「合計」や「小計」、「累計」など……数を計算する際に出てくる言葉があるでしょう。
普段、なんとなく言葉を使い分けていますが、それぞれの言葉の意味を説明するとなると、むずかしく感じる方も多いのではないでしょうか。
また、英語で表現するとなると、さらに混乱しますよね。
しかし、近年ではビジネスシーンのグローバル化が進んでおり、社内のコミュニケーションツールも英語の変わりつつあります。
数や計算の表現が英語になってもスムーズに対応できると便利ですよね。
そこで今回は、計算する際に出てくる言葉の意味を解説した上で、それぞれの言葉の英語表現についても解説していきます。
計算に関係する言葉の意味の違い
レシートを見て家計簿をつけたり、Excelで表を計算したり……日常生活・ビジネスシーンの両方で数を計算する言葉が出てきますよね。
たとえば、小計・合計・総計・累計などの言葉は頻繁に使うでしょう。
普段、なんとなく使っていますが、意味を説明するとなるとむずかしいかもしれません。
ここでは、言葉ごとの意味の違いを解説していきます。
小計
まず、小計は一部の項目のみを集計した数字を指します。
「小」という文字が付いているので、限定的な範囲のみを集計しているニュアンスがわかりやすいでしょう。
たとえば、家計簿をつけている場合、毎月使った金額を計算すると想定します。
その場合、ひと月の出費の合計金額に対し、1日で使った金額が小計となります。
その他にも、会社で使った1年間の経費を計算する際、1か月の経費は小計にあたります。
つまり、全体の合計に対し、一部の項目を集計した数字が「小計」になるのです。
合計
合計は、小計同士を合算したもののことです。
また、2つ以上の数値を合わせて計算された数値も合計といいます。小計と他の数字を合算する場合などをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
総計
合計と混同されがちな言葉に「総計」があります。
日常生活で総計という言葉を使うことはあまりないかもしれません。
しかし、ビジネスシーンでは総計を使うシーンがあります。
総計は、合計よりもさらに大きな括りを指します。合計と合計を足すのが総計なのです。
たとえば、1年間の経費を合計とすると、5年間でかかった経費のトータルは総計となります。
小計<合計<総計の順に、数字の括りが大きくなるので覚えておきましょう。
累計
累計という言葉も、数字を計算する際に使われる言葉です。
しかし、合計や総計とはニュアンスが異なります。
累計は数字の積み重ね、1つ1つの単位が足されている意味合いがあります。
つまり、別の数字同士の足したもの、限定的な範囲の数字を足したものではなく、数字を積み重ねたものが累計になるのです。
たとえば、売り上げ累計というと「4月+5月+6月……」と積み重ねた数字というニュアンスが強くなります。
計算に関する英語表現
計算に関する言葉の意味の違いが理解できたのではないでしょうか。
ここでは、英語で「小計」や「合計」などのどのように表現するのか解説していきます。
パッと思い浮かぶのがtotalやsumなどの単語ですが、それぞれ単語によってニュアンスの違いがあります。
ビジネスシーンでスムーズな対応をするためにも、単語ごとにどのような計算範囲を示すのか理解しておきましょう。
小計
小計は英語で「subtotal」となります。
subは日本語でも「サブ」と言うように、「補欠選手」「代理人」などの意味がある名詞です。
ただ、その場合のsubは接頭辞として使われており、「副」「下」などの意味があります。
そのため、合計という意味のtotalと合わせて「subtotal」=「小計」となるのです。
また、「sub total」とsubとtotalの間にスペースは入れず、subtotalと一つの単語として使うのがポイントですよ。
小計に消費税が加算されます。
合計・総計・累計
小計はsubtotalという一つの単語で表せますが、合計・総計・累計はtotalという一つの言葉でそれぞれのニュアンスを表現できます。
total
totalという言葉で、合計・総計・累計の3つの意味合いを表現できます。
the total・the total amount:合計
シンプルにtotalだけで「合計」という意味になります。
amountは「(いくらに)達する」「なる」という意味があるため、小計を足した合計=「全額」には「the total amount」を使います。
the total amount ・the grand total:総計
「the total amount」で総計という意味で使うケースもあります。
grandは「総括的な」「すべてを含めた」などの意味があり、totalの前につけると「総括的な合計」=「総計」という意味になります。
to cumulate a total:累計
cumulateは「~を積み重ねる」という意味があります。そのため、「to cumulate a total」は直訳すると「積み重ねた合計」となり、「累計」というニュアンスになります。
sum
sum totalという言葉でも、合計・総計の2つの意味合いを表現できます。
totalは日本語でも「トータル」という言葉があるのでイメージしやすいですが、sumは日本語の会話では使いませんよね。
しかし、Excelで合計の数値を計算する際は、sumという関数を使うので、言葉は知っている方も多いでしょう。
sumとtotalはどちらも「合計」を指す言葉ですよね。
しかし、sumはいくつかの数字を足した数値であり、必ずしも合計や総計になるわけではありません。
そのため、sum totalは部分的に2つ、3つの数値を足す場合にも使える表現なのです。
一方、totalは数値をすべて足したもの、合計または総計を示す場合に使われます。
なお、「sum up」で「合計する」、「sum of」で「~の合計」という意味のフレーズになるので覚えておきましょう。
私は自分のお店の売り上げを合計する。
10と70の和を求めなさい。
aggregate
aggregateという単語でも、「合計」「総計」を表現できます。
aggregateは「集める」「~を集合する」という意味があるため、「累計」よりも「合計」「総計」という意味合いで使いますよ。
私は売上金を合計して報告しなければなりません。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、「合計」や「総計」にまつわる英語表現を紹介しました。
これらの言葉は日本語でも混同しがちですが、日常生活・ビジネスシーンにおいてよく使われる言葉でもあります。
計算範囲を間違えてしまうと、取引先とのトラブルになりかねません……。
日本語の意味を正しく理解しておくのはもちろん、英語でどのように表現するのか知っておきましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、計算する際に出てくる言葉の英語表現について覚えてみてくださいね。