英語学習の目標の一つは、いかに語彙力を増やすかですよね。
単語帳で繰り返し勉強したり、新しい単語を丁寧に調べたり… しかし、いくら語彙力をつけていっても、時には分からない単語が出てきてしまうのは仕方のないことです。
ここで重要なのは、分からない単語が出てきたときに、どのくらい推測できるかです。
文脈や会話の流れから単語を推測することが多いですが、今回は、単語の接頭辞と接尾辞から推測する方法をご紹介します。また、この接頭辞や接尾辞を知ることで単語を効率的に覚えていくこともできるので、ぜひ活用してみてください。
接頭辞と接尾辞とは?
接頭辞/Prefixを英英辞典で引くと、次のように書かれています。
a letter or group of letters added to the beginning of a word to make a new word
(新しい単語を作るために加えられた、単語の始めの文字または文字群)
更に詳しい説明として次のようにあります。
’un’ is one of the most common prefixes in English. A suffix is added at the end of a word, and prefix is added to the beginning. Prefixes can be used to create new words in English. ‘Eco- ‘is a prefix used to mean ‘relating to the environment’.
(’un’は英語で最も一般的な接頭辞の一つです。接尾辞とは文の最後に付け加えられたもの、接頭辞とは文の始めに付け加えられたものです。接頭辞は新しい単語を作る際に用いられます。 ‘Eco- ‘とは ‘環境に関係ある’という意味で使われる接頭辞です。)
From: https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/prefix
これらの説明にあるように、接頭辞や接尾辞とは新しい言葉が生まれる過程で加えられた、ある意味を成す文字または文字群です。接頭辞や接尾辞を考えるということは、その単語/言葉の語源を考えるということです。
例えば、1993年から使われているとされる ‘Ecofriendly’も
’eco-‘ ‘環境に関係ある’+‘friendly’ ‘優しい’=‘Ecofriendly’ ‘環境に優しい’
というように生まれた比較的新しい単語/言葉と考えると、納得です。
よく出てくる接頭辞と接尾辞
接頭辞と接尾辞は数多くありますが、今回は私が厳選した、よく出てくるものを中心にご紹介します。
接頭辞/prefix
多くの単語で接頭辞とそれに続く単語から意味を推測することができます。分からない単語に出会ったら、単語の始めに注目してみましょう。
反対/否定の意味を加える接頭辞
- ‘im-’ / ‘反対’ 例:impossible ‘im-’ ‘反対 ‘+’possible’ ‘可能’=不可能
‘im-’の接頭語を含む単語:impolite (失礼な), immature (未熟な), immediate (直接の、直ぐの) - ‘un-’ / ‘反対/否定’ 例:unable ‘un-’ ‘反対/否定 ‘+’able’ ‘能力でできる’=できない
‘un-’の接頭語を含む単語:uncomfortable (心地よくない), unforgettable (忘れられない), unsatisfied (不満足な)
時に関連した意味を加える接頭辞
- ‘pre-’ / ‘前の’ 例:preview ‘pre-’ ‘前の ‘+’view’ ‘見る’=試写する
‘pre-’の接頭語を含む単語:prefix (接頭語), precaution (予防措置), prepay (前払い) - ‘post-’ / ‘後の’ 例:post-election ‘post-’ ‘後の ‘+’election’ ‘選挙’=選挙後
‘post-’の接頭語を含む単語:postwar(戦後の), postnatal (出産後の), postdated (先日付の)
様々な接頭辞
- ‘co-’/ ‘共に’ 例:co-worker ‘co-’ ‘共に ‘+’worker’ ‘働く人’=同僚
‘co-’の接頭語を含む単語:coexist (共存), cooperate (協力), coincidence (偶然の一致) - ‘en-’/ ‘その状態にする’ 例:enjoy ‘en-’ ‘その状態にする ‘+’joy’ ‘喜び’=楽しむ
‘en-’の接頭語を含む単語:ensure (確実にする), entrust (任せる), encourage (勇気づける) - ‘inter- ‘/ ‘相互間で’ 例:interactive ‘inter-’ ‘相互間で ‘+’active’ ‘活発な’=相互作用の
‘inter-’の接頭語を含む単語:interface(調和する), interrupt (遮断する), intercity (都市間の)
中には「そういう意味だったのか!」と思っていただけた接頭辞もあると思います。ここでご紹介した接頭辞を覚えておくだけでも、推測できる単語がグッと広がります。
接尾辞/suffix
接尾辞は単語の最後に位置しており、この部分に注目することで単語の意味や種類を推測することができます。
様々な接尾辞(名詞に付ける)
- ‘-ology’/ ‘学問’ 例:geology(地質学), biology(生物学), psychology(心理学)
- ‘-ism’/ ‘考え・主義’ 例:communism(共産主義), skepticism(懐疑的な態度), narcissism(自己愛)
- ‘-ist’/ ‘人’ 例: specialist(専門家), plagiarist (盗用者), chemist(科学者)
- ‘-er・-or’/ ‘人’ 例: trainer(指導者), protector (保護者), narrator(ナレーター)
接頭辞に比べて接尾辞の意味は広いため、意味を推測するというよりは、単語の種類を推測することに役立ちます。例えば上の例のように、「何かの学問」や「ある考え方」と言った推測ができるだけで、文脈から何となく単語の意味を想像することができます。もし、この終わり方をする単語をよく見かけるなと思うことがあれば、接尾辞を調べてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。接頭辞や接尾辞と聞くと、何か難しいことのような気がしてしまいますが、語源から来るグループ分けの目印という風に思っていただければ良いかと思います。
新しい単語や習ったけど忘れてしまった、分からない単語に出会った際は、すぐに辞書で調べてみるのではなく、できるだけ推測してみるように心掛けてみてください。この推測する際のヒントとなるのが接頭辞や接尾辞です。また、単語を覚えるために重要な「単語を思い出してみる」作業のヒントにもなります。
接頭辞や接尾辞はたくさん種類があるので、全部を覚える必要はありません。この記事で紹介したものや、よく見かけるものを中心に覚えておくと語彙力強化にとても役立ちます。
語彙力に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。