続けなければならないもの。
毎日積み重ねなければならないもの。
いつの間にか、そんな思い込みに縛られていたのかもしれません。
そして、「しんどくなったらまた休めばいい」と思えるようになったことで、気持ちがずいぶん楽になりました。
学校での小さな成功体験が自信につながった

お休み期間を経てしばらくすると、
「今日、英語の授業で先生に褒められた」
「ALTの先生が”Wonderful!”って言ってくれた」
長女の口から、少しずつ学校での英語の話が出てくるようになりました。
学校では、長女は一人の小学生として授業に参加しています。
そこには友達と一緒に学びながら、自分ができたことを素直に喜べる環境がありました。
ペーパーテストやスピーチテストでも、良い結果が出るようになりました。
そうした経験が積み重なるうちに、長女の表情にも変化が見られるようになったのです。
今振り返ると、長女を勇気づけたのは特別な成功体験ではありませんでした。
先生に褒められたこと。
授業で自分だけが答えられたこと。
友達から「なんでわかるの?」と聞かれたこと。
そんな小さな積み重ねが、「私にもできるかもしれない」という気持ちにつながっていったのだと思います。
少しずつ、自ら前を向き始めた
「久しぶりにやってみようかな」
そんな言葉とともに、お休み期間を経た長女は少しずつレッスンに戻るようになりました。
そして小学5年生の後半。
長女が面白そうに話してくれたことがあります。
友達から、
「どこの塾行っているの?」
と聞かれたそうです。
長女は笑いながら、
「行ってないのに!ただ家でレッスンやって、ママにしごかれてるだけなのに!」
と言っていました。
正直なところ、思い当たる節がまったくないわけではありません。
英検対策の時期などは、親子でかなり真剣に取り組んできました。
ただ、私は少し驚きました。
以前の長女なら、自分の英語についてそんなふうに笑いながら話すことはなかったからです。
自信満々というわけではなかったでしょう。
それでも、自分なりに積み重ねてきたことを少しずつ認められるようになってきたのだと感じました。
今振り返ると、長女の変化は家庭学習だけが生み出したものではなかったように思います。
親が知らない場所での経験が、少しずつ長女の自信を育ててくれていたのかもしれません。
子どもは、親が思っている以上にさまざまな場所で成長しています。
だからこそ、親がすべてを背負わなくてもよいのだと思います。
まとめ:自信の作り方はひとつではない
悩んでいた当時の私は、「どうすれば長女に自信がつくのか」という答えを探していました。
けれど今思うのは、自信の作り方に決まった正解はないということです。
もっと練習したほうがよい時もあります。
反対に、思い切って休んだほうがよい時もあります。
子どもは成長とともに変化します。
だから親も、「これが正解だ」と決めつけず、その時々の子どもの様子を見ながら考えていけばよいのだと思います。
わが家も今なお試行錯誤の途中です。
それでも、親子で悩み、一緒に立ち止まり、一緒に考えた時間は決して無駄ではありませんでした。
今回改めて感じたのは、子どもは親が思っている以上に、自分の力で成長していくということです。
遠回りに見える経験も、苦しかった時期も、きっと子どもの力になります。
そして、親子で歩んだ試行錯誤の時間そのものが、将来の自信につながっていくのではないでしょうか。
