数年前、流行りのアニメの影響で知人が「ド派手にな!」「派手派手だ!」を口癖にしていました。もう会わなくなって久しいですが、時折彼のセリフが脳内にフラッシュバックします。変わらず、ド派手に生きていてくれれば嬉しいんですが…。

さて、そんなわけで今回のテーマは「派手」です。英語で「派手」を何と表現すればよいか、対義語の「地味」も含めて詳しく確認していきます。

また、派手にもポジティブなものからネガティブなものまであるので、スラングも含めて色々なニュアンスの「派手」を意味する表現を一挙紹介します。

これを読めば、英語であらゆる派手さが表せるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「派手」は英語で何て言う?

「派手」は英語で何て言う?

「派手」という意味で最も一般的に使われるのは “flashy” です。発音記号は「ˈflæʃiː」、カタカナだと「フラッシー」と聞こえます。

flashy は「光」を表す flash(フラッシュ)を語源にしています。そのため、派手は派手でも特にキラキラしているような派手さを表す際に好んで使われます。

日本語においても、キラキラという言葉はポジティブにもネガティブにも使えますよね。それと同様、flashy もポジティブとネガティブ両方の派手さに使える便利な表現です。

Aさん
That car is flashy and cool.
訳)あの車、派手でかっこいいね。
Aさん
Today’s outfit is a bit flashy, don’t you think?
訳)今日の服装、ちょっと派手かな?

「地味」は英語で何て言う?

「派手」の対義語として、「地味」を英語で何と言うかも確認しておきましょう。「地味」は英語で “plain(プレイン)” か “subdued(サブデュード)” を使うのが一般的です。

まず plain は、飾り気がなくシンプルな地味さを表します。ポジティブな意味に使われることもありますが、「飾り気がなくてつまらない」とネガティブな意味でもよく使われます。そのため、誉め言葉で使うと誤解される可能性があるので注意しましょう。

Aさん
You’re dressed quite plain today.
訳)今日はなんだか地味な格好だね。
Bさん
Oh, really?  I thought I made an effort to look stylish.
訳)そうかな?自分ではおしゃれにしてきたつもりなんだけど。

一方の subdued は、色や装飾などを控え、敢えて目立たないようにしたスタイルを表します。日本語の「地味」にはネガティブなニュアンスがありますが、subdued にそのような印象はありません。あくまで中立的で客観的な表現です。

たとえば赤いジャケットと黒いジャケットがあった場合、9割以上の人は黒い方を地味と思いますよね? この感覚が subdued に近いといえます。

「けばけばしい」や「ド派手」など、色々な派手さを表す英語表現

「けばけばしい」や「ド派手」など、色々な派手さを表す英語表現

「派手」は基本的に先述の flashy 1語で表現できますが、そこに「けばけばしい」や「ド派手」などのニュアンスを加えたい場合は、他の表現の方がスムーズに伝わることもあります。

ここからは、そんな「派手」に関する英語表現について詳しく確認していきましょう。

活き活きした派手さを表す “vibrant”

活気に満ちて活き活きした派手さは、”vibrant(ヴァイブラント)” で表します。たとえば vibrant city と言えば、人々が活気に満ち溢れた派手な街というニュアンスになります。

vibrant はあくまで生命力に満ち溢れた派手さを表すので、常にポジティブな印象を与えます。

Aさん
That actor is famous for leading a vibrant lifestyle.
訳)あの俳優は派手な生活をしていることで有名です。

一目を引く派手さを表す “showy”

見る人の視線を自然と集める派手さは “showy(ショウイー)” で表します。見ての通り「見せる」を表す show が語源です。

たとえば、showy dress と言った場合、数あるドレスの中から、一際目立って見える派手なドレスというニュアンスになります。

showy はポジティブからネガティブまで、幅広いシーンで使える便利な表現です。

Aさん
The red dress she’s wearing is particularly showy.
訳)彼女が着ている赤いドレスは一際派手です。

高級感や豪華さを感じさせる派手さは “glitzy”

見るからに高級そうで豪華な派手さを表したければ、“glitzy(グリッツィー)” を使えばよいでしょう。たとえば glitzy ring と言えば、デザインや色が派手というよりも、高級な素材で作られたことが見るからにわかる指輪というニュアンスになります。

glitzy は豪華なものをポジティブに表現する際に使われるので、褒める際などに重宝する表現です。

Aさん
The outerwear he recently bought looks very glitzy and expensive.
訳)彼が最近買ったアウターは、とても派手で高そうです。

けばけばしい下品な派手さを表す “gaudy”

派手は派手でも、けばけばしい派手さを表す際は “gaudy(ゴーディー)” が使われます。

gaudy はもともと joy などと同じく「喜び」を表すポジティブな表現でしたが、現代では主に派手さをネガティブに評する際に使われます。たとえば gaudy suit と言ったら、成金趣味の下品なスーツのようなニュアンスに響きます。

意図的に使うならよいですが、使いどころを間違えると誤解されかねないので注意しましょう。

Aさん
My mom’s casual clothes are showy, in other words, gaudy.
訳)私の母は私服が派手、というかけばけばしいんです。

目にうるさい派手さを表す “loud”

目にうるさい派手さを表す際は “loud(ラウド)” もよく使われます。

loud はもともと「音が大きい」という意味ですが、そこから意味がスライドして、見た目が派手な様子にも使われるようになりました。大きな音が鳴るとみんな注目しますよね? それと同じような反応を引き起こす派手さには loud がピッタリです。

Aさん
The promotional car running through Shibuya is loud, both visually and audibly.
訳)渋谷を走る宣伝カーは、目にも耳にもうるさいです。

装飾が多い派手さを表す “decorative”

装飾がたくさん付いているような派手さは “decorative(デコラティブ)” を使って表します。

英語では装飾することを decorate と言い、decorative はそれの形容詞版です。日本でもよく「デコる」と言いますが、それも同じく decorate が由来になっています。

decorative はポジティブな装飾の派手さから、ちょっとけばけばしい装飾まで、幅広く使える表現です。

Aさん
This T-shirt might be a bit too decorative for a first date.
訳)このTシャツ、初デートに着ていくにはちょっと派手かなー。

度を越えたド派手さを表す “extravagant”

お金などを度を超えてつぎ込んだド派手な様子は “extravagant(エクストラヴァガント)” と言います。

ここで使われている extra は「~を超えて」という意味なので、見る人にやり過ぎ感を与えるような派手さを表すのにぴったりです。たとえば、extravagant LED light up などと言えば、全体を隈なくLED電球で飾り付けた家が浮かびます。

イベントなどならポジティブに映る可能性もありますが、個人での場合はネガティブにもなる表現です。

「派手」を表すスラング表現もマスターしよう!

「派手」を表すスラング表現もマスターしよう!

ここからは、派手さを表す際によく使われるスラング表現をご紹介します。

どれも非常にカジュアルな表現なので、使いどころにはくれぐれも注意しましょう。

華やかな派手さを表すスラング “bling-bling”

“bling-bling(ブリングブリング)” は、キラキラして華やかな派手さを表す際に使われるスラング表現です。

もともとはアクセサリーが輝く様子を表すオノマトペ的な言葉だったようですが、ラッパーたちが好んで使ったことから、若者の間でスラング的によく使われるようになりました。

魅力的に映る派手さを表すスラング “glam”

“glam(グラム)” は、洗練されて魅力的に映る派手さを表す、ポジティブなスラング表現です。

glam はもともと「魅力的」を表す glamorous の省略表現として生まれました。このような略語は日本だけでなく、英語でもスラング的によく生まれます。

glamorous と言うのは気恥ずかしいシーンでも、glam なら気楽に人を褒められます。

飾り立て過ぎた派手さを揶揄するスラング “fancy schmancy”

“fancy-schmancy(ファンシーシュマンシー)” は、主にアメリカで使われるスラング表現です。fancy と schmancy はどちらも「派手」を表す言葉で、それを敢えて2つ並べることで、冗長でやり過ぎな派手さを表します。

また、fancy-schmancy は語尾に韻が踏まれているとこから、ラッパー文化の影響も強く感じられるスラングです。

まとめ

今回は「派手」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。

派手は基本的に “flashy” で表せます。キラキラしたポジティブな派手さから、ギラギラしたネガティブな派手さまで幅広く表せる便利な表現です。

もっと意味を絞った派手さを表したい場合は、記事中で紹介した表現も組み合わせてみましょう。これらを正確に使い分けられれば、世の中のあらゆる派手さを表現できるようになるはずです。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!