「英語で何て言う?」コーナー、今回は「胸」についてです。

「胸」は、英語で「chest」です。「胸がドキドキする」といった感情表現では、「心臓」を意味する「heart」を使うこともあります。「胸」に関する英語は日常会話で意外と使う機会が多いのではないでしょうか?

今回は、基本的な英文から、応用編まで、「胸」に関する英語表現を紹介します。

ぜひ参考にしてください!

「胸」に関する英単語まとめ

まずは「胸」に関する英単語を紹介します。

「胸部」は英語で「a chest」で、複数形は「chests」です。

「胸」の周辺の部位や器官を表す英単語として、女性の乳房は「a breast」で、左右両方を指す場合は、複数形の「breasts」になります。また、心臓は「a heart」、肺は「a lung」、食道は「a esophagus」、鎖骨は「a collarbone」です。

そのほか、「胸」に関わる英単語として、胸筋は「a pectoral muscle」で、大胸筋は「a greater pectoral muscle」、胸ポケットは「a breast [chest] pocket」、乳首は「a nipple」です。哺乳瓶の吸い口も同様に、英語では「a nipple」と言います。

胸に関する基本的な英語表現

前章でまとめたように、「胸」は「a chest」ですが、日本語で「胸」と表現する場合でも、英語で「心臓」にあたる「a heart」を使うケースもあります。この章では、日常生活で使える基本的な表現を紹介します。ぜひ覚えて実際に使ってみてください。

「胸に名札をつけてください」は、「Put your name tag on your chest.」です。「Put 〜 on…」で、「〜を…につける」という決まり文句です。ここでは「chest」が使われていて、名札は片方の「胸」につけるものですから、単数形になります。

自信のある様子を意味する「胸をはる」は、英語では「stick one’s chest out」と言います。「stick 〜 out」で、「〜を突き出す」という意味です。アメリカの市民権活動家、ジェシー・ジャクソンが言った「Hold your head high, stick your chest out.」(顔を上げて、胸を張って)という言葉があります。「胸を張って」という命令形で、簡単に「Chest out!」と言うこともできます。

次に、日本語では心臓を意味する「heart」を使う基本表現について解説します。

「まだ胸がドキドキしているよ 」は、「My heart is still beating fast.」と表現します。直訳すると、「まだ心臓が早く打っている」となりますね。ドキドキしている「心臓」を明確に指している表現です。

「大きな喜びで胸がいっぱいになった」は、「A great joy filled my heart.」と言えます。これも同様に、日本語の「胸」に対して、英語では「心臓」(heart)を使っている表現です。嬉しさを伝えるのに、日本語で心臓がいっぱいになるとは言わないので、これは感覚的な違いでしょうか、特別な表現ですね。

このように、英語では「heart」(心臓)も「胸」を指す単語として使われているのがわかります。

次章では、日常生活でも使える「胸」を使った他の表現を解説します。

胸に関連する応用表現

日本語で「胸」を使って気持ちを表す言葉というと、皆さんは何を思い浮かべますか?この章では、「胸」に関する応用表現を3つ紹介します。

1つ目は、「胸を焦がす」は、英語では「pine for」を使います。「ただ座って昔の彼女に胸を焦がす」は、「I am just sitting here pining for my ex-girlfriend.」となります。想いを募らせるという感情を「胸」を使って表現する日本語に対して、英語では「chest」などを使うことはありません。

一方、体の一部分として捉えられることの多い「胸」ですが、英語にも「chest」や「heart」を使って気持ちを表すことができる表現がたくさんありますので紹介します。

まず、心に引っかかった不満や怒りなどネガティブな感情を何らかの形で発散することを「鬱憤を晴らす」と言いますが、英語では、「get (something) off (one’s) chest」と表現します。「Get it off your chest.」で、「(洗いざらい)打ち明けなさい」という意味になります。

また、緊張で落ち着かない様子を「heart」を使って表現できます。「My heart is in my mouth.」は、直訳すると「心臓が口の中にある」となりますが、これは「ドキドキしている」という意味です。日常的に使える表現ですので、覚えておきましょう。

「胸」に関わる不快感を表す英語表現

この章では、「胸」に関する不快感を伝える表現をいくつか紹介します。

日本語では、心が痛むことを「胸が痛む」とも表現しますが、英語でも同様の表現があります。「痛む」を意味する「hurt」や「ache」を使って、「My chest hurts.」や「My heart aches.」と言います。

さらに、「胸」は、何かがつかえたり、苦しくなったり、日常的に痛みや不調が起こりやすい部位でもありますね。次に、そうした不快感は英語でどのように表現したらよいか解説します。

「胸」が苦しいと訴えたい時は、「I have a pain in my chest.」と言います。また、「胸焼けがする」は、「I have heartburn.」と表現できます。「生魚を食べるといつも胸焼けがする」は、「Raw fish always gives me heartburn.」となります。胸がつかえて苦しい時には、圧迫感を意味する「pressure」を使って「I feel a pressure on my chest.」と言うこともできます。

最後に、「胸」に関する具体的な病名も紹介します。心臓病は「heart disease」、食道癌は「esophageal cancer」と言います。

まとめ

今回は「胸」に関する英単語や英語表現を紹介しました。

英語で心臓を意味する「heart」は、「hurt」(傷をつける)と聞き間違えることがよくあります。日本人が発音でつまずきやすい単語でもあるので、重点的に練習が必要です。

今回も日常会話で意外と使える表現があったと思うので、これを機に覚えて、使ってみてくださいね。

では、次回をお楽しみに!

参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)