“distraction”という英単語を知っていますか?TOEIC860レベルのハイレベルな英単語とされていますが、知っておくと便利な英単語の1つです。と同時に、類義語も多くしっかり使い分ける必要がある要注意の英単語でもあります。

本記事では、このハイレベルな英単語”distraction”について解説していきます。日常生活で使える表現も紹介するので、最後まで読んで”distraction”をマスターしましょう!

“distraction”の意味、使い方

“distraction”の意味、使い方

そもそもこの単語を知らない人も多いと思うので、はじめに”distraction”の意味と使い方を紹介します。

”distraction”の意味

distraction”は動詞”distract”の名詞形で、「注意散漫、気晴らし、心の動揺・乱心」といった意味をもちます。”distract”は「邪魔する、気を散らす」の意味なので、そこから、気が散った状態=注意散漫、あえて気を散らせるための行動=気晴らし、極度に気が散った状態=乱心という風に覚えると覚えやすいでしょう。

”distraction”の使い方

”distraction”は次の例文のように単体で使うこともあります。

Aさん
It is a distraction.
訳)邪魔です。気が散ります。

しかし、”distraction”は単体で使うよりも前置詞を伴って使われることの方が多いようです。具体的には次のような使い方をします。

to distraction

toには「〜まで」という意味がありますよね。「乱心状態になるまで」というところから、”to distraction”は「気が狂いそうなほど、頭がおかしくなるほど」という意味を持ちます。

Aさん
I love him to distraction.
訳)私は彼を溺愛しています。(気が狂いそうなほど彼が好きです。)

Aさん
He drives me to distraction.
訳)彼は私をイライラさせます。

“so much”では物足りないぐらいの状態を表現したい時に、ぜひ”to dstraction”を使ってみてください。文章の最後に”to distraction”を置くだけなので、使い方もとても簡単ですね。

for distraction/ as a form of distraction

気晴らしに〜する、と言いたい場合にも、前置詞をつけることで表現することができます。

Aさん
I read a book as a form of distraction (for distraction).
訳)気晴らしに本を読みました。

どちらでも問題はありませんが、”as a form of distraction”の方がより一般的です。

「邪魔する」を意味する3つの動詞を使い分けよう!

“distraction”の意味、使い方

冒頭で”distraction”には類義語が多く存在するとお伝えしました。”distraction”の動詞である”distract”には「邪魔する」という意味があり、”distraction”にも同様のニュアンスが含まれています。ここでは動詞の形で3つの類義語を比較して使い分けられるようになりましょう。

distract「気をそらす」

名詞の意味が「注意散漫」であることから分かるようにdistractは気をそらすタイプの邪魔をする、です。ケンブリッジ英英辞典では次のように説明されています。

Aさん
To make someone stop giving their attention to something
訳)あることに対する注意払うのを止めること

周りがうるさくて勉強に集中できない時には、”distract”が最適です。

Aさん
The noise in this room distracted my  study.
訳)部屋がうるさくて勉強できませんでした。

disturb「(行動を)妨害する」

”disturb”のケンブリッジ英英辞典での解説を見てみましょう。

Aさん
To interrupt what someone is doing
訳)相手の行動を妨害すること

勉強中に友人が話しかけて来た場合は、”disturb”が最適です。

Aさん
He disturbed my study by talking to me many times.
訳)彼は何度も話しかけて、私の勉強の邪魔をしました。

“disturb”の名詞は”disturbance”です。意味は「妨害」ですが、派生して「騒動」という意味ももちます。名詞でもやはり、動詞と同じく他人の行動の妨害をする、というニュアンスが含まれるので、使い分けにも注意しましょう。

disrupt「(進行を)妨害する」

同じくケンブリッジ英英辞典での解説を見てみます。

Aさん
To prevent something, especially a system, process, or event, from continuing as usual or as expected
訳)イベントや手続き、システムなどが通常通り、または予定通りに進むのを妨げること

“disrupt”は個人の行動の妨害というよりも、ものごとの進行の妨げを意味します。上記2つの英単語と比べると日常会話で使う頻度は少なそうですが、新聞記事ではよく目にする英単語です。

Aさん
The riot disrupted this huge event.
訳)暴動のせいでその大きなイベントは開催できませんでした。

“disrupt”の名詞は”disruption”ですが、”disruption”に邪魔や妨害といった意味はありません。面白いことに”disruption”だけは、妨害の結果の「分裂、混乱」といった意味をもつので、注意しましょう。

接頭辞”dis”について

接頭辞”dis”について

類義語を見比べて気付いたことはないでしょうか?すべての単語が”dis”で始まっていますよね。これは、接頭辞と呼ばれ英単語を覚える上で理解しておくと非常に効率的な要素となります。

接頭辞とは

多くの英単語は接頭辞、接尾辞、語根に分けることができます。語根はその英単語の基本となる部分、接頭辞、接尾辞は語根に追加の意味や異なる性質を付随する働きを持つ要素です。特に接頭辞は意味の付随、接尾辞は品詞の変更という働きを持つ場合が多いようです。

この接頭辞、接尾辞、語根を理解できていると、初見の英単語でもなんとなく意味を推察できたり、他の英単語と関連付けて覚えることができたりと、英単語学習においてとても効率的なので、余裕がある人は覚えておくと良いでしょう。

接頭辞”dis”の意味 

それでは、接頭辞”dis”にはどのような意味があるのでしょうか?「ディスる」は日本語のスラングですが、実は”dis”はアメリカでもスラングとして使われており、「軽蔑する、非難する」という意味をもちます。ここから分かるように”dis”は基本的にはネガティブな意味です。多くの場合、接頭辞”dis”は「否定」「反対」「分断」といった意味を付随します。

まとめ

今回はハイレベルな英単語”distraction”について解説してきました。英単語はレベルが高くなればなるほど、覚えにくかったり、使い方が分かりにくかったりと複雑ですよね。

今回の解説のように、類義語を一緒に覚える、その際に使い分け方まで調べる、接頭辞、接尾辞などの単語の成り立ちを意識する、これだけでも英単語の定着率は格段にアップします。

難しい単語だから…と諦めず、自分に合った記憶方法を見つけましょう。今回の記事で少なくとも”distraction”の意味、使い方をご理解いただけていれば大変嬉しく思います。