「透明」って「透明感のある肌」とか「無色透明」「透明性のある政治」など、何となくピュアなイメージがありますよね。
また「透明人間」や「半透明」など、「透明」を使った表現は数多く存在します。
ではそれらを英語ではどう表現するのでしょうか。
この記事では「透明」という言葉にスポットを当てていろいろな表現を学びましょう。
「透明」は英語で何て言う?
「透明」は英語では「transparent 」になります。例えばガラスなどのように、透きとおって向こう側が見えることをいいます。
水が透きとおっているというような表現や、企業や政治などの「透明性」を表現する場合にも「transparent」が使われます。
広い意味で「透明」を表現できる単語なので覚えておくと良いですね。例文を紹介します。
The Melbourne Skydeck is very popular with tourists for its transparent glass ceiling, walls, and floor.
訳)メルボルンスカイデッキは天井、壁、床が透明なガラス張りになっており観光客に大変人気です
透明といえばメルボルンスカイデッキ。
不透明なガラスキューブに乗り込むと徐々にタワーの外に向かってせり出していき、タワーの外側までせり出すと同時にガラスが透明になり、目の前に絶景が広がります。
ぜひ一度体験してみたいですね!
また「transparent」を人を形容する際に使うと、ちょっと意味合いが変わります。
My mother’s personality is transparent.
訳)私の母の性格は透明です
日本語では「透明」は「ピュアで混じりけのないもの」というイメージがありますが、上記の場合はそういう意味ではありません。
「考えていることが丸わかりで、かくしごとができない性格」という感じで「ほめている」わけでもなさそうです。
一方、会社組織などを表現する場合には良い意味をあらわすこともあります。
His company’s accounting is transparent.
訳)彼の会社の会計は透明性が高い
このように、隠し事がない、後ろ暗いところがない、という意味で「transparent」を使います。
「透明」を表す他の単語は?
「clear」も「透明」を表す時に使われる単語ですが、表現するものによって使い分ける必要があります。
例えば水が透明であることを表す場合、「transparent」と「clear」のどちらでも使えますが「不純物がない」「邪魔するものがない」と言いたい時は「clear」の方が適切です。
また、自然の中の透明な空気感を表す場合もよく「clear」を使いますね。
The mountain air was clear.
訳)山の空気は澄みわたっていた
このように不純物がない、空気感を表したいといった場合には「clear」が使われます。
また、上記の場合にこのように表現することもあります。
The mountain air was crystal clear.
訳)山の空気は澄みわたっていた
この表現はよく使いますので覚えておくと良いですよ。crystal(水晶)は無色で透明度が高いものを表す単語なので、「clear」の前につけると透明の度合いを強調できます。
また「crystal clear」には「透明、透きとおった」という意味の他に「分かりやすい、明瞭」という意味もあります。
His lessons are always crystal clear.
訳)彼のレッスンはいつも明瞭で分かりやすい
授業でちょっと分からない部分が残ってモヤモヤすることってありませんか?そういうモヤモヤが残らず気持ちよく理解できる、というイメージで使います。
海外ドラマでもよく「Is that clear?((私の言っていることが)分かりましたか?)」と聞かれて「Crystal clear.」または省略して「Crystal.」と答える場面がありますよ。
これは「ばっちりです」「はっきりわかりました」という意味で使われているんですね。
また、「透明感のある声」ってありますよね。まるで「天使の歌声」と称賛したい時はその名のとおり「angelic」を使います。「clear voice」でもOKです。
His angelic voice uplifted the hearts of all in the audience.
訳)彼の天使のような(透明感のある)歌声は会場中の人々の心を高揚させました
透明・半透明・不透明を英語にするとどうなる?
「透明」についていろいろと紹介しましたが「半透明」や「不透明」は英語でどう表現するのでしょうか。
こちらも例文を交えながら紹介しますので「透明」と合わせて覚えておきましょう。
半透明を英語で表現すると?スケルトン?
「半透明」は英語で「translucent」といいます。カタカナにすると「トランスルーセント」になります。
ここで「あれ?聞いたことあるわ」と思われた方は美容関係にも興味がある方か、デザイン関係に興味がある方ではないでしょうか。
美容関連でいえば、「透明感のある仕上がりの粉おしろい」やルージュにもこの言葉を使った商品があります。
向こう側が見えるほど透明ではないけれども光は通す、透明感がある、ということですね。
またデザイン関連では近年注目されている「光を活かすプラスティック素材を使った製品」に「トランスルーセント」という言葉が使われています。
The garbage bags are translucent so that the contents cannot be seen.
訳)ゴミ袋は中身が見えないように半透明になっています
This folder is translucent.
訳)このフォルダーは半透明です
これは中身が見えにくいタイプのクリアファイルがイメージできますね。
日本では半透明のものを「スケルトン」といったりしますが、英語でいうところの「skeleton」は「透明」ではなく「骨組」や「骨格」を表す言葉です。そもそもガラス張りのビルなど、中の骨組みが見えるものを「スケルトン」と呼び始めたもので「透明」という意味はありません。
The baby looked just like a skeleton.
訳)その赤ん坊は骸骨のように痩せていた
不透明を表す英語表現は?
次に「不透明」を確認してみましょう。英語では「opaque」といい、「transparent」の反意語として使われます。
Shirahone hot spring is famous as an opaque hot spring which includes many constituents .
訳)白骨温泉は多くの成分を含む濁り湯で有名です
また人などに対して使う場合「transparent」が「わかりやすい性格」であったのと同じで「opaque」は「分かりにくい」「不可解」という表現に使われます。
The country is a notoriously opaque country without a free press.
訳)その国は報道の自由がなく不透明な(実態が分からない、不可解)国として知られています
なんとなく「得体のしれない」イメージを受けますね。
その他の「透明」を表す英語表現
さて、「透明」に関連した言葉はまだまだあります。ここでは「透明」にまつわるさまざまな英語表現やフレーズを紹介します。
see-through(シースルー)(透ける)
「see-through」は日本語と同じ「透ける」という意味で使えます。他の単語に置き換えるなら「sheer」も同じ意味になります。
She wore a see-through blouse.
訳)彼女はシースルーのブラウスを着ていた
colorless and transparent(無色透明)
When you think of colorless and transparent, what comes to mind?
訳)無色透明といえば何を思い浮かべる?
Well, I guess water.
訳)そうだなあ、水かな?
According to your horoscope you are a very kind-hearted person.
訳)占いによると、水を思い浮かべたあなたは心優しい人です。
invisible man(透明人間)
Have you ever seen the invisible man?
訳)透明人間って見たことある?
Even though he’s invisible?
訳)見えないのに?
まとめ
「透明」にまつわるあれこれを英語で表現したらどうなるのか、いろいろと紹介しました。
日本語では「透明」にはピュアな良いイメージしかありませんが、英語になると少し微妙なニュアンスになるというのも面白いですね。
人の魅力という点では「transparent」な人と「opaque」な人、どちらが魅力的ですか?
「opaque」な人を選んだ方は苦労するかもしれませんね。