英語を語源から勉強することで、知らない英単語が出てきたとき、新しい英単語を覚える際にとても役に立ちます。
特に以下のように考えている人にはピッタリの勉強法です。
英単語をただ暗記するのは苦手
論理的に英単語の意味を覚えていきたい
この記事では、英語を語源から学ぶメリットや注意点、さらに「まず覚えるべき英語の語源」についてお伝えします。
この記事を読み終わるころには、あなた自身が語源を使って英語を勉強する方法を取り入れるべきかや、具体的にどんなことを学んでいくのかをイメージできるようになるのでぜひ最後まで読んでください。
英語を語源から勉強するメリット
英語を語源から勉強するのには、以下3点のメリットがあります。
- 単語の単純暗記が減る
- 知らない単語を推測できる
- ほかの言語にも応用できる
順番に見ていきましょう。
1.単語の単純暗記が減る
英語の語源を勉強すると、単語の丸暗記が減ります。
なぜなら、語源から単語の意味を推測できるようになることで、論理的な思考回路で英単語を覚えることができるからです。
例えば、輸入と輸出を意味する “import” と “export” を見てみましょう。
“import”は “im” と “port” に分けることができます。
“im” は、もともと “in” だったものが隣の “p” の音に伴って “m” に変化したものです。
また、”in” には「~の中へ」の意味を持っています。”port” には「港」の意味があります。
「in(im)=~の中へ」+「port=港」で、「港の中へ」の意味になるので「輸入」を表す英単語だと考えることができるわけです。
exportに関しても、「ex=~の外へ」+「port=港」=「港の外へ」の意味になるので「輸出」を表す英語だと考えることができます。
別の例も見てみましょう。
“in” には「~の中へ」の意味以外にも、「~の上に」という意味があります。
“pose”には「置く」という意味があります。
「in(im)=~の上に」+「pose=置く」で、impose「課す」の意味になります。
「ex=~の外に」」+「pose =置く」で、expose「外に置く」から「さらす」という意味になります。
「dis=分離」+「pose =置く」で、dispose「分けて置く」から「処分する」という意味になります。
「com=共に」+「pose =置く」で、compose「共に置く」から「組み立てる」という意味になります。
上の例で挙げたように、語源を学ぶことで単語の意味を類推し、退屈な丸暗記作業を避けることができます。
2.知らない単語の意味を予測することができる
英語の語源を勉強することで、知らない単語の意味を予測できるようになります。
なぜなら、知らない単語でも、ほとんどの場合は「見たことのある語源の組み合わせ」であるからです。
例えば “prospect” の意味がわからなかったとします。
しかし、英語の語源を知っていれば、”pro “が「前に、前方に」の意味を持っていること、”spect”が「見る」に関わる意味を持っていること(例:spectator=観客)に気が付くことができます。
「pro=前に、先に、前方に」+「spect(見る)」=「prospect=見込み」という意味を推測することができます。
3.ほかの言語にも応用できる
英語の語源を勉強すると、ほかの言語を学ぶときにも応用ができます。
英語の語源とほかのヨーロッパの言語(たとえば、フランス語、イタリア語、スペイン語)には多くの部分で共通しています。
「英語だけでなく、ほかのヨーロッパの言語も学びたい!」という方には、英語以外の言語の勉強にも応用の利く勉強法だといえます。
語源で英語を学ぶ際の注意点
語源を使って英語を学ぶ時には、以下のような注意点があります。
- 英語初心者には向かない
- 「こじつけ」と感じることもある
- すべての単語に語源があてはまるわけではない
順番に見ていきましょう。
1.英語初心者には向かない
語源で英語を学ぶのは、英語初心者には向かない点に注意する必要があります。
その理由は、中学英語レベルの英単語を覚えるには役に立たないことが多いからです。
語源を組み合わせて意味を推測できる英単語は、高校レベル以上の英単語が多いです。(前項で挙げたimportやexport、後述の英語の語源一覧をご参照ください。)
schoolやboyなどの中学英単語を覚えるには、英語の語源ではなく素直に意味を覚える方が効果的だといえます。
訳)語源を学んで単語を記憶するのは、中上級の英語学習者向けだと言われています。
訳)それはあるかもしれない。でも個人的には、中学生レベルの英単語でも、語源を覚えた方が覚えやすいものもあると思います。
訳)同感です。im- や un- などの否定の接頭辞を覚えることで、中学生レベルのボキャブラリーも広がります。
「語源」は英語で “etymology”といいます。
2.「こじつけ」と感じることもある
語源で英語を学ぶ上で、「語源の意味の組み合わせが、英単語の意味を正確に表さないことも多い」ことに注意が必要です。
例えば「constant=絶え間なく、定期的な」という単語があります。その単語は「con(com)=共に」+ “stant(stand)=立つ」という語源から成り立っていることに気づきます。
「共に」と「立つ」という言葉から、「絶え間なく、定期的な」などの意味を連想するのは少し「こじつけ」のようにも思えますよね。
この constantのように、語源の意味を紐づけても、英単語の意味に正確には結びつかないこともあります。
このことから、「語源を覚えれば英単語の記憶には困らない」というよりも「語源の組み合わせから自分流で英単語の意味と結びつけて覚える」という意識で取り組むものだといえます。
3. すべての単語に語源があてはまるわけではない
語源を学んで、ボキャブラリーを増やしていくことは、上級者になればなるほどおすすめなのですが、すべての単語に語源があてはまるわけではありません。
語源でボキャブラリーを一気に増やそうとがんばっている中で、英語の試験などのために一気に単語をたくさん覚えなくてはならないときに、語源はすべての単語にあてはまるわけではないことに気付きます。
そういった場合は、これまでに覚えた別の単語を関連付けて覚えたり、何かしら自分なりの覚え方を工夫しましょう。その長くて難しい単語を使って、英作文をして、使い方も確認しながら覚えるというやり方もあります。
英語学習で覚えるべき語源一覧表
英語学習で覚えるべき語源について、基本的なものを集めました。
「これから英語の語源を学んでみたい!」と考えている方は、これからどんな形で語源を学んでいくのかをイメージするのにお役立てください。
英語の語源には大きく3つの種類に分けられます。
- 接頭辞
- 語根
- 接尾辞
順番に見ていきましょう。
1.接頭辞
接頭辞は英単語の先頭につきます。接頭辞が連続してつくこともあります。
例
- in, im=「中へ」(import, internationalなど)
- in, im = 「否定」(impossible, informal, immoralなど)
- un=「否定」(unable, uncover, unlimited, unfamiliar, uncomfortable など)
- e, ex=「外へ」(export, ejectなど)
- dis=「分離」(dispose, distract, dispatchなど)
- com, con=「共に」(compose, compress, contractなど)
- auto=「自身」(automatic, autographなど)
- pro, pre, per=「前に、前もって、代わりの」(project, prepareなど)
in, imには、「中へ」という意味以外にも、「否定」の意味があります。否定を表す接頭辞には、unもあります。
dis=「分離」を覚えると、先ほど出てきた”pose”「置く」と組み合わせたら、「分離して置く」から「処分する」という意味になります。”tract”には「引く」という意味があり、「分離して引く」から「気を散らす」という意味になります。”patch”には「土地の区画」という意味があり、”dis”と組み合わせると、「派遣する」という意味になります。
com, con=「共に」を覚えると、この接頭辞にも先ほど出てきた”pose”「置く」と組み合わせたら、”compose”で「共に置く」となり、「組み立てる」という意味になります。”tract”には「引く」という意味があり、”contract”で「共に引き合う」→「契約する」という意味になります。
2.語根
語根は英単語の先頭、真ん中、末尾、どこにでも登場します。英単語の意味に大きく影響することが多いです
例
- gen, gene=「生む、種類」(generation, geneticsなど)
- liber=「自由」(liberty, liberateなど)
- bio=「命」(biology, biograghyなど)
3.接尾辞
接尾辞は英単語の末尾に付きます。接尾辞には意味があるので、それが付いていると意味が類推しやすくなります。
例
- able, ible=「~できる」(available, audible, usableなど)
- logy=「学問」(phycology, biologyなど)
- graphy=「書かれたもの」(biography, photographyなど)
- ium=「物質」(calcium, aluminiumなど)
- ist=「人」(dentist, artist, journalistなど)
訳)接頭辞はとてもたくさんあり、それを覚えると、ボキャブラリーが広がっていく気がします。
訳)そうですね。加えて、対義語や同義語を一緒に覚えることで、ボキャブラリーは一気に増えます。
英語の語源を知ると語彙力の幅が広がる
英語の語源を知ると、語彙力の幅が広がります。
知らない単語の意味を推測できたり、同じグループの英単語を混乱せずに整理して覚えることが可能になるからです。
また覚えた、使えるようになった英語は英会話スクールなどでアウトプットする機会を持つとより効果的に語彙力の応用力を身に着けることができます。
「もっと自分の英語の語彙力に幅を持たせたい!」と考えている方にはピッタリの勉強法です。
まとめ
この記事では、英語を語源から学ぶ方法について以下の観点からお伝えしました。
- 英語を語源から学ぶと、英単語の丸暗記が減り、語彙力の幅がグッと広がる
- 英語を語源から学ぶのはとても役に立つが、中には「こじつけ」と感じられるものも多く、「自分なりの解釈の仕方や覚える工夫」も求められる
- 英語の語源には、接頭辞、語根、接頭辞の3種類に大きく分けられる
ここまでお読みのあなたなら、英語を学ぶ際に語源がどう活きてくるかについて十分な理解を得られたことでしょう。
この記事でお伝えしたことが、あなたの英語力をより豊かにするのに役立てられれば幸いです。