今回のテーマは「もぐら」です。もぐらを英語で何と言うか、その語源なども踏まえつつ、詳しく確認していきます。

また、英語では「もぐら」と「ほくろ(黒子)」が同じ言葉で表されるので、記事の後半では、ほくろの英語での言い方についても取り上げます。

もぐらだけでなく、ほくろを英語で何と言うか気になっていた人にとっても有益な内容なので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「もぐら」は英語で何て言う?

「もぐら」は英語で何て言う?

地中で生活している「もぐら」は、英語では “mole” と言います。発音記号は【móʊl】で、カタカナだと「モール」と発音します。

もぐらは主に地中で生活する生き物で、日光に当たることがないため、目が退化して視力はほとんどありません。日本には大きく8種類のもぐらが生息しているといわれています。

Aさん
Moles are animals with degenerated eyes that live underground.
訳)もぐらは、目が退化していて地中に生息している動物です。

mole の語源には諸説ありますが、一説によると mold(土)から来ているとされています。土を掘り進めるから、molder ⇒ mole のように語形が変化したのでしょう。

なお、もぐらを表す英語表現には、もう1つ “Talpidae(タルピダエ)” という単語もあります。こちらの場合は、「もぐら科」などと生物学的に説明する際に使われることが多いので、日常生活で使う機会は少ないといえるでしょう。

Aさん
I think moles are cute.
訳)もぐらってかわいいよね。
Bさん
When you actually see them up close, they’re not that cute.
訳)実物をまじまじ見ると、そんなにかわいくないよ。

 

「土竜」ってどういう意味?

皆さんは「土竜」という漢字、読めますか? 実はこれ「もぐら」と読むんです。

どう見ても竜には見えないですが、もぐらをなぜ土竜と書くかというと、中国語から日本語になる際の誤用が元だといわれています。

なんでも、中国語ではもともとミミズを土竜と呼んでいて、日本語に言葉を取り入れる際、ミミズを捕食するもぐらを誤って土竜と表記し、そのままになってしまっているようです。

確かに、細長いミミズならば、土の中にいる竜と捉えられそうですね。

Aさん
Why is the word for moles in Japanese written with kanji as dragon in the ground?
訳)日本語でもぐらを「土の中の竜」と漢字で書くのはどうして?
Bさん
It seems like they mistakenly used a term related to earthworms.
訳)ミミズを表す言葉を間違えて使っちゃったらしいよ。

 

Aさん
I see. Earthworms do seem a bit dragon-like.
訳)なるほど。ミミズは確かに竜っぽいね。

モールスキンは「もぐらの皮」を着る?

英語には “moleskin(モールスキン)” という表現があります。こちらを直訳すると「もぐらの皮膚」となり、実際かつては、もぐらの毛皮を指して使われていたようです。

しかし、現代では本当の毛皮ではなく、もぐらの皮に似せて起毛させて作った綿の生地、およびそれを用いた洋服を指して使われるのが大半です。

moleskin の洋服は、もともとフランスなどで労働者用の衣服として使われていましたが、その丈夫さや滑らかな質感がファッション用途に人気を集め、現代では高級衣服の生地として知られています。

ちなみに、昔からあるノートの老舗ブランド “Moleskin(モレスキン)” も、その表紙に moleskin の生地を使用していたことが名前の由来になっているそうです。

Aさん
Clothing made of moleskin can be quite expensive.
訳)モールスキンでできた洋服は、結構良いお値段です。

もぐら=スパイ?

英語の mole には「スパイ」という意味もあります。

政府などの組織に潜り込む様子が、地中に潜伏するもぐらと似ていることから、比喩的にそう呼ばれ始めたようです。

日常生活で使うことはまずないですが、知っておくと映画などを見る際にセリフを理解しやすくなりますね。

Aさん
There’s a mole among us!
訳)この中にスパイがいる!
Bさん
Mole or not, there are only the two of us here.
訳)スパイも何も、僕たち2人しかいないじゃないか。

 

mole には「ほくろ(黒子)」の意味もある?

mole

ここまで、mole は「もぐら」を表すとご紹介してきましたが、mole にはそれ以外に「ほくろ(黒子)」という意味もあります。

もともと、生地の上の傷や斑点などを古英語で mal と呼び、それが転じて mole になったといわれています。つまり、もぐらの mole とほくろの mole は、偶然同じ綴りになっただけということですね。

ちなみに私は学生時代、顔の上にあるほくろが、もぐらが掘った穴のように見えるから mole と呼ぶ、と覚えていました。語源からするとまったくの見当違いなようですが、イメージとしては覚えやすいおすすめの覚え方です。

Aさん
I have a mole in the exact same spot on my face as my mother.
訳)私の顔には、お母さんの顔にあるのと全く同じ位置にほくろがあるんだ。
Bさん
Genetics are truly fascinating.
訳)遺伝って不思議だね。

 

ほくろ(黒子)を表すスラング表現

ほくろを表すスラングとして “beauty spot(イギリス英語)” や “beauty mark(アメリカ英語)” という言い方もよく使われます。

これは、女性の口元にあるほくろが魅力的に映ったことから生まれた表現です。

余談ですが、ある有名な女性歌手は、口元のほくろに憧れてペンで書いていたら、ある日それが本当のほくろになったそうです。魅力的なほくろに憧れている方は、試してみると良いかもしれませんね。

Aさん
The beauty spot near the actress’s mouth adds an accent to her own charm.
訳)その女優さんの口元のほくろは、彼女自身の魅力にアクセントを加えています。

「泣きぼくろ」は英語で何て言う?

日本では、目元にあるほくろを「泣きぼくろ」と言いますね。泣きぼくろはセクシーな印象で、魅力的な目元を作り出すとされています。しかし、この概念は日本特有のものであるようで、英語には同等の表現が存在しません。

それでも無理やり英語にするなら、「目の下にあるほくろ」と直訳して ”mole under the eye” となります。

もし外国人と泣きぼくろについて話す機会があったら、「泣いているほくろ(crying mole)」と誤解が生まれないよう、しっかり説明してあげましょう。

Aさん
In Japanese, when we say “crying mole,” we’re referring to the mole under the eye. It’s considered a sexy mole in Japan.
訳)日本語で「泣きぼくろ」って言う場合は、目の下にあるほくろを指しているよ。これは、日本でセクシーなほくろだと言われているんだ。
Bさん
I see. So, that’s also considered one of the beauty spots.
訳)なるほど。それもビューティースポットの1つってことだね。

 

「そばかす」は英語で何て言う?

ほくろと似ている「そばかす」は、英語だと “freckles(フレクルズ)” と言います。

そばかすはほくろと違い、たくさんある状態が自然なので、freckle と単数形にはせず、freckles と複数形で使うことが大半です。

Aさん
I’m bothered by the freckles on my face.
訳)顔にあるそばかすが悩みなんだ。
Bさん
It’s part of your uniqueness. I find it cute.
訳)それも含めて個性さ。かわいいと思うよ。

 

まとめ

今回は「もぐら」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

もぐらは英語で “mole” と言います。“Talpidae” という表現もありますが、こちらは主に学術的な場面で使うので、日常生活では十中八九 mole だけで問題ありません。

また、mole には他にも「ほくろ」の意味があり、普段の会話では、こちらの意味で使うことも多いでしょう。

今回ご紹介したことを参考に、英語で mole という単語を使いこなしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!