「姿勢がいいね。」「姿勢を見習いたい」など、人の姿勢を表現するときは、英語で何と言うのが正しいのでしょうか。

日本語の「姿勢」には、体の構え方だけでなく、物事に対する取り組み方や考え方といった意味があります。日本語では同じ言葉でも、英語にすると全く別の単語になるので注意が必要です。

今回は、そんな「姿勢」を意味する2種類の英語と、姿勢の良し悪しを表現する便利なフレーズを紹介します。

姿勢を意味する2つの英語

姿勢を意味する2つの英語

日本語の「姿勢」には、「体の構え方や向き」という意味のほかに、「心構えや態度」という2つの意味があります。

同じ言葉を文脈で判断している日本語に対して、英語はそれぞれ単語も意味も全く異なるので覚えておきましょう。

「体の構え方」を意味する「姿勢」を英語では”posture”、「心構えや態度」の意味で使う「姿勢」を”attitude”で表します。

posture

”posture”は、「物を書いているときや立っているときの姿勢が良い」と言うときに使われる「姿勢」を表す英語です。

辞書に載っている意味は、下記のようなものがあります。

  • 〔名〕(体の)姿勢、(ある特定の)姿勢、ポーズ、状態
  • 〔動〕(気取った)姿勢を取る、気取る、○○のふりをする、○○らしく気取る

例文で”posture”の正しい使い方を確認しましょう。

Aさん
My back hurts a lot because my posture is so bad.
訳)私、姿勢が悪いからすごく腰が痛いのよ。
Aさん
She always has good posture.
訳)彼女はいつも姿勢が良いね。
Aさん
Your posture is bad.
訳)あなたの姿勢は良くないわよ。
Aさん
I want to have good posture.
訳)姿勢を良くしたいんだ。

attitude

”attitude”は、「物事に対する姿勢が素晴らしい」と言うときに使われる「姿勢」を表す英語です。

”posture”に比べると日本語でも馴染みのある英語といえるでしょう。

バレエ用語に「アティチュード」という言葉がありますが、クラシックバレエの最も重要で美しいポーズのことで、英語の”attitude”に由来しているそうです。

辞書には下記のような意味が載っています。

  • 〔名〕(人、物事などに対する)態度、心構え、姿勢、気持ち、考え、意見

目に見えない気持ちや感情を表し、良し悪しはgoodとbadで表現されます。

「態度」を意味する英語には、代表的なもので”behavior”がありますが、これは”attitude”とは反対で、目に見える行動や振る舞いなどを指し、行儀の良し悪しを表す言葉としてよく使われています。

例文で”attitude”の正しい使い方を確認しましょう。

Aさん
The new employee who started yesterday is polite and has a good attitude.
訳)昨日から入った新入社員は、礼儀正しくて態度も良いよ。
Aさん
As far as I know, his colleagues need to change their attitude towards their work.
訳)私の知る限り、彼の同僚たちは仕事に対する姿勢を改めるべきだよ。
Aさん
Look at his attitude towards every vocal lesson.
訳)彼のボーカルレッスンに取り組む姿勢を見て欲しい。
Aさん
I admire her professional attitude towards his work.
訳)彼女のプロとして仕事に臨む姿勢は素敵だよ。

「良い姿勢」の英語表現

「良い姿勢」の英語表現

姿勢の良い人は、堂々としていて自信がみなぎっているように見えませんか。

姿勢が良いだけで、何事にも前向きに取り組む人だという好印象を与えてくれます。

背筋がピシッと伸びた「良い姿勢」を表現するいろいろなフレーズを例文で紹介していきます。

Aさん
It’s very important to sit up straight.
訳)良い姿勢で座ることはとても大切だよ。
Aさん
I don’t think it is easy for kindergartners to always have a good posture.
訳)幼稚園児にとって、いつも正しい姿勢でいるのって簡単なことではないのよ。
Aさん
Even when I try to be conscientious about sitting straight, I realize that I slouch over after a while.
訳)正しい姿勢を意識していても、しばらくすると背中が曲がってしまうんだ。
Aさん
It’s important to keep your core muscles strong to maintain a good posture.
訳)良い姿勢には、腹筋と背筋を鍛えるのが大事よ。

「悪い姿勢」の英語表現

「悪い姿勢」の英語表現

姿勢が悪いことを「猫背」と呼ぶことは多いですよね。

背中が丸まり前かがみになっていると、体のいろいろな部分に悪影響を及ぼします。

背中が曲がったままでいると骨盤が歪みやすくなります。歪んだ骨盤によって内臓の位置がずれると胃や腸などの消化器官がうまく働かず、代謝が悪くなってしまいます。

代謝が落ちると太りやすくなってしまうので、ダイエットでまず姿勢を正すことが大事といわれるのも納得ですね。

「猫背」や「前かがみ」、「脚組み」、また最近耳にすることが増えた「ストレートネック」を表現する「悪い姿勢」の英語を例文で確認していきましょう。

猫背

Aさん
You look round-shouldered. You better be careful of that.
訳)猫背になっているよ。気をつけて。
Aさん
Just sit up straight and stop slouching.
訳)背中が曲がっているわよ、ちゃんと座ってね。
Aさん
I find myself hunching over when talking to people.
訳)私はいつも猫背になりがちなの。

前かがみ

Aさん
You look like an old man.
訳)(前かがみになっていて)おじいさんみたいよ。

Aさん
If the sink is too low, you have to stoop.
訳)(キッチンの)シンクが低すぎると前かがみで姿勢が悪くなっちゃうよ。

脚組み

日本ではとても失礼な「脚を組む」姿勢ですが、英語圏ではリラックスした雰囲気で積極的に会話をしたいという気持ちを表現します。

なんの疑問も持たず当たり前に思える姿勢や振る舞いが、日本ならではの観点、発想からきていると知っておくことは大切です。

Aさん
I have a habit of crossing my legs unconsciously.
訳)私は無意識に脚を組んでしまう癖があるの。
Aさん
Don’t cross your legs while eating, it’s bad table manners.
訳)食事中に脚を組むのは良くないよ、行儀が悪いでしょ。

ストレートネック

現代病ともいわれる「ストレートネック」(スマホ首とも言う)は、完全な和製英語で、英語では”text neck”や”tech neck”と表現するのが正解です。

パソコンやスマートフォン、電子端末でテキストメッセージを入力することで、首が前に出ている状態を指しています。

Aさん
Agh! Look at this! His tech[text] neck! I didn’t know it was so bad.
訳)うわあ、これ見てよ。ストレートネック、こんなにひどいとはね。
Aさん
Be careful not to overuse your smartphone, you’ll end up with a tech[text] neck.
訳)スマホの使い過ぎに注意。ストレートネックになっちゃうよ。

まとめ

「姿勢」を意味する2種類の英語と、姿勢の良し悪しを表現する便利なフレーズを紹介しました。

「姿勢」の英語を使い分けるときは、体の構え方に”posture”を、心の構え方に”attitude”を使うと覚えておくと役立ちます。

パソコンやタブレット端末、スマホの利用が日常化している昨今、成人の約4割の人が、脊柱が曲がってくる変性側弯になっているともいわれています。

姿勢の悪さは、体だけでなく心理面にも悪影響を及ぼしかねません。

なんとなく気分が優れない、落ち込みやすいといった不調に気づいたときは、まずは姿勢を正してみるのがおすすめです。

良い姿勢、前向きな姿勢で楽しく英語学習に取り組んでいきましょう。