日本語でも嫌いなものを「ちょっと苦手」とやんわりと表現することがありますよね。また、自分が上手にできないものについて「〇〇するのは苦手」と言うこともあるでしょう。
では、その「苦手」という表現、英語でも出てくるでしょうか。

上記で挙げた2つの「苦手」を分解してみると、「好きではない」「上手にできない」と別々の意味であることがわかるでしょう。今回は「苦手」という言葉にあたる英語表現を、この2つの意味にわけてご紹介していきます。
日常会話の中で非常に使える言葉ですから、ぜひ覚えて使ってみてくださいね。

好きではないことを表す「苦手」の英語表現

日本語でも「嫌い」とは言わずに「苦手」とやんわりと表すことがあるのと同様に、英語でも「嫌い」というストレートな強い表現よりも「苦手」「好きではない」というやんわりとした表現をよく使います。
むしろ「嫌い」とストレートに言ってしまうとちょっとキツく感じてしまうこともあるので、やんわりと「苦手」と伝える表現を覚えておくことは重要です。

「苦手」にあたる英語表現は多数ありますが、今回は覚えやすく、ネイティブが日常会話でよく使うものを厳選してご紹介します。

I don’t really like …

ひとまずこれさえ覚えておけば良いというくらい、よく使える言葉です。

「I don’t like it.」を直訳すると「好きではない」になりますが、これだとちょっとストレートでキツい表現に取られることもあります。「I don’t like it.」は「嫌い」くらいのニュアンスで捉えておいた方が良いでしょう。

そんなやや強めな表現を和らげるのに使うのが「really」という言葉です。
「Really」を、「not」の後に付けることで、表現を和らげることができます。ただし、間違えて「I really don’t like it.」と「not」の前につけると、嫌いであることを強調してしまうので、「really」を置く位置には気をつけましょう。

下記に「I don’t really like 〇〇」を使った会話例文を置いておきます。

Aさん
Would you like a cup of coffee?
コーヒーはいかがですか?

Bさん
Thanks, but I’m fine. I don’t really like coffee, actually.
ありがとう。でも大丈夫です。実はコーヒーがあまり好きではないんです。

I’m not a big fan of…

何かを苦手・好きではないという場合、「I’m not a big fan of…」という表現もよく使われます。こちらは「あまり好きではない」というニュアンスにぴったりです。

「苦手」と言い切ることすらストレートすぎるように感じる時に使うと良いでしょう。文中に「not a big fan」とbigを使っていることで、「ファンではない」ではなく、「そんなにファンではない=あまり好きではない」と、少しやわらげる表現になっています。

こちらも例文からニュアンスを感じ取ってみましょう。

Aさん
We’re going to the science museum this weekend. Would you like to join us?
私たち、今週末は科学博物館に行く予定なんだ。一緒にどう?

Bさん
Hmm…I think I’m gonna skip it. I’m not a big fan of science.
うーん、行かないでおこうかな。科学はあんまり好きじゃないんだ。

It’s not really my thing.

上記の「I’m not a big fan of」と同様、こちらもやんわりと誘いを断ったり苦手であることを伝えたりするのに使える表現です。

単に「It’s not my thing.(私の趣味/興味の範囲ではない・私の得意分野ではない)」と言うこともできますが、こちらも「not」のあとに「really」をつけることで、表現を和らげています。

例文をみてみましょう。

Aさん
I love karaoke! We should go together sometime.
カラオケが大好きなの!今度一緒に行こうよ。

Bさん
Well, we can go together but I will just listen to you. Singing is not really my thing.
まあ、一緒に行ってもいいけど、僕は聞くだけにしとくよ。歌はあまり好きじゃないんだ。

こちらの日本語訳では、「あまり好きではない」としていますが、「It’s not really my thing.」は「〇〇するのが苦手」という次の項からご紹介する表現としても使えます。

上記の例文では「歌うことが嫌い」なのか「歌うことが不得手」なのかは明確にはなっていませんが、どちらにしても歌うこと自体が自分の興味の範囲外であることを表しています。
これが「my thing」という表現の面白いところであり、特徴でもあります。

It’s not my cup of tea.

最後にご紹介するこの言葉は、イギリス英語の代表的な表現です。
何かが好きではないことを言い表したり、お誘いを断るときにやんわりとした表現を使いたいときにうってつけ。ただし、アメリカ英語の話者にはしっかりニュアンスが伝わらないかもしれないので、イギリス英語圏限定で使うようにしましょう。

意味や使い方としては、上記の「It’s not really my thing.」とほとんど同じです。例文を置いておくので、こちらも参考にしてください。

Aさん
Do you like musical? I have free tickets for “The Phantom of the Opera”, if you like it.
ミュージカルは好き?もし好きなら、「オペラ座の怪人」の無料チケットがあるんだけど。

Bさん
Thanks a lot for the offer but musical isn’t my cup of tea, actually.
ありがとう。でもミュージカルは苦手なんです。

「〇〇するのが苦手」と言う英語表現

「〇〇するのが苦手」と言う英語表現

次はスポーツや楽器演奏など「〇〇するのが苦手」という英語表現をご紹介します。
「好きではないことを表す「苦手」の英語表現」でご紹介したように、「It’s not really my thing.」はこちらの意味でも使えます。すでに上記でご紹介しているので、「It’s not really my thing.」は割愛しますが、そのほかのよく使える表現を解説していきます。

I’m not good at…

「〇〇するのが苦手」と言いたい場合に、とりあえずこれを使っておけば良いというほど、誰もがよく使う表現です。使い方はとてもシンプルで、「at」のあとに動名詞をくっつけることで、「〇〇するのが苦手」という表現になります。

例文をいくつか作成してみました。

Aさん
Are we really going to play tennis? I’m really not good at it.
本当にテニスをするの?私、テニスは本当に苦手なの。

Bさん
Don’t worry! I’m not good at playing tennis, either. I’m just good at keeping the score.
心配しないで!僕もテニスは苦手なんだ。ただ、スコアをつけるのが得意なだけだよ。

Aさん
Hmm…how about we play badminton instead?
うーん、バドミントンをするのはどう?

Bさん
Everyone else isn’t really good at that. They wouldn’t wanna play.
他のみんなはバドミントンがちょっと苦手だからね。やりたがらないだろうよ。

「really」をつける位置をあちこち変えてみましたが、ニュアンスの違いがわかるでしょうか。
「本当に苦手」な場合はreallyはnotの前、「ちょっと苦手」「あんまり得意ではない」と表現をやわらげたい場合は、reallyをnotの後に置きます。

It’s hard for me to…

「〇〇するのが苦手」という表現は、上記の「not good at」で十分ではありますが、「〇〇するのは私にとって難しい」という表現も「〇〇するのが苦手」に近い表現です。

こちらの表現も例文を使って覚えておくと、表現に幅が出るでしょう。

Aさん
It’s really hard for me to speak English.
英語を話すのは本当に難しいです。(本当に苦手です。)

Bさん
You just have to practice a lot! Don’t worry, you’ll get better at it very soon because you are very good at writing!
たくさん練習すればいいんだよ!大丈夫。君はライティングがとても上手だから、話すのもすぐに上手になるよ!

苦手なことはやんわりとした表現を使うのがベター

苦手なことはやんわりとした表現を使うのがベター

嫌いなもの苦手なものを言い表す時や、第三者について「〇〇するのが苦手」とコメントするときは、やんわりとした表現を使った方が良いでしょう。

欧米の人はストレートに物を言うと思っている人もいるかもしれませんが、それはNOなのにYESとは言わないだけのこと。欧米の人でも、相手を傷つけたり強すぎる表現にならないように、やんわりとした表現を使うことがほとんどです。
なので、ストレートに苦手を表現しすぎると、強すぎる表現になって相手を傷つけたり、失礼な人だと思われたりすることもあります

今回ご紹介した例文の中には、やんわりとした表現がいくつかありますから、ぜひ参考にしてくださいね。