卒業論文や契約書など、論理的文章を書くときにはさまざまな接続詞が用いられます。接続詞があることで、文章や単語の関係を結び付けて文章の流れを整えることで、読み手に文章で伝えたいことを上手く伝えられるようになります。
接続詞は会話で使うことは少ないですが、文章を書くときには必須の表現なので、英語でもどのような表現があるのか覚えておくと便利です。
そこで今回は、「以上のことから」という接続詞に注目して英語表現を解説します。また、そのほかの接続詞の英語表現も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
「接続詞」は使えるとどのようなメリットがある?
接続詞は、日常のコミュニケーションや文章作成においてさまざまなシーンで使用されます。とくに論文や契約書などの論理的な文章を作成するときは、接続詞が欠かせません。
また、接続詞は論理的かつ簡潔に物事を読み手に伝えるために使われるので、プレゼンテーションや報告書などでも使われることがあるでしょう。近年では社会のグローバル化が進んでおり、会社で英語を使う機会が増えています。そのため、英語の接続詞を知っておくと、スムーズに仕事をするうえでも役立ちます。
とはいえ、ひとえに「接続詞」といってもさまざまな種類があり、言葉によって役割が異なります。
以下に、一般的な接続詞の種類と役割をまとめます。
- 順接の接続詞:だから・従って・ゆえに・それなら・そのため
- 逆接の接続詞:ところが・にもかかわらず・しかし・しかしながら・だが
- 並列の接続詞:また・そして・そのうえ・および・かつ・ならびに
- 対比の接続詞:一方・他方・反対に・それに対して・または・もしくは・あるいは
- 並べ立ての接続詞:最初に・はじめに・続いて・次に・第一に・ひとつめに
- 言い換えの接続詞:すなわち・つまり・要するに・いわば・むしろ
- 例示の接続詞:例えば・実際に・具体的に・なかでも・ことに
- 補足の接続詞:なぜなら・というのも・なお・ただし・ちなみに
- 転換の接続詞:ところで・さて・では
- 結論の接続詞:以上のことから・したがって・つまり・このように
このように、接続詞にはさまざまなバリエーションがあり、言葉によって役割が異なります。そのため、適切な接続詞の使い分けができれば、コミュニケーションを取るうえでさまざまなメリットがあるといえるでしょう。
今回は結論の接続詞にあたる「以上のことから」に注目して英語表現を見ていきましょう。
「以上のことから」は英語で?
論文やプレゼンテーションの最後の結論を述べるときに使われる「以上のことから」という接続詞は、英語で「Therefore」または「From the above」と言います。
The experiment yielded consistent results. Therefore, we can conclude that the hypothesis is valid.
実験は一貫した結果を示しました。以上のことから、私たちの仮説が妥当であると結論づけられます。
The data clearly shows a positive trend. From the above, we can infer that our marketing strategy has been effective.
データは明らかに好ましい傾向を示しています。以上から、私たちは私たちのマーケティング戦略が効果的であると推測することができます。
このような使い方をすることで、何を伝えたいのか完結に述べることができます。
「結論として」「それゆえに」などの結論を示す接続詞の英語表現
先に解説した通り、「以上のことから」は結論を示す接続詞として用いられます。しかし、結論を示す接続詞は複数あり、使い分けられると表現の幅が広がります。
たとえば、IELTSやTOEIC、TOEFLなどで必要な英語のエッセイでは、結論を述べる「Conclusion(結論)」のパートを書くときに、結論の接続詞が必要になります。
エッセイにおいて結論を述べるときは、導入文にあたる「Introduction」を要約するパターンと、エッセイの中身となる「Body」要約するパターンの2つに大別でき、それぞれ使われる接続詞が異なります。
では、「以上のことから」のほかにどのような結論の接続詞を英語表現があるのか、エッセイでの使い方を含めて見ていきましょう。
導入文にあたる「Introduction」を要約するパターンのエッセイで使える接続詞
エッセイでは、同じ文章をくり返すと減点対象となるため、導入文にあたるIntroductionで述べた内容を異なる表現を使ってRestate(言い直す)する必要があります。
そこで、結論を述べるパートであるConclusionを書き出すときは、以下のような接続詞を使うようにしましょう。結論の接続詞を入れることで、「ここからは結論を述べる」と読み手に伝えるサインにもなります。
接続詞 | 英語 |
結論として | in conclusion, |
要するに | in brief, |
概して(いえば) | all in all, |
要約すれば・要するに | to sum up, |
結論として、わたしたちは彼に賛成です。
要するに、研究結果は技術が私たちのコミュニケーション方法に革命を起こし、社会に数多くの利益をもたらしていることを示しています。
このような使い方ができますが、エッセイでは導入文とは異なる表現を用いることがポイントです。
エッセイの中身となる「Body」要約するパターンのエッセイで使える接続詞
エッセイの中身にあたるBodyを要約するときは、以下のような接続詞を使うとよいでしょう。
接続詞 | 英語 |
前述したように | as I mentioned above, |
それゆえに | ;therefore, |
あれこれ考えてみると | and also because〜 |
エッセイでは、結論を述べるときにBodyの部分で触れていない内容について新たに触れると減点対象となります。そのため、「前述したように:as I mentioned above,」などの接続詞を使うことで、Bodyで述べた内容を結論でスムーズに指し示すことができます。
前述したように、研究結果は喫煙と肺がんの発生との強い相関関係を示しています。
まとめ
今回は、「以上のことから」などの結論の接続詞について解説しました。
結論の接続詞は、論文やエッセイなどで述べた内容を最後にまとめるのに欠かせない表現です。「以上のことから」は英語で「Therefore」または「From the above」と言い、文章として使いこなせるように、実際に文章を書いてみるのがおすすめです。
また、結論を述べる接続詞は、さまざまなバリエーションがあるので、文章や内容によって使い分けできると表現の幅が広がります。
ぜひ今回の記事を参考に、「以上のことから」を始めとする結論の接続詞の英語表現をチェックしてみてください。