「英語は読めるが、話そうとすると黙ってしまう。」
長女がオンライン英会話を始めてしばらく経ち、レッスンも順調だと思っていた頃のことです。
英文は読めていて、質問の意味もわかっています。
教材は進んでいるのに、先生から質問されると答えられません。
英語は「インプット」と「アウトプット」の両方が大切だとわかっていたものの、読む力が付いてきたら自然と話せるようになると思っていた私は、その壁に少し戸惑いました。
今回は、わが家で実際に経験した「読めるのに話せなかった時期」と、そこから少しずつ話せるようになっていった取り組みをご紹介します。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 「読める」と「話せる」は別の力:教材を理解し英文を読めていても、自分の言葉として話そうとすると言葉が出てこないことがある。
- 足りなかったのは知識ではなく「話す経験」:間違えることへの不安から話す機会が減り、使える表現が増えないという悪循環に陥っていた。
- 「話せた」という成功体験を積み重ねることが効果的:いつものフレーズを決めて繰り返し使う、レベルを一段階下げるなど、小さな成功体験の積み重ねが自信につながる。
読めるのに言葉が出てこなかった

長女は小学3年生の後半からオンライン英会話を始めました。
英検の勉強も並行していたため、読む力は少しずつ伸びていました。
教材の英文も以前よりスムーズに読めるようになり、「順調に進んでいる」と感じていました。
ところが、オンライン英会話では思うように話せません。
例えば、
“What did you do today?”
という質問。
「ダンスに行った」と言いたいだけなのに、なかなか言葉になりません。
教材では見たことがある表現で、意味も理解しています。
それでも、自分の言葉として答えようとすると、黙ってしまうのです。
「読むことはできるのに、パッと口から出てこない」
当時の長女には、そんなもどかしい時期がありました。
足りなかったのは話す経験だった
当時の私は、「もっと単語を覚えれば話せるようになる」と考えていました。
しかし、長女の様子を見ているうちに、足りなかったのは知識ではなく、「話す経験」だったことに気づきました。
長女はもともと慎重な性格で、「間違えたくない」という気持ちが強いタイプです。
そのため、一度言葉に詰まると、「正しく言えなかったらどうしよう」という不安から、ますます話せなくなってしまいました。
今振り返ると、話せなかった理由は大きく3つあります。
- 英語で会話する経験が圧倒的に少なかったこと
- 実際に使ったことがある表現が少なかったこと
- 間違えることへの不安が強かったこと
英語を使う経験が少ないため、自信が持てない。
自信がないため、「間違えたらどうしよう」という気持ちが先に立ち、話すことをためらってしまう。
そして話す機会が減ることで、使ったことのある表現もなかなか増えません。
つまり、「話す経験」が足りないことで、話せない状態が続いてしまっていたのです。
だからこそ必要だったのは、新しい単語や難しい表現を増やすことではなく、まず「話せた」という経験を少しずつ積み重ねることでした。
「話せた」を増やすことにした

長女が話せない原因は、英語力が足りないことではありませんでした。
足りなかったのは、「話せた」という成功体験です。
そこで私は、学習の進め方を見直すことにしました。
目標を「上達すること」から「話せた経験を一つずつ増やすこと」へ切り替えました。
難しい英語に挑戦するよりも、「これなら言える」という表現を確実に口にできることを優先したのです。
「いつものフレーズ」を決めた
まず取り組んだのは、レッスンや家庭で繰り返し使う「いつものフレーズ」を決めることでした。
例えば、
I like ~.
I can ~.
I went to ~.
I played ~.
など、レッスンでも日常生活でも繰り返し使えるフレーズです。
最初の頃は、「もっといろいろな表現を覚えた方が、話せるようになるはず」と考えていました。
でも、長女の様子を見ていると、どうやら必要だったのは新しい表現を増やすことではなかったようです。
まず必要だったのは、「このフレーズなら言える」という安心感でした。
そこで、レッスンでも家庭でも、まずは決めたフレーズを繰り返し使うことを意識しました。
「同じ表現ばかりでいいのかな…」と少し不安に思ったこともあります。
それでも、「英語で答えられた」「先生に伝わった」という経験を積み重ねることを優先しました。
すると、レッスン中に迷わず口を開ける場面が少しずつ増え、長女にも「これなら話せる」という自信が育っていったように感じています。
同じ表現を何度も繰り返した
フレーズを決めたあとは、レッスンでも家庭でも、できるだけ同じ表現を繰り返し使うようにしました。
「今日はこの言い方で答えてみよう。」
そんなふうに、一つのフレーズを何度も使うことを意識しました。
当初は、同じ言い方ばかりで大丈夫なのかな、と私自身も少し気になっていました。
とはいえ実際に続けていると、長女が考え込む時間が少しずつ短くなってきたのです。
言葉を探して黙ってしまうことが多かったのですが、何度も使ってきた表現は、自然と口から出るようになっていきました。
レッスンでも、先生の質問にすぐ答えられる場面が少しずつ増え、「英語で話す」ということへの抵抗感も和らいでいったように感じます。
今振り返ると、新しい表現を増やすことよりも、「知っている表現を何度も使うこと」が、長女には合っていたのだと思います。
「できる」レベルまでコースを戻した
もう一つ見直したのが、レッスンの難易度です。
私自身、「せっかく続けているのだから、どんどん先へ進んだ方が英語力も伸びるはず」と思っていました。
実際に長女も教材は理解できていたので、そのままコースを進めていました。
でも、レッスン中の様子を見ていると、理解できることと、自信を持って話せることは別だったのです。
先生から質問されると、考え込んでしまう場面が少なくありませんでした。
そこで思い切って、一段階やさしいコースに戻すことにしました。
正直、「遠回りになってしまうかも…」と迷いもありました。
それでも実際に始めてみると、長女の様子は少しずつ変わっていきました。
知っている単語や表現が増えたことで、先生の質問にも落ち着いて答えられる場面が増えていったのです。
レッスン後には、
「今日は結構話せた!」
「先生が”Great!”って言ってくれた!」
と嬉しそうに報告してくれることが増えました。
英語が上達したこと以上に、「伝わったこと」を素直に喜んでいる姿が印象的でした。
間違えないことではなく、「伝わるって楽しい」と感じられるようになったことが、長女にとって一番大きな変化だったように思います。
話すことへの気持ちが変わっていった

「話せた」「先生に伝わった」という小さな成功体験を積み重ねるうちに、長女の話すことへの気持ちは少しずつ変わっていきました。
今では、レッスン中の受け答えにも自信が感じられるようになりました。
先生からの質問にもテンポよく答え、以前よりも大きな声でやり取りをしています。
わからないことがあっても慌てて黙るのではなく、「もう一度お願いします」と伝えたり、知っている言葉で言い換えたりしながら、自分なりに会話を続けようとする姿も見られるようになりました。
もちろん、ここまでの変化は一朝一夕で生まれたものではありません。
レッスンのたびに「話せた」「伝わった」という経験を積み重ねてきたことが、今の長女の自信につながっているのだと思います。
今思えば、読むことから話すことへの橋渡しになったのは、特別な勉強法ではありませんでした。
「話してみよう」と思える気持ちを少しずつ育て、「話せた」という経験を積み重ねてきたことが、今の長女につながっていると感じています。
まとめ|「読める」を「話せる」につなげるために
長女の様子を見ていて実感したのは、「読める」と「話せる」の間には、小さな橋渡しが必要だということです。
その橋渡しになったのは、新しい単語や難しい表現を増やすことではありませんでした。
「これなら言える」というフレーズを繰り返し使い、「話せた」「伝わった」という経験を一つずつ積み重ねていくことでした。
もし、お子さんが「読めるのに話せない」と感じているなら、焦って新しい表現を増やす必要はありません。
まずは、お子さんが「これなら言える」と思えるフレーズを一つ見つけて、何度も使ってみてはいかがでしょうか。
一見遠回りに思えるかもしれませんが、その小さな積み重ねが、「読める」を「話せる」へつなぐ、確かな一歩になるはずです。
